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月刊 編プロのケーハク

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シュッパン前夜メンバー、編プロのケーハクの記事まとめ。出版界のあるある、新人ライター&編集者向けのスキル解説、出版界の問題や課題について。
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#クリエイターの頭の中

これ、出版業界のタブーかも!? 世の中に「パクリ本」が多いのはなぜ?

 書店に行くと、皆さんも気づきませんか? 「この本、あの本と似てるな……」と。 そうです。今回のテーマは、いわゆる「パクリ本」です。どの業界でも“パクり”(と思われる)商品はあると思いますが、出版はなかでも特に多く見られる傾向にあるように思います。 しかも、出版界は「パクリに寛容」な部分もあると、個人的には感じます。そこには明確な理由もあるので、今回は正直に(笑)、その辺りをわかりやすく紐解いてみようかと。 「着想パクリ」は日常茶飯事 ベストセラーといわれる本。たとえば

「編プロ」って知っていますか? 出版社と編プロの編集者の違いとは?

私、「編プロのケーハク」と名乗っておりますが、そもそも「編プロ」ってご存知ですか?    編プロとは、「編集プロダクション」のこと。かろうじて認知されている(であろう)一般的なイメージとしては、出版社から委託されて本や雑誌を実際に制作する(手を動かす)外部の(アウトソーシング)制作会社というところでしょうか?  まあ、その通りなんですが……(笑)。出版社からの制作依頼を引き受けて、納期までに完成データを納めるっていうだけが仕事のすべてでもないんですよね。否、制作依頼を待っ

本の編集って、どんな仕事なの? たとえるなら「本の監督さん」です。

 「本の編集者」のイメージって、ありますか?   誰もが知っているレベルでいえば、国民的アニメ「サザエさん」に登場するノリスケさんの職業が出版社に勤める編集者。普通の人であれば、作家の伊佐坂先生の家に「原稿を受け取りに行く人」くらいのイメージしかないですよね?  プロの編集者である私も、最初は「先生、原稿まだですか?」くらいのイメージしかありませんでした……。  でも、編集者といっても、扱う媒体によって仕事の内容は大きく異なります。ノリスケさんの場合は、いわゆる「文芸編集

今宵、編(へん)な人たちと、本の深みへ。 『シュッパン前夜』立ち上げのご挨拶

あるとき、ふと思ったんです。 「このままだと、10年後も同じことをしながら、ぼやいているだけだな」と。 出版不況が叫ばれて早10数年。たしかに、出版各社においては時々大ヒットこそ出るものの、業界を全体的に見ればいい話は聞きません。 複数の出版社とつながりを持つ編プロに所属する私からすると、こんな状況なのに、出版各社が小競り合いみたいにちまちまとベストセラーの奪い合いをしていても、業界全体は尻すぼみになるだけではないか? と感じていたのです。  「いずれ誰かが変えて