【2017年】実践から学んだマーケティング戦略4選

2017年はマーケティングを学び始め、実務からもたくさんの学びを得た1年となりました。特に夏以降の半年間は事業が昨年比2倍で成長し、最後の四半期については過去最高集客数を上回り続けました。

たくさんのマーケティング関連の書籍も読みましたが、やはり実践から学べるものほど価値あるものはないと改めて感じました。

小さい施策まで挙げればキリがないので、今回は戦略的な部分に比重をおいて、実際に成果を出すことができた4つの戦略について書きたいと思います。

1. サービス間のシナジーを考える

サービス間にシナジーがあるのであれば、サイト上やリアルの場で積極的に相互送客を試すべきです。2017年は結果的にサイト設計を変更し、サービス間の流動性を高めたことが最も数字に影響を与える一手となりました。

一般的に事業部制を採用している企業は多いと思います。もし自社で運営しているサービス間にシナジーがあるにも関わらず、別事業として配置している場合は大きな機会損失を生んでいる可能性があります。

なぜなら、別事業としてワークしている場合、現場のプレーヤーだけでなく事業責任者レベルの人でも事業個別最適を考え、全社最適という視点が抜けてしまうからです。これは仕方ないことだとは思うので、あえて時間をとって全体を俯瞰する目を持つべきでしょう。もしくは、全社最適が考えられるような組織設計を行い、仕組みごと変えてしまうという方法もあります。

サービス間シナジーは「一方のサービスがフロント商材的な役割を果たし、もう一方がアップセルになっている」場合などに生まれやすいのかなと思います。

サイト内相互送客がうまく機能すると、集客の最大化につながるだけでなく、広告費を大幅に削減することができます。

複数サービスを運営していて、集客や新規ユーザー獲得が伸び悩んでいるようであれば、見直してみるといいかもしれません。

2. 売上に近い部分から施策を打つ

これはすでに周知の事実だと思いますが、いざ仕事をしていると入り口部分(集客の最大化)ばかりに意識がいってしまうことがあります。特に高額商品になればなるほど売上に近い部分から改善を図っていくべきです。

例えば自社の集客ファネルが下記のような場合を考えるとわかりやすいです。BtoB商材などの単価が高い商材の場合に多い事例かと思います。

リード獲得 → ナーチャリング(無料商品のお試しなど) → 商談・クロージング → 購入 → 入金

リード獲得  :月1万件
商談への転換率:20%
購入への転換率:20%  
入金率    :60%

このような場合、最も数字を改善した時の費用対インパクトが高いのは入金率です。

この商材の単価が20万円だとしましょう。入金率を10%上げるだけで月間の売上は下記のように変動します。

・現状の数値
¥200,000 x 10,000件 x 20% x 20% x 60% = 売上4.8千万

・入金率10%改善
¥200,000 x 10,000件 x 20% x 20% x 70% = 売上5.6千万

月間でおよそ8百万円の売上差が発生します。年間にすると約1億円です。

また、入金率はそのままでリード獲得でプラス8百万円伸ばそうとすると、約1,670件の新規獲得が毎月必要になります。もちろん入金率を10%上げることも大変ですが、新規獲得には広告費や人件費など多くのコストが必要になります。

つまり、今回の例の場合は、入金率→購入への転換率→商談への転換率→リード獲得数という優先順位で改善を行うと短期的な効果はもちろんですが、長期的な収益の安定性にも繋がります。

セミナー集客などが介在する場合は参加率を加味する必要があるため、さらに変数が増えます。変数が増えれば増えるほど、売上に近い部分から改善を図ると費用対インパクトが大きくなります。

穴のたくさんあいたバケツに水を注いでいないか常に意識することが重要ですね。

3. 戦略的アライアンス

アライアンス。2017年初頭にこの言葉を聞いた時、なんじゃそりゃと思ったことを覚えています。

「A社がB社とアライアンスを組む」などと使われ、ある企業と提携し共同で事業を行っていくことを指す。例えば、コンピューターのソフトウェア開発会社が販売会社と“アライアンス”を組み、開発会社は開発に専念、販売会社は代理店としてソフトの販売に注力する、などである。
by  Wikipedia

つまり、企業間でパートナーシップ契約を結ぶことです。アライアンスはうまくはまると破壊的な効力を発揮します。

昨年、世界的マーケターであるジェイ・エイブラハム氏の講演を聞いた時、1時間しかないセッションで、「私が今日1つだけ皆さんにお伝えするとすれば、それは戦略的アライアンスだ。」とおっしゃっていました。

例えば、自分の会社が医薬品を製造する会社で製品を全国に運搬する必要があったとします。その時、運搬のためのトラックや人を自社で用意するでしょうか。おそらく得策ではないでしょう。世の中に運搬業者なんてたくさんあります。運搬業者とパートナーシップを組み、運んでもらえばいいのです。その方が双方にとって利益率が改善するはずです。

僕がアライアンスを検討する際に考えていることは下記の2つです。

・今自社にとって必要なマーケティングスキルや資本力を持っているのは誰か
・相手に提供できる利益は何か

アライアンスの威力を知ってからは、広告やSEO以外でのチャネル開拓ができるようになり、マーケターとしての視点が広がった感覚があります。

4. リードナーチャリングとコンテンツ

あらゆるマーケティング本や記事に、リードナーチャリングの必要性が書かれています。当初は先人の多くが提唱しているんだからやった方がいいんだろう、くらいの感覚でした。しかしいざ実践してみると思っていた以上の効力があることを身を以て体感しました。体感値として理解することがいかに重要かを学びました。

マーケティングをしていると(特に高額商材)必然的にリードナーチャリングをせざるを得なくなってくるのではないかと思います。例に漏れず自分が勤める会社でもリードナーチャリングに本腰を入れ始めた1年となりました。

リードナーチャリングにおいて大切になってくるのが、なんと言ってもコンテンツ力。そもそもこれがないとナーチャリングができません。。

ここでいうコンテンツには色々考えられると思います。自社と相性のいいコンテンツから順番に試していくと良いでしょう。

■リードナーチャリングのコンテンツ例
・ダイレクトメール
・オウンドメディア
・有益な資料
・商材を体験できる場の提供
・セミナー、イベント
・書籍
・動画

某世界的BtoBの会社などは、ひたすら飲み会をセッティングして関係を築き、受注を獲得するマーケティングのやり方を行なっているそうです。こういった会社は"飲み会力"という強力なコンテンツを持っていることになります。

リードナーチャリングでは、中途半端なコンテンツを提供してしまうと、見込み客になるどころか、お客さんが離れていってしまうことにもなりかねないです。コンテンツは自社が言いたいことを伝えるのではなく、お客さんが抱える問題を知り、それを解決するものでなければいけません。

コンテンツ制作において特に気をつけている点は2つです。
・コンテンツが顧客にとって本当に有益であるか
・CTAの設計

ここでいうCTAはコンテンツからの商品購入へ導く際の設計を表します。コンテンツが良いと、お客さんの中には商品を購入したいと考える人が一定数出てきます。購入へのアクション方法がわかりづらいと見込みの高いお客さんが離れていってしまうので、わかりやすい設計にすることが大切です。原則として1コンテンツに対して1種類のCTAである方がいいでしょう。

あとはCVRが最も良くなるような設計になるまでテストを続けていきます。

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2018年も実践からどんな学びが得られるのか楽しみです。もちろんインプットが欠けていては良質なアウトプットはできないと思っているので、引き続き学び続ける姿勢を大切にしたいと思います。

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