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おおばしゅうの「言葉のおすそわけ」第9回

2022年春に過疎発祥の地である島根県益田市から、地元静岡県にUターンし、家業の会社(カネヤ工業)に入社し、営業・広報として働きながら、生き方に関するトークイベントを開いたり、農業を展開したり、静岡での暮らしや跡継ぎ、地域についてのあれこれを発信している おおばしゅうが、心の中で思っていたことや小さな気づき、残しておきたいことを自由に綴ります。

(ヘッダー画像 (撮影) :横田 裕一さん(https://note.yokoichi.jp/))


「屋号」


家から徒歩10分ほどのところに、個人の精肉店とパン屋があった。

両方とも昔から地元にあるお店で、車で通るたびに気になっていたが、個人の精肉店とパン屋って、何かのきっかけがないと足を運ばないな、と思う。でも、行ってみたい欲が湧いてきたから行ってみようと思ったものの、赴いた日はまさかの定休日。日曜だから休みたいよなと思いながら、再度リベンジしてきました。

大手系・地場系問わず、スーパーにいけば、野菜だけではなく、肉・魚・乳製品・米など多くの食材を一度で購入することが可能だから、とても便利。大量仕入れだったりするから、値段も安かったりする。

一方の個人の精肉店・鮮魚店のような専門店。スーパーと比べると安いものがあったり高いものがあったりして、金額面だけではスーパーの方が便利かもしれない。でも個人的に専門店いいなって思うのは、距離感の近さ。こんな料理に合うお肉が欲しいんだけど…といった会話や、ときには世間話をして15分もお店にいちゃったなんてことも。スーパーでそんな長い時間おしゃべりをすることなんてないし、精肉店が内在しているスーパーでないと、定員さんを呼んでまで、夕飯のメニューに合うお肉のおすすめを聞くことはないと思う。


で、ここから少し派生すると、精肉店や鮮魚店のように、わたしはこれで勝負します!といった専門性が自分にあるわけではないし、スーパーのような何でも(ある程度のレベルで)揃えてますってわけでもない。けど、自分の看板である「照らす人」という屋号(看板)は、どんな形でやっていきたいか迷っていた2年前から今になっても、この看板に出会えてよかったと思っている。具体的すぎるとそれに縛られてしまうし、かといって抽象的すぎると周囲がイメージしにくくなる。照らす人は、自分が魅力だと思った人や地域、文化にスポットライトを当てたり、人と人、人と場所をつなぐ灯台的な存在になったりと、自分のやりたいこと、大事にしたいことを表すパワーワード。具体的にイメージしにくく、ちょっと想像してもらう過程があることで、屋号への理解が深まっていく。そんな気がしています。

年末年始が終わり、睦月の寒が厳しくなる今だから出会える光景、人との出会いに期待しながら、今日も散歩してみることにしよう。

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過去の「言葉のおすそわけ」はこちらから◎


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