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日々の雑感 day62【歴史は繰り返す。SONYに学ぶ今①】

おはようござます。今日は少し本業っぽい感じで進めていきます。

☆再建屋ジョーの悲劇と今の日本(記事引用)

1960年代のアメリカの話です。再建屋として有名なジョーというプロ経営者がいました。

彼は赤字の事業会社からスカウトされて、経営を任されるとわずかな期間にその企業を黒字化に持っていきます。再建が終わると次の会社に乞われて転職する。そうやってジョーはヘッドハンターの間で有名人となります。

ところがジョーを雇った会社は再建後、数年すると必ず、それまでよりもずっとひどい赤字に転落するのです。そのことがわかり、そのからくりも広く知れ渡って、結局ジョーは花形の再建屋ではなく会社を壊す経営者だという逆の評判が広まりました。

表舞台から姿を消すことになり、これが再建屋ジョーの悲劇です。

ジョーのやり方は、赤字企業の売上に合わせて費用をカットすることでした。売上規模に応じて人材をカットし、販促費や広告費をカットし、品質も落とす。それをやると赤字の事業は単年度では黒字化します。この段階でジョーは多額のボーナスをもらって別の会社に転職していたわけです。

☆有象無象のジョー達

今回の流行病の特徴はある特定の産業には決定的な打撃を与えていながら、一方では過去最高益を更新するような企業もまた多かったのです。

巣ごもりに対応した短期的なニーズバブルもそうですし、こうしたジョーのように立ち回り、様々な補助金を活用し、人材をカットし、販促費や広告費をカットし、緊縮で削ぎ落とすこといよって単年の黒字を無理やり作りだす人々も少なからずいます。

【政府の予想を裏切る形で法人税収が5兆円以上も上ぶれしたということは、日本全体でコロナ禍の過少投資がそれと同額の規模で起きていることは確実です。場合によってはコロナリスクに過剰反応して、必要以上にあらゆるコストをカットしまくった企業もあったはず。だからこそ法人税収はかつてない規模へと積みあがってしまったわけです。どの企業もコロナ禍で激減した売上需要に対して生き残るために、非正規労働者を切り、不採算店を閉じ、不要不急な出張を抑制し、コストカットに努めてきたはずです。単年度の生き残りには最適な対策が、長期の利益や成長を犠牲にしているのです】

☆ソニーという歴史のお手本

2012年にハワード・ストリンガーがSONYで何をやらかしたかは、今、思い出す必要があるでしょう。口先での綺麗事とは裏腹に、自分の数字と成果を求めて2万人近い(18万人の1割目標)リストラを実行し、製品モデルを2割削減するコストカットを初手としました。

一時的な黒字は生まれたものの、その影響はすぐに表れます。
投資がないのでSONYらしい商品やサービスのアイデアも枯渇し、会社への安心感が喪失し、帰属心が失われ、社員のモチベートは下がり、赤字決算が止まらなくなっていきます。

切り捨てた優秀な社員や技術者達はサムスンを始めとするライバル会社に無償で渡したようなものとなり、その人材がライバル会社でヒット商品を生み出したり、ライバル会社の利益を向上させていきます。

そんな状況下にあってストリンガーは、自己正当化の為にもそのマイナスを埋めようと二回目の大リストラを行い、さらに三回目の大リストラという連鎖を発生させました。

かくしてソニーはストリンガー就任前の3890円、時価総額は3兆8791億円という数字から、その退任時には株価1704円、時価総額は1兆7119億円まで大減少してしまいます。完全に弱り切ってしまったのです。

【そして再建屋ジョーの悲劇はアフターコロナになってからやってきます。投資を減らしたことでアフターコロナの回復期にあたる2022年、2023年と減収が始まります。店を閉じた地域で、人材を減らした分野で、商品を廃版にした領域で、投資削減の2年後から、売上の減少が顕著に始まります。やっかいなことに再成長させようとしたら、その投資額はコストカットの倍はかかります。店を閉じる際には二束三文で資産を買いたたかれ、出店には一から投資がかかる。やめてもらった社員の代わりは一から育てなければなりません】

日本のGDP7割は地域経済が担っており、その中でも外食と観光産業は雇用の受け皿として重要な機能を担っています。
そこがピンポイントに大打撃を受けている状態で「自助」に依存し「お願いしているだけだからお金は払いません」と行政府が開き直り、彼ら彼女らをストリンガーがリストラをしたあのように切り捨てる。

ジョーの悲劇をまんまなぞるんですか?

というのが今この国が置かれている状況といえそうです。
人を切り捨てて、どうやってアフターで回復するつもりなのか・・。
今後の日本がどうなるかは予測もつこうというものです。

ではどうすれば?

ということも現在のSONYの歴史が教えてくれます。

現在の株価は11000円を超え、時価総額は10兆円を超えてきています。そこに学ばない手はないでしょう。

(続きます)


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