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ソーシャルセクターにおけるオンボーディングの話

HLABはこの春、はじめての新卒入社社員を2名採用し、迎え入れています。組織としてもこれは大きなチャレンジであり、この4月は新入社員に加え新インターンも受け入れる(同時に多くのインターンも卒業する...)という、大きな節目でした。

多くの人が入ってくるタイミングであっても、やはり最初にしっかりと会社のことを理解してもらい、爆速でスタートダッシュを切ってもらいたい、というのが経営の立場からの思いです。ということで、以前より整備する必要のあった新しくチームに入った人たち向けへのサポートプロセスである「オンボーディング」の仕組みをこのタイミングで作り上げました。逆に言うと、今までは慣れて覚えろ!という体育会系だったということでもあるのですが(笑)

我々は社会的インパクトを第一義にあげるソーシャルセクターという存在なので少し毛色が違うオンボーディングも必要なのかな?と設計時には思っていたのですが、色々と試行錯誤した結果そんなこともなく、多くの企業と似たようなものに最終的になりました。その中で、「これは!」というものをご紹介できればと思います。

どのように新メンバーを迎えるか

オンボーディングを初実施する上で重要なのは、「準備」でした。もう本当にこれに付きます。この準備は以下のような流れで実施しました。

0:他社施策リサーチ
1:インターン、社員への入社時に関するヒアリング
2:必要となる入社時企画のブレインストーミング
3:重要度(インパクト)と工数からの優先順位付け
4:初月1ヶ月における各企画の配置と担当決め

かねてより組織に関してアドバイジングいただいている方にも適宜ファシリテーションに入っていただき、上記プロセスを経てオンボーディングの初月のプロセスを整えました。ここで大事になってくるのは、私達のような少人数企業の場合には、誰もがこのプロセスに関わることです。「新メンバーをしっかりと迎え入れ、気持ちよくスタートダッシュを切ってもらおう!」という意識を全員に醸成することがキモとなります。ですから、担当決めの際には関わらない人がいないことが大事です。今いるメンバーでの期待値をあわせる、ことも目的としています。

それは、ここでおすすめの取組みを紹介していきたいと思います!

Vision & Valuesセッション

組織のVisionとValuesについて説明し、語り合うセッションです。(組織によってはMissionなども含まれると思います)組織がどういう世界を達成したく、そのために組織人が持たなくてはならない"Values"は何か?ということを説明し、解釈について議論します。次いで、現在取り組んでいる事業がそれぞれのVisionやValuesに基づいていることを担当者が説明していきます。

いきなり入ってきて腹落ちするのは当然難しいのですが、特にValuesについては行動指針のようなものですから、入社タイミングで何度もフレーズを伝えていき、使いまくっていくことが大事です。時間はかかりますが、その中で腹落ちして使っていってもらいたいと考えました。特にリモートワークになったことにより、弊社では毎朝・毎晩全員でチェックインをしていたのですが、そこのお題でも積極的に「今日のあなたのバリューを体現した瞬間は?!」といったものを提示してもらい、考える回数をとにかく増やしています!

HLABのVisionとValuesについては以前、その決定プロセスと共にnote記事を書いたので、是非ご覧ください!

Life Chart/人生の道 セッション

自己分析のワークショップの定番とも言える、自身の人生を振り返るワークです。これは、ある意味でディープな自己紹介とも捉えられます。メンバーのそれぞれの人生の分かれ道がどこだったか、を話しながら、どのような人生を歩み、どのような価値観を持っているか、対話を通じて理解し合います。(ライフラインチャートとか、ライフチャートとか、色々な呼び方がありますね)

なるべく早い段階でこれをやっておくことで、日常業務だけでは見ることのできないその人の知らない側面(といっても知らないことばかりなのですが笑)を垣間見ることができます。

このワークショップのこだわりはたくさんあるのですが(笑)今回はここでは書ききれないのと、似たようなワークショップ(勿論、それぞれの力点は異なります)はググると結構出てくるので、探してみてください。

暗黙 Team Normセッション

これはメンバーから「やってよかった!」と高い評価をもらったセッションです。ゆるーい雰囲気で、「チームで暗黙の了解になっていることについて、敢えてトークする」というだけなのですが、そのテーマ設定が妙。ちなみにTeam Normとはチーム内でのメンバーそれぞれのワークスタイルや、暗黙に期待していることを明文化したそのチームの決めごとです。

例えば、以下の暗黙の了解について、読者の皆さんが所属するチームで話したことはありますか?

・飲み会文化
・旅行/出張のおみやげやチョコのプレゼントルール
・コスト感覚(裏紙を使うか、等)
・電子 or 紙(会議の際に資料印刷するかどうか)
・個人のSNS利用(会社名を出して活動してよいか、等)
・服装や髪型の自由度(社内外)
・プライベートでの関わり具合(例えば週末のパーティとか)
・◯分前出勤
・仕事中のガム、食事、音楽、雑談
・休憩の取り方
・忙しそうなときに話しかけてよいか
・業務時間外のカレンダーinvitation・Slackメンション
・メンバーの呼び方(◯◯さん?呼び捨て?あだ名?)
・家族事情(◯時には保育園に迎えにいくから抜けます、等)
などなど....

本当はもっとあるのですが、こういった事柄について、例えば「お土産は別に義務みたいな雰囲気もルールもないから、買ってきたかったら買ってくるし、俺もそのときの気分次第だな~」「じゃあ、まあそんなに気にしなくていい、ってことで自由にしましょう!」とか「社内の服装は自由だけどお客さんのところに行く際にはきっちりしてほしい」「きっちりってなんですか!それはちゃんと指定しないとダメですよ」みたいな、ゆるくも重要なトピックが話されます。

これ、特に新卒の人を迎える場合には、いわゆる「マナー」として上司が「そんなことも知らんのか!」と押し付けちゃったり、明文化するほどでもないような些末な事項のために特に合意せず後で大事故が起きたり、みたいなことを未然に防ぐことができます。ソーシャルセクターに限らず、どこのチームでもおすすめですよ!

相手は「何も知らない」ことを心がけたい

これはとても難しいことですし自分もまだまだなのですが、新たに加わるメンバーは「何も知らない」と思って最初は接しなくてはなりません。組織独特の用語や、前職の用語、といった「語彙」に関わる知識不足もあるでしょう。言葉自体で不自由があるのですから、それは迎え入れる側の「思いやり」がむちゃくちゃ大事になります。同時に、新たなメンバーは「とにかく聞く」ことを求められます。「最初は、質問することが仕事だよ!」というのが口癖になるくらい、新メンバーには言ってます(笑)ここを是非心がけたいですね。

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社員に限らず、HLABでは毎年多くの新大学生を迎え入れており、そのノウハウを活かして高校、大学、企業の皆様に研修も提供しています。もしご興味ある場合には、是非お問い合わせください


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