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東海自然歩道を歩く 3 富士吉田〜井出駅

今回は、北口本宮冨士浅間神社から富士川の畔の見延線・井出駅まで。宿での宿泊なので荷物が軽く、気分も軽くスタート。

朝、富士山は雪煙があがっている。まだひとけも少ない。

今回のスタート地点、神社へと向かう。神社はまだ人もまばら。いったん国道にでて富士急ハイランド方面へ歩く。北には10月に歩いた御坂山地がよく見える。あそこのあたり歩いたっけなと思いながら景色をながめるのは楽しい。

富士山世界遺産センターのところで道を見失いそうになりながら、住宅地や林の中の道を歩くと、なにやらおいしそうな看板が。

どうしよう。

おなかもすいていないし、行動食ももっているなと思い、数メートル、通りすぎたけれど、そそくさと戻って、アップルパイを購入。レジのところで、ふとみるとパウンドケーキの切れ端なんていうのも売っていて、ついつい追加で購入。

しばらく歩いて、足和田山へと登る。登りながらふと横をみると河口湖。「うーん、いいながめ」。頂上にくると登山の人もたくさんきている。気持ちのよいながめ。

切れ端、おいしい。

三湖台にたちよって、景色を楽しんだら、山は下りとなって、道は青木ヶ原の樹海の中へと続いていく。

樹海。

「青木ヶ原は平坦で同じような景色がつづいて見通しもきかないから、迷ってしまう場所なんだろうな」とか思いながら歩いていたら、いきなり、きれいな建物と音楽がなっている場所に出た。なんだろうと思ったら、鳴沢氷穴だった。ここからは氷穴、風穴を見る観光の人が多くなった。

風穴にも立ち寄るだけたちよって(中にははいらなかったけれど)、先にすすむと人はいなくなり、静かな道になった。最初は国道沿いで車の音がじゃまだが、だんだんと離れてきて静かになった。こんなに平坦な森の中をずっと歩く場所もめずらしいんじゃないだろうか?

森をぬけると、精進湖の民宿村にでた。さて、今日泊まる民宿はどこかなとメモを確認して、前をみたら目の前だった。

宿は、夕食も朝食もこれでもかというぐらい品数がおおくて、おなかいっぱい、ゆっくりできた。

二日目。まずは本栖湖へ。

朝。今日は雲が多いのかな。

樹海の中だけだと遠い景色が見えないので、城山に登る。

樹海の中にぽっかり民宿村。

城山を降りて、道を進むと、なにやら白いものがぱらぱらとある。「しもばしら」。けっこう大きなものまでいったいにたくさんある。近くでみると繭のような不思議な造形でおもわず手でふれてみると「冷たっ」、やっぱり氷だ。

歩いていて、ここにだけたくさんできていた。不思議な造形。

本栖湖にでた。少し道を外れて湖畔へ。静かでよい場所。

静かな湖畔。

本栖湖キャンプ場のあたりを通ると、林から「ガサッ」っと音がした。すぐ横の木に、ふさっとしたホウキのようなシッポ。「リス。」ススッ、チョロチョロッっと登っていった。

割石峠への道に入るとあまり歩かれていない感じの道になってきた。このあたりはあまり人気のないコースなのかな。

休憩して時間を見るとけっこう時間が押していることに気がついた。朝、出発するときには、「宿のチェックイン時間より早くついてしまったらどうしよう」と思っていたが、そんな感じにはならなそうだ。せっかくの宿どまり、のんびりしたいと思っていたので、ちょっとペースを早めた。

冬枯れの道をさくさく。

県境を越えて静岡県にはいる。ちらっと横をみると富士山。めずらしいわけではないけれど、富士山を見るたびになんとなく口元がにやっとしてしまうのはなんでだろう。

比較的あたらしい整備なのか、道標も新しい感じだ。いままであまり意識していなかったけれど、道標に書いてあるシンボルマークが緑色だ。

朝霧高原に入ってくると広々とした景色になった。パラグライダーも飛んでいる。

気持ちよさそう。

途中にキャンプ場が何箇所かあり、いずれもけっこうな数のテントが張られていて驚いた。冬にこれだけにぎわっているとは。やはりキャンプははやっているんだな。

陣馬の滝を見て、小田貫湿原まできた。もう少しだ。お腹もいい具合にすいてきた。なんといっても今日の宿の休暇村はビュッフェ。お腹がすいていないと困る。

明日の長者ヶ岳への上り口を確認して、なんとか明るいうちに田貫湖に到着。

今日のゴール。お腹もすいた。

夕食も朝食もたっぷりと食べて、3日目を出発。休暇村のビュッフェは品数が多くてとても楽しい。朝食のしめはソフトクリーム。

デザートいろいろ。

長者ヶ岳への尾根道を登っていく。「コツコツ」、「ヒーッ、ヒーッ」と鳥の声、コガラ、ウソかな。途中、ひと休みしているとカラフルなヤマガラも姿をみせてくれる。

予報どおりのくもり空。波うつ雲。

頂上につくと3人、登山の方が休んでいた。同じように一休みして、天子ヶ岳方面に向かう。天子ヶ岳にいこうか悩んだが昨日、予定外に動きすぎて時間がおしてしまったことを思い出して、そのまま東海自然歩道をたどり、上佐野へ下ることにした。

古い道標だ。

上佐野への下りはテープやトラロープが設置されているので迷ったりすることはないものの、かなり歩きずらい道だった。「これは人はあまりはいっていなそうだ」と思いながら下っていったら「あれ、先行者」。さきほど長者ヶ岳であった方だった。三石山の方へ向かうとおっしゃっていた。

歩きずらい…

ようやく歩きずらい道をとおりすぎて、すこし沢沿いを歩くと、パッと明るい茶畑にでた。とてもきれいな風景でたくさん写真をとってしまった。

茶畑と柑橘。

あとで聞いたら、この上佐野のあたりは朝晩は霧がかかりとてもよい茶がとれるところらしい。

車道をたどって歩いていくと、「こんなところに?」と、古民家ヒュッテがあったり、山村の風景が楽しめた。

あのヘビのまむしだよね?

集落の中を東海自然歩道がどう通っているのか、いまひとつわからず、地図を片手に道をさがしながら歩いていると、さっき看板でみた、まむし養殖場があった。「へーっ」と興味津々で見ていたら、作業している方がいた。お話ききたいなと思って挨拶すると、「どこにいくの?」と聞いてくれて(地図を片手に見ていたからかな)、東海自然歩道はあそこをまがって、こっちにはいってと、たいへん親切に教えてくれた。

教えていただいたとおりに歩いて、佐野峠へ向かう。道標がきっちりあるわけではなかったのでとても助かった。

ススキの中。

佐野峠はから思親山へ向かう。とても歩きやすい道なのでほどなく山頂についた。かろうじて雲にまとわりつかれている富士山の姿も見えた。

山頂。ちょっとおもしろい感じ。

山頂からも歩きやすい道で、天子湖を左にみながらいっきに下りていく。舗装路にでるが、ところどころ東海自然歩道の看板がでていて、横に道がついている。なんでだろうという気もするが…。

雲にまとわりつかれている。
このあたりのシンボルマークは白。

大きく舗装道路をショートカットする道をたどると茶畑のある集落にでた。お茶というと静岡のイメージだったので少し意外。でも静岡との県境に近い地域だから当たり前かとも思う。

あとはそのまま舗装道路を進んでいくと今回のゴールの井出駅に到着した。

電車まで1時間以上あるし、予定よりもかなり早く着いたので、あらかじめ調べていてよさそうだと思っていたカフェにいくことにした。10分ほど歩いて到着。「古民家カフェ 油屋」さん。店主の好きなものなどがいろいろ置いてあって、とても落ち着く空間だった。真空管アンプで鳴らしている音楽もここちがよかった。特製のナポリタンやチャイをいただきながら、店主とお話していたら、時間は過ぎ、あっというまに電車の時間になってしまった。

(2023年12月)

今回は宿どまりにして、軽い荷物で軽快に歩く計画しました。富士吉田からぐるっと富士山を反時計まわりにまわっていくと、精進湖、朝霧高原と進むにつれて見える富士山の形がすこしずつですが変わっていっておもしろかったです。道々、出会ったお店や集落のながめ、雰囲気もとても楽しかったです。キャンプじゃない歩き旅もまたいいものでした。今回は富士川の畔まできたので、次回は安倍川までいけるかな。

データ
1日目 富士山駅(08:00)-足和田山(11:30)-三湖台(12:30)-鳴沢氷穴(13:30)-精進湖民宿村(15:15)
2日目 精進湖民宿村(08:00)-城山(9:00)-本栖湖バス停(10:45)-割石峠(12:45)-根原の吊橋(13:45)-麓の吊橋(14:45)-小田貫湿原(16:00)-休暇村富士(16:30)
3日目 休暇村富士(7:45)-長者ヶ岳登山口(8:15)-長者ヶ岳(9:45)-佐野橋(11:45)-佐野峠(13:30)-思親山(14:00)-井出駅(14:45)

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