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スモールチームで写真や映像の仕事をしたい人へ

shuntaro / bird and insect

最初に

最近、色んなところでチームを作って仕事をしたい、という話を聞きます。僕らのような制作者だと「会社ではなくチーム」という意見が多いんですが、恐らく、個人での活動の延長線上にあって、集まる事でより楽しく仕事をしたい、という気持ちが含まれているような気がしています。
bird and insectも、そういう形でスタートしたチームなので気持ちはすごく分かりますし、今も根本的には変わっていません。今は会社として組織体系も揃ってきてはいますが、あくまでチームとしての一形態として「株式会社」という制度を利用しているようなイメージです。
ただ、同時に多くの「チーム」が機能しない様子も、この5年間で見てきました。
機能するチームと、機能しないチームは何が違うのか?
それを今日は考えてみたいと思います。そして、この先のチーム像も含めて自分たちの考えもまとめられればと思っています。

前提

まず、前提として写真や映像の仕事は、既に一人でも制作の工程を全て行うことが可能だということです。つまり、よほどの大きな現場や大がかりな企画でなければ、一人でも成立してしまうということは前提とすべきだと思います。
しかもこれからは益々、スモール&スピーディーにコンテンツを作る時代になっていくことを考えると、一人で完結できるスキルと知識を持っている人の価値は高まっていきます。

同時に、これまで同様に、大きなチームでのCM制作などは続いていくでしょう。こういった現場では、ある会社がまるっと全部の人員を出すというのは難しいので、代理店や大きな制作会社が受けて、その下に個人や制作会社、制作チームがつく形での仕事になります。これもまた、一つの前提としてあると思います。

そんな中でスモールチームでやる意味って何だろう?

技術や知識があれば個人でも出来るし、それであれば大きなコストも要らず、場所も構えなくても良くて、しかも仕事の規模の大小も関係なく行うことは可能。。。となったら、一体スモールチームで仕事をする意味ってあるんでしょうか?
そんな疑問について、僕自身も何度も考えました。

結論から言えば、スモールチームの方がフリーランスや一般企業の社員よりも優位なことはあります。
例えば、こういった事です。

1. やりたくないこと・得意じゃないことを任せられる

2. 圧倒的に行動が素早くなる

3. 集合知を活かせる

4. 何かあった時に助け合える仲間がいる

1. やりたくないこと・得意じゃないことを任せられる

これは、一人ではないメリットとして真っ先にあげることの一つじゃないでしょうか。3-4人でも人が集まれば、誰かにとってはひどく苦手でも、ある人にとっては全然苦にいならないことはあります。
これは写真・映像の手法的なことだけではなく、例えば僕は電話が死ぬほど嫌いなのでw、電話は極力他のスタッフにかけてもらいます。
なんなら、ちょっとした飲食店への予約の電話ですらかけたくなくて、数日タスクに放ってあったりして、ストレスがすごいので、これを特に何も感じずにかけてくれる人が一緒にいるだけで、本当にありがたいです、、!

普通の会社の場合はそもそも分業制なので、これは当てはまらなそうですが、大きな会社になると意外と融通が効かなくて、自分が好きじゃないことや得意じゃないことを強制的にやらされることも多いでしょう。スモールチームのように話し合って決めるなどはしにくいという点で、スモールチームの方が良いとも言えるかもしれません。

2. 圧倒的に行動が素早くなる

これ、自粛になって感じる人も多いと思うのですが、基本的に人は怠け者だと思うのでw、フリーランスで一人でやってると、あーこれもやっておいた方がいいよな〜くらいのことは、なかなか着手しません(人によって違うとは思いますが、多くの人はそういう傾向がある気がします)
逆に、企業になってしまうと、今度承認プロセスがあるので、自分で決めてすぐに行動、みたいなことはしにくくなってしまいます。
その点、スモールチームは「これやろうよ!」「やろう、やろう」だけで進んだりするので、圧倒的に行動が素早くなると感じています。

3. 集合知を活かせる

三人寄れば文殊の知恵、ではないですが、やはり一人でやるよりも色んな角度での意見や企画が出てくるので、正しくチームづくりを行えば可能性は広がると思っています。birdでは企画出しなどは全員平等に行いますが、意外なところから面白い意見が飛んできたりするのは、とても新鮮です。これも、フリーランスでは気軽にやりにくいことの一つだと思います。
大きな企業とかの場合はもっと活かせる場合もありますが、反対に部署間が断絶していて情報共有できてない、という問題点を抱えてる会社も多かったりします。

4. 何かあった時に助け合える仲間がいる

フリーランスの最大の欠点はここだと思っています。怪我をしたら、病気をしたら、もしくは国や地域に何かあったら、、、その時、一人で全部乗り切るのは、すごく大変です。日頃から相当そういうところへの備えの意識を持っておかねばなりません。
よく自分でもフリーの時に思っていたのは、もし目を怪我して失明したらどうしようかな、ということです。フォトグラファーにとって目の機能を失うのは致命的だから。他にも、東京でだ震災が起きたら、、なども考えました。なので、自分は保険として海外の大学院で学ぶことで他の国でも活動できる下地を作り、博士まで大学院を出ることで大学で教えることができるようにキャリアを形成しました。
でも、今後最も大きな助けになるのは、間違いなくbirdをやっていて、仲間がいることです。今は、目が見えなくなっても多分自分には仕事が残っていると思っています。それは企画を考えたり、会社を経営するようなことになるのかな、と思っています。

それよりもっと大きい意味がある気がする

上記の4つはどれも大きな価値のあることです。でも、これら以上のスモールチームでの活動におけるメリットがあると考えています。
それは、

チームのビジョンと個人のビジョンが合わさった時の力。

チームのビジョンを作り、個人のビジョンを明確にし、そこの繋がりを意識して活動を行う時、あらゆる仕事は自分の夢を叶えるためのものになります。そして、それは他の人の夢を叶えてあげることにもなり、他の人が自分の夢を手伝ってくれることにもなります。
こうしたビジョンを全員が掲げれば、当然葛藤も衝突も多くなります。それは、すぐにうまくいかないかもしれません。でも、もしビジョン同士の歯車があって回り始めれば、それはチャレンジする価値はあるほどの強烈な突破力になると思っています。
実際、今年に入ってbirdは、本当に全体のエネルギーが上がりました。
おそらく、チームになりたての頃の夢を見ていた時と同じくらいのエネルギーを、ある程度のチーム規模で生み出せている実感があります。
そして、このエネルギーは間違いなく、一人では生み出せないものです。極端なことを言えば、チームであれば、僕ら凡人でも天才に負けないコンテンツを作れるかもしれないし、秀才でなくても活躍をする機会をもらえるということになるのです。

これが、僕がスモールチームで活動することの最大の意義だと考えています。

もし、メリットだけを考えてチームで活動してしまうと、ある人にとってはチームであるメリットが小さくなった時に、そのチームは瓦解してしまいます。
例えば、お金儲けをみんなでやればいいじゃん、という発想だと、誰かの稼ぎが大きくなった時に、そのチームは終わりを迎えるかもしれません。
逆に、金の切れ目が縁の切れ目になることもあるかもしれませんw

また、仲の良いフリーランス同士で集まって何かやろうよ〜、という形態で始めることも多いかもしれません。そういった場合は、個々人の利害関係が一致しているケースになるので、「チームのビジョン」というのは、ほとんど存在しません。
つまり、そこに「運命共同体」としての覚悟がないということです。これは、遅かれ早かれ、解散していく運命にあると思います。
もちろん、それが分かっていて、ある程度のメリットを享受するために一定期間やる、ということで全員の意見が一致しているなら良いと思うのですが、「今後はチームとしてデカくなりたい!」みたいな人と、そうじゃない人が混ざる状態だと、最終的にもめたりしますw
birdも初期は上記のようなフリーランスの集まりだったので、めちゃくちゃビジョンのない危うさを体感しました。はっきり言えますが、チームのビジョン、もしくはリーダーのビジョンに共感してる人での集まりでない限り、なかなかチームとしては成功しにくいと思います。

逆に大きな組織では、チームのビジョンと個人のビジョンは中々合致しないという問題があります。チームのビジョンはあれど、それはエンジンの部分にいる経営陣が考えて動力を作り出し、他の人はそこから生まれる自分のtodoをこなせば「車輪」が勝手に回るからです。
そこでは、個人のビジョンが全く違ったことでも、とにかく車輪を回してくれさえすれば良いということが優先されます。
昨今の会社では色んな形で個人のビジョンと会社のビジョンの一致を図っていますが、会社や経営者に憧れて入ってくる人が多い会社や、ビジョンを強烈に打ち出していて、それに合う人しか入れない会社でもない限り、この2つを一致させるのはかなり難しいだろう、と考えています。

スモールチームを作る時のポイント

最後に、これからチームを作る人へのちょっとした助言(チームを先に作った人間として)を書いておきます。

・「チームのビジョン」はなるたけ最初に明確にしましょう。最初は大それたことを考えなくても大丈夫です。チームになることで「何を目指してやるのか」を明確にするということです。
そして、それに共感できる人、同じ方向を向ける人だけでチームを組みましょう。

・一緒にやるチームメイトは、技術や知識先行で考えない方が良いです。技術や知識は勉強すれば良い。だけど、同じ想いを共有して頑張れるかどうかは、後からはどうにもできないからです。個人的には、フリーランスチームの多くはここで失敗してると思います。

・個人のビジョンも尊重しましょう。これがなくなったら、小さいチームでも大企業病に陥ってしまいます。でももし、それがチームのビジョンとずれてきたら、、、それは別れの時かもしれないですね。

・一人ではできないことをしましょう!そして、互いに助け合いましょう。「全員で前に進む」ということが一番大事です。

・個人的には、株式会社じゃなくても形態はよいと思います。でも、決まり事は絶対に作っておくべきです。特にお金や時間、待遇についてはきっちり決めるべし。そういう意味では、会社化した方が分かりやすいということは言えるでしょう。反面、普通の組織になっていくリスクを常に抱えることになるので、注意した舵取りが必要です。うちもまだまだ四苦八苦しています。。。

・フリーランスとしての自分と、会社員としての自分、両方の良いとこどりをできる体制にしましょう、どうせなら。「会社っぽい」だけのことをする必要も、無理して自由にすることもないです。みんながある程度納得できる範囲で自分たちなりのチームの体制を作るのが良いと思います。注意点は、「全員が納得できる」ことは少ないので、そこそこ納得できる、というのがコツですw


これが本当に最後です。
もしこれからチームや会社を作るなら、1日中、未来の話が出来るくらいの友達をまず探しましょう。
そして、その人と一緒にチームを作って、その未来をかなえるために行動しましょう!
それを発信して、それに賛同する人と一緒に制作したり、仕事をしたり、事業を作りましょう。
チームで仕事した方が儲かるから、とか効率が良いとか、やりたくないことを絶対にしないためにやるとか、あいつの技術や人脈が欲しいとかは、おすすめしないです。
嫌なことがあっても、それでも前を向いて一緒にやれるような友達と仕事をするのが良いと思ういます。
喧嘩もするかもしれないけど、それでも同じ未来を向いての一生懸命な取り組みなら、互いに分かり合えるはず。

みんなで良いチームを作って、良い作品・仕事・価値を作っていきましょう!


(ちなみに、フリーランスの方に向けた今やっていうた方が良いことはこちらのYoutubeで話しています。チームや会社に属する制作者個人でもきっと当てはまる話だと思います。良かったらこちらもぜひ!)

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サイト&Youtube

bird and insectbird and insectbird and insect は、世界一「自分たちが面白いこと」をするCreative Companyを目指しています。bird-and-insect.com


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