やっと「変われた」と思えた
【あたたかいもの】
それからだ。
まだ、母と直接手紙の内容について話すことは出来ていなかったけれど、
なんだかずっと太陽が照らしてくれているような、
大好きだった人と両想いになれたような、
美しい景色を見たような、
とにかく「あったかいもの」が心の中にずっとあった。
徐々にではあったけれど、母との会話も苦ではなくなっていったし、
今までだったら「母が」どう思うかを無意識に考えて返事をしていたようなことも、「自分は」こう思う、こうしたいんだ、と少しずつ言えるようになった。
対等な位置にいられることが、本当に嬉しかった。
人生で初めて、本当に心から、母に感謝出来ていると感じた。
【再会】
「蛙化現象」が治っているかどうかは、一人では確かめられない。
次にお付き合いする人に症状が出ない可能性もあるし、
変わらず症状が出てしまうかも知れない。
でも、どちらになったとしても、きちんと受け止められる気がした。
こればかりは今すぐに確かめられないけれど、
それでも、ここまで一人で踏ん張って頑張れた、という自信がついたのかも知れない。
以前の根拠のない「大丈夫かも」とは違う。
だって、私は今もまだ完璧じゃないけれど、
人より、何をするにも時間がかかってしまうけれど、
何をしたって、どんな自分だって、
一番認めてほしい人に、もう全てを受け入れて貰えているんだから。
その安心感は絶大だった。
認めて貰えているかが分からないから、そこから離れることが出来なかったし、不完全な部分を見せることが出来なかったけれど、
そこから離れても、どこに行っても、何をしても、不完全でも、失敗しても、誰かに否定されても、
「戻ることが出来る、すべてを認めてくれる場所」がある、ということが、こんなにも安心出来ることだなんて、知らなかった。
仕事を辞めてから3ヶ月が経っていたけれど、自分や蛙化現象、母と向き合うことに必死で、あっという間の3ヶ月だった。
母との向き合いを終えて余裕ができてきた頃、やっと「自分」の大好きなものと再会した。
BUMP OF CHICKEN
就職をしてから、仕事に忙殺されて好きな音楽を聴く余裕もなくしてしまっていた。
それでも何度も何度も聞いた昔の曲には、自分と向き合っている間もずっと助けられていた。
彼らの音楽を、もう一度、変わることが出来た自分の全身全霊で聴きたい。
彼らの音楽を受け止める心の余裕がなかった時に、彼らが送り出してくれていた、私がまだ知らない曲を受け取りたい。
そんな気持ちが一気に溢れた。
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