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2月読書会後記

今月もオンラインにて読書会。本日午前中(10時~12時)に行われた読書会の内容を、最速でレポートさせていただきます。

一人目。私の紹介本。

noteを本格始動させて2ヶ月、書くということに関心が向かっている。私が書く文章はもっぱらエッセイなのだが、最近になって無理に自らジャンル分けする必要もないのではないか、と思うようになった。

そもそもフィクションとノンフィクションの境目はあいまいで、自分がノンフィクションのつもりで書いても、読む人によってはフィクションに見られることもあるのではないか。突き詰めれば、私にも小説が書けるかも。そこで手に取ったのがこの本である。

奇しくも、この本で「小説」として紹介されている文章は、世間的には小説でないものもあった。この本が伝えることを一言で言うのは難しいが、少なくともこの本で書かれていることを素直に受け止めれば、誰でも小説が書けるだろうということはわかった。

この本自体が小説のようで、読み物として非常におもしろい。含蓄あるアドバイスが20コ出てくるのだが、思い切って最後のものだけここに引用しよう。

自分のことを書きなさい、ただし、ほんの少しだけ、楽しいウソをついて

二人目。

この読書会史上初、ミュージカルの紹介である。

かつては映画化もされた作品で、そちらもかなり評判が良かったらしい。恥ずかしながら実写映画をほとんど見ない私は、タイトルすら初めて聞いたレベル。アマゾンのプライムビデオでも見られるようだ。

紹介者は以前から宝塚に関心が高く、自身のブログでも鑑賞記録や宝塚好き仲間とのやり取りを綴っていた。今回、熱のこもった紹介を直接聞いて、一度くらい宝塚を見てみようかという気になった。本作は宝塚初心者にも十分楽しめるというし。

ちなみに、私が実写映画をほとんど見ないのは、役者の演技がどうしても嘘っぽく感じてしまうからである。これが洋画や韓流なら問題ない。コメディも大丈夫だ。同じ理由で、実写ドラマも見ない。これは完全に見る私側の問題で、損しているとはわかっていながら、好みの問題なので仕方がないとも思っている。不思議なことに、舞台になるとこちらはOKだ。同じような理由で、舞台は駄目という友人もいた。

この舞台の千秋楽(3/27)はライブ配信があるらしい。興味がある人は是非。

三人目。

同じ紹介者から、ジャンルも方向性もバラバラな本。「宮脇俊三」については紹介されたというよりは、紹介者のとりわけ好きな分野ということで熱く語っていただいた。

私は典型的な文系学徒として、物理学にはほとんど知見がないのだが、ぎりぎり量子力学と相対性理論の基礎の基礎だけかじった。超ひも理論も、名前だけ知っている。いずれは覗いてみたい世界だ。それから、柚月裕子作品は父親がよく読んでいる。読んでみたいと思っている作家の一人。最後の「宮脇俊三」については、気が向いたらチェックしてみます。

四人目。

Facebookが社名をMetaに変えるほど、今後のキーワードになってきそうな「メタバース」。紹介者曰く、筆者はオタク的な視点から、今後考えうるメタバースの発展とあり方を説いているという。

今後技術が発達すれば、オンライン上で他者のアバターと会ったり、架空の街に出かけたり、二次元のキャラクターと握手できる時代がくるはずなのだ。触覚や嗅覚を伝達する技術も上がってきていると聞く。実生活のほとんどをメタバースで過ごす人が出てきてもおかしくない。

今回の読書会の空気感ではまだまだ懐疑的というか、むしろ嫌悪感すら感じていそうなメンバーもいたが、私自身はそう遠くない未来にそうなると思っている。現に、ゲームをしたり、雑談をすることで、何百、何千円、時に万単位のスパチャ(投げ銭)が飛び交う現象が起こっている。そのお金で生活していけるならば、その人にとってバーチャル空間が世界そのものだ。バーチャルの世界で既に活躍しているのに、どうしてわざわざリアルの世界に出てくる必要があるだろう。

はたしてそれが健全なのか否かというのは、また議論が要りそうではあるが。

五人目。

一冊目は、紹介者が好んで読んでいるという佐藤優の対談本。対談相手は「ひきこもり」の研究で知られる精神科医の斎藤環だ。

コロナ禍も長くなり、改めて人と会うことの重要性が意識されだした昨今。営業職として最近再び人と会う機会が増えた中で、今一度「なぜ人と直接会うのが大切なのか」考えたくなったとのこと。これには私も思うところがあって、ストレスの原因ナンバーワンは人とのやり取りだが、ストレス解消の最善策はやはり人との会話なのだ。知識人二人がどんなことを述べているのか、非常に興味がある。

二冊目は漫画。個人的に今回一番興味を引いた作品。

原作者は『幼女戦記』で知られるカルロ・ゼン。『幼女戦記』はアニメ化もされていて、疑似歴史物としてとても評価が高かったはずだ。第一次・第二次世界大戦辺りに詳しい友人が大変褒めていたのを思い出した。

こちらの作品は、テロについて学べるという。文字が多い、ということで低評価を付けている人もちらほらいるが、教養チックな作品はどうしてもそうなるだろう。全三巻だし、読んでみたいと思っている。

六人目。

一冊目は、雨にまつわる言葉やエッセイが散りばめられた本。二冊目は、文字通り「美しい日本語」がまとめられた辞典。

日本語には雨を表現する言葉が非常に多い。言葉が存在するということは、日本人がその現象に対して敏感であり、考えていたということ。言葉そのものが文化の結晶なのだ。

紹介者の意見の中で印象に残ったのは、最近の「わかりやすく言うこと」、「端的にまとめること」が偏重されていることへの違和だ。相手がわかるように伝えるとは、相手が知っているであろう語彙の範囲でしか言えないことに他ならない。マス(大多数)に向かって発するとなると、より簡易に、よりありきたりな表現でしか言葉を使えなくなってしまう。公的な文章や、ビジネスの場ではそれも必要なことではあるが、すべての場面でそれが推し進められると言葉は貧弱になって、思考も狭まっていく。

豊かな語彙は豊かな思考の源泉だ。「言葉に興味を持つ」、「詩歌を読む」など、一見物好きのやることに見えるかもしれないが、私は世界をよりクリアに見る近道だと思っている。

以上六名、九冊とミュージカル一本。今回初めて当日中にアップするので、もしかするといつも以上に勘違いがあるかもしれないが、ひとりの参加メンバーの戯れ言だと思ってご容赦いただきたい。引き続き、より深く楽しい読書会レポートが書けるよう精進しますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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