![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/82218733/rectangle_large_type_2_cb09c7e9be06cb74c4606cf8c975f49e.png?width=1200)
4話 人事評価を上げるコツ
阿多古神社に
春、樹々が芽吹き神社に新しい彩りが生まれる。
会社員(25歳男性)が一歩一歩、自信がある感じで大鳥居から石段をゆっくり登ってくる。社殿の正面に立ち、お賽銭箱に小銭を投げ入れた。手を静かに合わせて礼を深々とした。
今回のお願い
「私は、仕事が同期で一番成績がいいです。上司は適当な指示しか出してない、もっと評価されるべきだと思っています。しかし、評価が上がりません。評価をどうか上げてください!」
神様の茶屋へ
(人を評価しているのも人じゃ‥‥)
(暇を持て余してたところじゃ、ちと遊ぶか。)
願いを終えた会社員の頭に声が響く。
──後ろにある茶屋に行くのじゃ
会社員は社殿を後にし、茶屋へと向かった。旅館の様な雰囲気のある茶屋、台所らしき場所の窓柵から甘い香りが漂っている。扉を開けると、室内には2名掛けのテーブル席が5席と、奥には和室が3室ある。店員はみな女性で巫女服を着ている。
「いらっしゃいませ!」
「そちらでお待ちください!」
会社員は入口で立っている。
奥の厨房からひとりの巫女が現れた。巫女の目の奥は金色に輝いている様に見える。
会社員(‥‥満点ッ!)
「待たせな、こっちの和室にくるのじゃ!」
会社員は言われままに、巫女の指示に従って奥の和室に入った。会社員が靴を脱ぎ、敷居を跨ぎ座敷に上がると、後ろから巫女が続き静かに襖を閉めた。
「余の名はミヅハノメ、そこに座るのじゃ」
「さて、評価が上がらない、と
人間の接し方じゃな〜?」
会社員は座布団に正座しているが、巫女はテーブルの向かい側で胡座をかいて膝に肘を置いて喋っている。信じられないが、浮いている。
現実を理解できないでいる会社員が一切気にしないミヅハノメは、
「まずは、この虎の巻を読めば良い。」
そう言い放ち、ミヅハノメの肩越しから巻物がフワリと飛んで来て、巻物は空中で捻れるように回転し、縛られてた紐が解けてテーブルに広がった。
![](https://assets.st-note.com/img/1657116438887-jmv0yAg6so.png?width=1200)
虎の巻解説
ミヅハノメのは胡座のまま、前屈みになり虎の巻が置かれたテーブルの上で浮いている。豊満な乳房が露わになりそうである。かろうじて、興味がそそられる突起部分が見えない。
「仕事の評価に感情が入らないことはない!
つまりは、上司との仲良し度が評価。
上司からよく見えるコツを教えるぞ!」
──会社員の頭に直接、ミヅハノメの声が届く。
【判断する時】に情報が少なかった場合、判断をミスする可能性が高くなる。評価も人が判断しているから、情報が少なければミスる可能性が上がる。
大抵の場合、データ不足となりその人の本当の実力や結果が評価されない。結局、上司が部下の情報を自ら取りに行くケースは少ない。そのため、上司と距離が近い人間の情報が増えて、その人物の評価は上がる傾向にある。下がるケースもあるが、人の評価を下げる場合はしっかりとした理由が必要じゃ。
期待値を超えた仕事を結果で出せば評価は下がる事はない。その場合は常に自分の仕事の上のレイヤーに役立たつ動きを心掛けることじゃ。
会社員は頷きながら、真剣に聴いている。しかし、巫女服の上からでも解る、魅力的な身体の曲線美、吸い込まれそうになっている。会社員は徐々に前のめりになり、倒れそうだ。
「出典はあるのでしょうか?」
「なにぃ?神の教えこそ原点じゃ、
何を戯けた事を!
頭はスッキリしただろう、
それじゃ、褒美を貰うぞ!」
ミヅハノメのご褒美
ミヅハノメの周囲には小さな水滴が幾つも浮遊している。その水滴は金色に輝いて、会社員の唇に触れると会社員の内側から強烈な性欲が盛り上がりをみせた。
ミヅハノメの華奢な手が会社員の手に触れた。その瞬間、会社員の全身に感じたことがない強烈な快感が走った。
「余は恋愛の神じゃ、
この部屋は次元を絶っておる、
何をしても外界から干渉されない。」
「ごくり‥‥」
「神を評価するとは、下賤な民じゃ!」
「満点ッ!」
会社員はミヅハノメに抱きついた。会社員は経験があまりなかったが、それでもわかる。これは最高だと。
会社員は理性を失い、巫女に覆い被さった。
──夕刻が近づき
会社員は目を覚ますと、お賽銭箱の前に立ったままだった。会社員は万能感を手に入れたような気分が高揚している。一体何があったのか、記憶にないが参拝した効果は抜群のようだった。悩んでいた事すら忘れて、足取りは軽く階段を降りていく。
美琴はバイトを終えて、帰宅した。
いつもよりも強い疲労感を感じている。しかし、気分は良い、肌艶も心なしか状態が良いと思う。
4話完
以下、関連する書籍(抜粋)
※有料記事ですが、無料で読めます。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?