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マルハボロの映画MURMUR⑥『ザ・ハント』~四本足は偉いのか~

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皆様どーもこんばんは(時刻はAM1:10)☆

お楽しみは突如として訪れる……マルハボロの映画MURMURのお時間でございます(∩´∀`)∩フッフー

昨夜のSAAHOサーホーの記事はもう楽しんでいただけましたか?まだ読んでないなら、こちらの文字にリンクがありまっせぇ✨

さて、それでは早速作品紹介といきましょう。今回※ネタバレを含みます※のでお気を付けを。

あらすじ

────機内にて、ふらつく男性が突如として現れる。彼に落ち着くよう指示する老人だが、あろうことか老人は男を殺害してしまう。
そして場面は変わり、そこには口枷をされた女性が。さらには他にも同じように口枷をされた男女が年齢もバラバラにこの場所には集められていた。
そして……彼らが見つけた箱からは一匹の豚が現れた。さらには銃やナイフまでもが。
それはマンハント人狩りの合図。狙撃が、地雷が、棘付き落とし穴が。そこにいる人間を次々と殺していく。
だがこのゲームにはイレギュラーが混入していたのだ。鍵付きの口枷を単独で外し、僅かなヒントから罠を嗅ぎ分けるほどの嗅覚を持つイレギュラーが……。

日本版ポスターは最悪

「この映画は政治的な要素を前に出しすぎている!」などと巷で言われていますが、それもそうです。というのも、犠牲となるマンハントのターゲットに名付けられた名前は、全員がジョージ・オーウェルの『動物農場』から名付けられているからです。

まるでミームのように「トランプが批判した!!」とやたら盛り上がっていますがそれはこの映画の本質を曇らせます。ぶっちゃけ動物農場はこの作品において舞台装置にすらなっていません。あくまで香辛料スパイス程度の存在。それもそのはず。なにせ名前をつけたマンハントの主催者は動物農場を読んだことすらないのですから。

そう、この作品は一見表面の要素を見るとネットにおける政治対立を現実の殺し合いにまで発展させたように見えますが、なんのことはありません。
スプラッタ映画において、犯人が人を殺す理由なんてあってもなくてもどうでもいいからです。言いすぎ!と思ったかもしれません。ですがもう一度読み直してください。これはスプラッタ映画であり、アクションホラー作品です。そもそも政治的なエッセンスなんぞ物語を盛り上げる設定にしか過ぎないんですよ。そんな部分を気にしたら、作中に登場するネット陰謀論者やら砂糖は毒とまで言い切る老婆までいるわけですから。

徹頭徹尾この作品はゴアと皮肉で構築された作品なのです。そもそも作品タイトルからしてかなり秀逸なのです。『ザ・ハント』とはそもそも誰を狩る者なのか、と。
ターゲットに読んだことすらない動物農場の動物の名前を付けること以外にも、仕掛け人側の無知や緊張感の無さは要所要所で確認できます。ではターゲットはまともかというと、そんなことはわかりません。なにせろくでもないのしか残ってませんので。メインキャラかと思った男女なんて初っ端死にますからね。その散り様は是非ご確認をば。

作品の性質としては『クリスティ』や『サプライズ』と同じような、犠牲者を舐めていた結果殺人鬼が逆襲に遭うといった類いのものではあります。実際そういった作品としてもそれなりに楽しめる仕掛けが施してありますが、この映画はその映画と明確な違いがあります。

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逆転するのが善人とは限らない

確かに主人公は有能です。州ごとのタバコの値段の違いから店が偽物の存在であることを見抜くなど、常人には出来ないでしょう。
────ですが、それを理由に店主の老夫婦を即殺害する判断ができる人物は、果たして善人でしょうか? 神の視点である視聴者は気づきにくい仕掛けが、実は他にも仕掛けられています。
↑↑↑↑上記に上げた作品↑↑↑↑との最大の違いはそこです。彼女達は然るべき状況に追い込まれた結果、それまでの自分自身が積み上げてきたものによって反撃を繰り広げていきます。ですが、この作品の主人公として登場するクリスタルには彼女らにあった残虐な行為に対する一種の躊躇いが欠片もありません。

それはむしろ、彼女の方がサイコキラーなのではないか?
見る人間にそう錯覚させてしまうほどに。
以前Twitterで「デスゲームの参加者はしっかり選ばないとエラいことになる」と呟いている方がいましたが、この映画はまさにそれを物語っていると言えたでしょう。

ちなみにこちらの作品で主演を務めているのはなんとトゥモローウォー(👈感想記事リンクあり)にてクリス・プラットの奥さん役を務めたベティ・ギルピンだったりします。ウィレム・デフォーを思わせる独特の存在感がある女優さんですので、今後も何かと気にして見たい方ですね。

閑話休題。

まあ誰だって、弱々しい犠牲者の中にハンニバル・レクターマイケル・マイヤーズがいるだなんて予想もしないでしょうよ。

……ましてや、それが同姓同名の別人ともなれば、ねえ?……

はい、ということで今回は時間がある時に見た映画ではなく、以前Twitterだったかで簡単に感想を呟いた作品の、個人的には再レビューという形になりました。こんな感じでわたしのレビューが見たい映画などあれば、作品によりけりお応えさせていただきます。
よければ今回の記事へを押すついでに、わたしのTwitterへリプライくださいませ♪(笑)

また例のごとく今回も画像にはリンクがあります。一部作品以外はプライム視聴対象ですので、よければ今回ご紹介した『ザ・ハント』を未視聴の方は一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。ちなみに、タイトルは本記事中でも扱った『動物農場』に登場する言葉をもじったモノになります。

それでは皆様また次回もお会いしましょう。マルハボロでした(∩´∀`)∩

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