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8/2 7/31の訃報

TUGBOATの岡さんが亡くなられたと聞いて、少なからずショックを受けた。。いつかお会いしたいと思っていた方だったので、、、。
まだ大学生の頃、岡さんのインタビューなどを読んで、かなり影響を受けた。特に当時の話で強烈に残っているのは、プレゼンなんて上手くなくて良い、っていうお話。下手に上手いプレゼンは、良くない内容も良く見せてしまい、それが結果的にクライアントのためにならない。逆に、内容が良いなら、どんなに訥々と喋っても伝わる人には伝わる、というお話だったと思う。まだ学生ではあったが、まず良いものを作らなければいけない、という基本的な姿勢を強烈に感じて、影響を受けている。今もその本の他のページは忘れてしまっているが、その話だけは強烈に覚えている。
それから、これは岡さんではないけど、多田琢さんが大学に講演にいらっしゃって、それを受講したこともすごく記憶に残っている。当時面白かったCMのかなりをTUGBOATのメンバーが手掛けていると知って興奮した。何より印象に残ったのが、BOSSのこのCMの誕生秘話。

このCMのプランニングをしている時、どうしようかな〜と思いつつ、サッカーを見ていた多田さん(日本代表戦とかだったかな?)は、一人で「あ〜、なんでそこで蹴るんだよ」とか言いながら観戦していたらしい。そこでふと、こんな偉そうに言ってるけど、実際にあそこに立ったら絶対にめっちゃ緊張とかして出来ないよな〜と考えてしまい、それがきっかけでこのCMが出来たという話だったと思う。
他にも、CMの企画は、知り合いの人に話して(その知り合いを思い浮かべて作るって言ってたっけな?ちょっと15年弱前なので思い出せない。。)、それがすごくウケが良ければ同じようにウケる人が日本全国にいると思って出す、的な話もされていたと思う。
これらの話が当時衝撃だったのは、めちゃくちゃ身近なところから着想する発想法だったから。デザインや建築を学んでいた自分にとって、アイデアとかそれを膨らませる方法って、もっと高尚なイメージがあって(特に建築家って、難しい言葉で語るし、、)、どうやらこうやって身近なことを手掛かりにしても、すごいものは作れるようだぞ、という発想の転換が起きたことが衝撃だった。

何れにせよ、それからの15年、TUGBOATという名前は自分にとって特別なチームの名前だった。まさか自分が映像の仕事をするとは思っていなかったけど、今になって、更に学ぶことがたくさんあるな〜と昨日いろいろな人の訃報への反応を見て思っている。例えば、子供の頃、南アルプスの天然水のイメージがすごく良くて、友達の家に行くとめっちゃ飲めて嬉しかった。それもきっと、岡さんのCMが積み上げたブランディングにまんまとハマっていたんだな、と20年越しにきづく。

改めて、岡さんの手掛けたいろいろなCMを見て、本やインタビューを読んでいると、その影響の大きさに慄く。ぜひ一度ご一緒したかったな〜。ずっと付けていたというウソ日記は燃やされてしまうのだろうか。なんだかそれも残念である。

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