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【詩】幢幢白白

雪は炎
なぜなら炎は
千切れゆくいのち
その無限

雪は心臓
なぜなら心臓は
今よりあふれる
柔らかな衝撃

雪は花
なぜなら花は
目的地をもたない
旅のとちゅう

雪は声
なぜなら声は
いく重にもかさなった
一つの景色

雪は毛布
なぜなら毛布は
忘却されゆく時間
そのやさしい匂い

雪は肌
なぜなら肌は
もどってくる時のために
のこしておく温もり

雪はあなた
雪を見つめるあなたの中に
あなたが積もる
雪は明日も降り積もるでしょう
となりであなたを見ている
ぼくがいても
いなくても

雪は夢想
夢想はいつも
生のこちら側



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題は「とうとう・はくはく」と読みます。
炎などがゆらめく様子を「幢幢」と言います。



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