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【詩】春ってやつは

大粒雨の降水に
三寒四温の四温がはじまり
疎水のやつも
満足げに隣町へ送るのは
たっぷりの水

せわしない水音
冬の間 流し去れなかった堆積物が
洲というほどでもない
盛り上がりをつくって

目を凝らしてみれば
真っ白なあれは 翼のような形
けれど 
天使など訪れもしない私の界隈

よくよく目を凝らしてみれば
純白は 光を反射する漆黒
片側だけの
鴉の羽根
翼のような何かに見えた、本物の翼

翼一枚だけが残った鴉は
風に吹き流される焚火の煤のように
消えてしまった・はず・だ

春ってやつは 浮かれていて
春ってやつは なんでも見せて
春ってやつは 死んだ者は死んだ物
春ってやつは 冷たくて
春ってやつは
















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