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「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」と「13歳からのアート思考」の共通点

こんにちは。広告代理店でプランナー兼マネージャーをしております、ナカムラです。今日は、学びの整理を兼ねて、タイトルにある2冊の書籍を簡単に紹介するとともに、その共通点について書いてみたいと思います。

すでにこの2冊を読んだことのある方は、目次から「2冊の共通点」へ飛んでいただければ幸いです。2分で読めます。

「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」

こちらは、山口周さんが執筆された新書で、2018年にビジネス書大賞で準大賞まで受賞している名著です。

ざっくり概要

ものすごく簡略化して説明します。まずタイトルにある「美意識」とは「真善美」を判断するための基準のことを指します。

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何が正しいか、良いのか、美しいのかを、だれかの考えではなく自分で判断するための判断基準、ということですね。

この「美意識」を、なぜ世界のエリートが鍛えようとしているのか?ですが、主には3つの社会変化に起因すると述べられています。この3つの変化に対応するために必要なものこそ、山口周さんの定義する「美意識」ということなんですね。

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本書では、この美意識を鍛える具体的な方法まで紹介されています。詳しい実践方法は書籍内に記述がありますので、ここでは概要の紹介に留めておきます。

絵画を見る(観察眼の訓練→パターン認識からの解放)

哲学に親しむ(哲学=知的反逆→システムを鵜呑みにしない思考を学ぶ)

文学を読む(物語に潜む「問い」を真善美で照らして考察する訓練)

詩を読む(メタファの引き出しを増やすことでレトリックを磨く)

「13歳からのアート思考」

続いてはこちら。美術教師である末永幸歩さんの著作で、各種メディアで取り上げられ話題になった一冊です。

ざっくり概要

いきなり「アート」なんて言われるとウッ…となってしまいますが、本書で定義している「アート思考」はちょっと想像と違うかも知れません。

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アート作品を観るときに、脇にある作品情報と実物を照らし合わせることがよくあると思うのですが、それは「鑑賞」ではなく「確認作業」になってしまっているよ!というのが末永さんの指摘です。

そこに何が描かれているかは、みる人の感覚で変わっていいと言います。

むしろそこに”何を見出すか”が重要で、自分なりの視点でみて、自分なりの答えを出すことがアート思考なのだ、ということです。そしてそれはアート作品を鑑賞するときに限らず、ビジネスや日々の生活にも役立つ方法論である、というのがポイントです。

実際、アート思考は「アーティストのものでしょ」とか「センスが無いとムリ」と思われがちですが、そうではないと述べられています。

すべての人の役に立ち、センスに依存しない能力であり、自分なりの答えを作るものと定義されています。この能力を鍛える上で、美術がとても役に立つというのが美術教師である末永さんからのメッセージです。

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2冊の共通点

さて、すでにお気づきの方も多いかも知れませんが、最後にこの2冊の共通点に触れたいと思います。

この2冊の作者である、山口周さんと末永幸歩さんに共通する主張は「自分なりのものの見方を持つべし」ということです。

その”ものの見方”のことを、山口さんは「美意識」末永さんは「アート思考」と表現されているわけですね。(山口さんは書籍内で”美意識と論理”を比較して”アートとサイエンス”とも呼んでいます)

どちらの書籍も、現代を*VUCAの世界と捉え、この世界においては正解を探す論理思考だけでは太刀打ちできないよ!と訴えており、だからこそ論理やルールといった明文化された共通の物差しではなく、自分なりのものの見方で世界を見て、考えて、答えを作ろうと仰っているのですね。

*Volatility:不安定さ、Uncertainly:不確実さ、Complexity:複雑さ、Ambiguity:曖昧さの頭文字をとった言葉

山口さんはビジネスの切り口から、末永さんは美術という教科の在り方からと、それぞれ異なる文脈のなかで同じ主張をされていて、どちらもベストセラーとなっていることから、今の時代、これからの時代に欠かせない視点であることが伺えます。

(おまけ)知っていると2倍面白い関連情報

今回紹介した2冊の内容を理解した上で、西洋美術史・西洋哲学史・三大宗教史を学ぶと、かなり楽しめると思います。

アートとサイエンスの共存が与えた歴史的価値を知れたり、美意識の鍛え方への納得感が変わると思います。

とは言え、イチから勉強する時間は中々ないと思うので、私はYouTube大学をおすすめします。(※YouTube大学には賛否両論ありますが、私は肯定派です。効率的に参考情報を得るには最適だし、シンプルに面白いので笑)

以上、「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」と「13歳からのアート思考」の共通点でした。あくまで私個人の捉え方なので、ぜひぜひご意見下さいませ~!学びを深める糧にさせていただきます。

最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

ナカムラ

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