そして、僕の運命は狂い始める
中学時代の失恋を引きずり、いつの間にか絶食男子になった大学生の一条康太。
そして、高校生の頃に患った病気であまり長くは生きられないと医師から宣告された肉食女子の大学生、崎本真希。
運命の歯車の悪戯によって交錯する康太と真希の物語が今ここから始まるーー。
有名大学には受験に失敗した康太もなんとか地元の大学に滑り込みで合格できたこの春。
桜の蕾がちらほら開き始め、康太のキャンパスライフの一頁目が綴られる。
だが、大学生になったからといって全ての学生が晴れやかな顔をしている訳ではない。
というのも、今春康太が入学したこの大学は偏差値が低く、いわゆる落ちこぼれの為の大学なのだ。
故に、合格に浮かれる者もいるが、溜息混じりの者もいた。
康太もまたその一人であった。
(はぁ、仕方ない。適当にゆるい大学生活を楽しむか......)
しかし、康太はまだこの時には知る由もなかった、運命がすでに思い描いていた未来から狂い始めていることをーー。
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