【生命力】それは全身全霊で咲くいのち
偉大なる御神
スーリヤに捧ぐ
砂時計のように、いたずらに過ぎゆく時の流れの中で
ふと耳をすませば
遥かなるしじまの空間より、私たちに囁きかける魂の
その一言一言、噛みしめる遑(いとま)もなく、私たちの人生は過ぎていきます。
しかし立ち止まったところで、私たちの眼に見えるものは、儚き五感の世界であり、眼を閉じたとしても、私たちの耳に聴こえるのは、
「風のそよぎ、人々の話し声」
大切なのは、自分の心を楽器のように見ることであります。
幾多の輪廻転生を経て、私たちの魂は静かなる湖水のごとく、ただそこにある。
それを見失うのは、私たちがそこに目的と、どのような役に立つかというこの世的な尺度を魂に当てはめようとするからであります。
雨上がりの日に、木の葉の上に、雨粒がポツンと一滴ある。
そこに映る光景は、様々に変化する。
そこに何の意味があろうか。
意味を考えるのは人間で、それを、ただただニコニコと微笑みながら見つめるのが、生き通しの人のいのち。
我らを導きたもう、守護指導霊の世界。
神よ願わくば、私たちの心を鎮めたまいて、静かな静かな湖の底に映る景色を見させてください。
たとえ湖の面は風にそよぎ、水面が揺れようとも、湖の底は静かで奥ゆかしく、ただそこにある。
神よ 神よ 願わくば
ただそこにあるだけで、私たちが満たされ、心に安らぎと喜びが広がりますように。
ふと気がつくとあなたは、美しい花々が咲く森の中の小径を歩いています。
時折頭上を雲が通り過ぎていく。
そしてその雲を作る影が、あなたの足元を揺れながら、過ぎ去っていきます。
風がどこからともなく吹き、どこかしらへと流れていきます。
そしてあなたの感情はとても落ち着いている。
気がつくとそこは16世紀のハプスブルク帝国。
当時はハプスブルクという強大な帝国が、全ヨーロッパの大半を支配していました。
すなわちヨーロッパは、食うか食われるかという、狂気の世界に現を抜かしていたのであります。
しかしあなたの心は穏やかで、そうした激しい世界とは無縁の世界に生きていた。
今でもそうであるが、あなたはとても人情深く、人と人とが競争しあうなどとんでもない。
まるで神に命じられたかのように、自分の心を穏やかに保つことを、自分に義務付けてきました。
友だちから争いを仕掛けられたとしても、そしてそれによって一時期心が浮つき、戦乱状態になったとしても、あなたは誰に教えられたわけでもなく、自らの心を平静に保とうと努力しました。
当時のあなたは、人情味溢れる、今でいうオーストリアの民芸品作家
でありました。
病床の母を助けるため、少しでも生計の役に立つようにと、その当時の郷土の染料を使って、織物を編み、そして染料で染めていきます。
暮らしは少しも楽ではなかった。
仕事は好きであったが、実りが少なかったのです。
それですから周りの人や親戚がヤキモキして、好きな仕事で生活できれなそれに越したことはない。
だが現実はそんなに甘くはないよと、どちらかというとおっとり気味のあなたに、考えを翻させようと躍起になっていました。
そんな風に言われました。
それは今世でも多少はダブっているでしょう。
もっと競争心をむき出しにしなさい。
もっと頭を使うの。
そう言われても魂の持っている性格は、そう簡単に変わるものではありません。
おまけにその当時、オスマン帝国との間で、激しい戦争を繰り広げていました。
兄は戦争に従事し、挙げ句の果ては、片足を失って家に帰って来ました。
病床の母と、働けない兄を抱えて、生活費は益々あなたの両肩にズシリと、重くのしかかっていったのです。
あなたは一生懸命、世間のニーズに応えようとして、
織物を編みます。染めます。
私の努力が足りないから、稼ぎが足りないんだ。
私はどんな苦労でも、必ず突破していく。
精魂込めて仕事をしますが、なかなか活路が開けませんでした。
そんな生活のために苦労するあなたを見て、兄は言いました。
もちろんそんなことはできなかった。
そして今でいうホテル王に嫁ぐ話もあったが、誰かのおかげで生活すると、自分の創作活動に陰りが生じると思って、きっぱりとその話も断った。
周り中がバカな女だと、あなたのことを罵りました。
確かに生活のことだけ考えれば、誰でも飛びつく話ではありました。
しかしあなたの魂、または性格がそれを許さなかったのです。
そんなあなたにも、現実がヒシヒシと迫っていました。
生活費が払えなくなって、家にある家財道具を少しずつ売っていくのですが、それでも、ますます貧乏を極めてしまいました。
そんなとき、ふと気の迷いがあって、死を考えました。
誰も住んでいない家、その家の裏庭に丈夫な木がありましたので、ここに首をかければ楽になると思い、ゆっくりとそこに近づいていきました。
すると、あなたの背後から嗄(しわが)れた声が聞こえます。
驚いて後ろを振り返りました。
誰も住んでいないと思っていましたが、一人の老人が住んでいました。
招かれて、老人の家でコーヒーを一杯ご馳走してもらうことにしました。
それを聞いてるうちに、叱られているのですが、心のそこから涙が込み上げてきたのです。
それからあなたは人から何を言われようと、狂ったように作品を発表し続けたんだ。
人々はやがて遠目で見ていたが、少しずつ近づいて来て、
おや、この作品ではなく、この生命力を買おう!
そんな風に変わっていったのだ。
やがて、桜の季節が来ようとしています。
1年に1回しかない。
この季節に向けて、そしてその桜の季節が来たら、まさに桜の花は狂ったように咲くでしょう。
3日後か、1週間後か、2週間後には散っているでしょう。
そんなことは考えません。
ただこの一瞬にかけて狂ったように咲くのです。
桜の花を美しいと感じるのは見かけではありません。
この桜の花は、全身全霊を込めて、咲くからこそ、そこに息吹を感じ、人々はそれを愛でます。
今年はね、あなたの命は、満開になる。
そんな季節を迎えるんです。
いま咲かずしていつ咲くのであろうか。
命がけで咲こうとしている、この桜の季節を前に、あなたにこの魂ヒーリングのメッセージを贈る。
オーム
スーリヤ
スーリヤ
偉大なる神よ
きょうも我らに啓示を与えたまえ
心から感謝申し上げます
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