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自分の姿が重なって、打ってほしいという願いが強くなった。

9回裏、ノーアウト1,2塁。1点負け。
この場面で打席に入ったのは、村神様こと、村上 宗隆だった。

彼が打席に入った瞬間、ここまでの苦しい姿、打ちたくても打てない悔しい姿がずっと見てきたから、ここでヒーローになってほしいと願った。

そして。


すごく嬉しかった。

サヨナラ勝ちしたこと以上に、結果がずっと出ていなくて苦しんでいた村上が打ったことが嬉しかった。なんでこんなに自分の感情が揺れ動かされたのか考えてみたら、自分も同じようなシーンがあったからかもしれないと。



今から7年前、大学2年生の秋。
ぼくは、大学野球のリーグ戦の真っ只中、直前まで12打席くらいノーヒットだった。チームも負けが先行していて、スタメンで出場しながらも結果を残せていない自分に悔しさ、腹立たしさを覚えていた。

そんな中でも、チームメイトは声をかけてくれ、悔し涙を流しながら一緒にバッティングに付き合ってくれた先輩がいたことが、とても救われた。いつか結果が出る、絶対に残すんだという強い気持ちで、練習をしていた。


そして、13打席ぶりに打てたスリーベースヒットが、
当時上位校だった相手との試合での先制点になった。

その瞬間、ベンチを見たとき、
みんなが喜んでくれて、試合中でも泣きそうになった。そして普段はしないガッツポーズをしたことを覚えている。

そんな過去があったから、今回の村上選手のサヨナラタイムリーは、
あのとき自分がバッターボックスに入った瞬間、打った打球を見た瞬間、ベースにたどり着いてベンチのみんなが喜んでいる瞬間、いろんな瞬間が重なったものだった。おめでとう、そしてよく腐らずに頑張ってくれて…と声をかけたい。ありがとうという言葉を忘れずに。



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