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さいさんの地方創生 note【東京一極集中問題のおさらいとその本質を考える①】

東京での仕事を終え、静岡へと向かう間の熱海で途中下車。カフェから外を眺め、平日でも人がわさわさと動いているその賑わいを見ながらパチパチしています。警備員さんがフル稼働で満車状態の駐車場管理をしていて、外国人、高齢者のみならず若者たちの姿がもっとも大きいカテゴリーになっているようにも見えます。
 
当時ETIC.のコーディネーターだった長谷川さんにお誘い頂いて、市来さんやマチモリの三好さんらと膝詰めのお話をしてからもう10年以上になるでしょうか。覚悟を決めた人々の熱とやり抜く力。人と人の関係がもたらす波及をまた肌で感じるようにも思います。

そんな熱海に暮らす人から「次は伊那で暮らしてみたい、挑戦してみたい」という相談を受けたりしている今、また数奇なご縁を感じるものです。

☆大前提として

さて、全国知事会で小池東京都知事とそのサポート達が、一極集中問題に対して「科学的(根拠)ではない」とか「国がやって出来ないのだから無駄」的な主張をしていましたので、これに対して改めて上記リンク「人口減少社会のデザイン」に関するものを示しておきたいと思います。
 
正直、他自治体からこれらのエビデンスを提示し、出生率の解釈ではない建設的議論があれば望ましかったのですが、上記分析における8つの指標から東京一極集中において得られるメリットは【財政】【資源】【雇用】の3点のみで、他5つ【人口】【地域】【格差】【健康】【幸福】の5点は明確なデメリットとして予測され、格差拡大により人口減少は取り返しのつかない状況になると予測されています。
 
そのうえで、東京における経済成長率の低迷が今のところ合わせ技になっていることも指摘出来ます。東京の経済成長率はずっと1%程度での推移にとどまっていますので、働く人の報酬が上昇するよりも家賃(土地価格)、エネルギー(光熱費)、増税(社会保障負担増大を含む)の上昇率が上回って重なっているので、暮らす人々の可処分所得が減少する一方にならざるえません。
 
(*ゆえに人々の格差が広がり、幸福度は下がる一方になっていくわけです)

子どもが生まれない要因は単に出生率でどうこうというよりも、全国的にこれら若い人達の可処分所得の不足にこそもっとも相関があり、若い人たちに心理的安全性をもたらす政策が不足しているからともいえるでしょう。
 
この点を小池都政が自治体として出来ることをどうやっているかというと???という感じですよね。

またこちらの番組で指摘されたように、現在の過密による防災リスクも見逃せません。首都圏直下型に対して東京都は「どこにいても完璧な防災体制があり、完璧な防災支援網によって一人も取り逃すことなくカバーできる」なんてことは聞いたことがありませんし、言えるだけの何かも現状ないのではと。

関東大震災時は故郷があって、東京で被災した人の多く故郷で実質的な二次避難をした・という事実をもって、では今の東京はどうか?という問いには真摯に向き合う必要があるでしょう。
 
故郷のない東京都民が数百万人いたとして、その避難、補給線(水、食料、避難先)がどうなっているのかを答えらられる都民の方は何人いるのでしょうか?

まさに能登で起こったことは「他人事ではない」のです。

東京都の優秀な公務員という前提もまた幻想であって、むしろ雪が降るたびに毎年のように都市機能を破綻させて仕方ないで終わっているFACTにこそ、目を向ける(より大きな災害ではより無力になる)方が心構えとしてましなように思いますが、どうでしょうか。

☆これからの「多極分散」という本質を思考する

多極分散という言葉を使った時、多くの人がお金と権力を分散させるイメージを持ちます。つまり第二、第三の東京を日本のどこにおくかという思想、考え方です。
 
確かにリスク分散という視点では札幌や福岡。あるいは新潟のような地政学的に完全に条件の異なるエリアにバックアップ的な機能を持たせることで、どこかがダメでもどこかでカバーできる状況は作れます。
 
しかしこれ、本当の意味で多極集中と呼べるのでしょうか?

というところで電車の時間になりました。
次回に続きます!




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