気になるケラレ具合はフォーカスレンジとF値で変化する「中判デジタル×オールドレンズ vol.1」MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4
中判デジタルカメラでオールドレンズを用いて制作していると、様々な発見があります。その中の1つとして、35mmフルサイズ用に設計されたレンズの中でも、中判サイズでケラレが少なく使っていて楽しいレンズが存在することです。ケラレとは、写真の四隅が陰ってしまう状態。
(このケラレの許容、塩梅については個人的な好みもあるので一概に使える、使えないの判断はここでは言及を避けます。)
35mm判フルサイズセンサーは36mm×24mm。
中判サイズセンサーは43.8mm×32.9mm。
中判サイズセンサーは、35mm判フルサイズセンサーの約1.7倍にも関わらず、35mmフルサイズ用に設計されたレンズでもケラレが少ないレンズがあることに驚きます。
当時のレンズの光学設計者の熱意や意図、ねらいが感じられるのも中判デジタルカメラでのオールドレンズ撮影の醍醐味とも言えますね。
ものの本によるとケラレの有無で使用ができるレンズとそうではないレンズで紹介がありますが、このケラレはレンズによって一定ではなく、フォーカスレンジとF値の設定で変化します。(そこがまた沼にはまっていく要素でもあるのですが)
今回紹介する「MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4」その中でもケラレが少ないレンズの一つです。
しかしながら、ケラレが少ないレンズでも、フォーカスレンジとF値の設定によってはケラレが目立ってしまうこともあります。
「MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4」レンズのマウントは、「ミノルタ SRマウント(MDマウント)」発売年は1968年。緑のロッコールと呼ばれ、写りに定評のあるレンズ。現在もオールドレンズの入門として、数千円から手軽に購入できることから人気があります。
カメラのボディHASSELBLAD 907Xに、2種類のマウントアダプターを使用して「MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4 」レンズを使用。
35mm換算、約46mmの焦点距離で使いやすいレンズです。
それでは、部屋の白い壁でケラレの様子を見てみましょう。
こちらの3枚の写真は絞りをF=1.4に設定し、フォーカスレンジを変化させたものです。この「MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4」では、フォーカスレンジが∞に近くにつれ、ケラレが大きくなっているのが分かります。(レンズより、様々なケラレの変化があります。)
それでは、野外に持ち出して撮影してみます。
野外では、室内ほどケラレは気になるレベルではないと思います。
「MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm 1:1.4」は中判デジタルでも手軽に使いやすいレンズですね。
以下の有料ページでは、F=1.4、F=5.6、F=16の部屋の壁のケラレの具合のチャートと、動画によるフォーカスレンジとF値の設定のケラレの具合、野外でのF値の設定による作例を紹介しています。
ご興味がある方はご一読いただければ幸いです。
今後もレンズによる様々な特性を理解することで、表現を深められる一助になればと思います。ありがとうございました。
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⚫︎写真作家・造形ワークショップデザイナー ・キュレーター・「時間」と「記憶」をテーマに制作。2012年〜ヒロシマの被爆樹木をフォトグラムで作品制作 ●中之条ビエンナーレ2019参加アーティスト ●さいたま国際芸術祭2020 市民プロジェクトコーディネーター