見出し画像

第36回東京国際映画祭 作品紹介【アジアの未来編】

こんばんは。
今回はアジアの未来部門の作品紹介をしていきます。
コンペティション部門編はこちら↓


作品紹介

『離れていても』(サーシャ・チョク / 香港)WP

香港返還の1997年に始まり、10年おきの2007年、2017年の3部からなる一家族の年代記。父と娘をめぐる20年の歳月に香港社会の変化が映り込む。プロデューサーはスタンリー・クワン。

 白みがかった映像が美しいですね。ただ、あの予告編ではどんな作品なのか全く分からない…
 言語に日本語も含まれているということで、壮大な歴史譚になっているのでしょうか。

『ラ・ルナ』(M・ライハン・ハリム / シンガポール)WP

都会からムスリムの村にやってきたハニーは、女性ランジェリー店をオープン。たちまち店は女たちの集いの場になるが、気に食わない男たちが動き出す。シャリファ・アマニ(『細い目』(04))主演!

 こちらはポップでコメディチックな予告編でした。
 男からみたフェミニズムを風刺的に描いているのでしょうか。

『マディーナ』(アイジャン・カッセィムベック / カザフスタン)WP

昼はダンス教室の講師、夜はショーパブで働くマディーナ。男たちの誘惑をかわして2歳の娘を育てるシングルマザーを見つめるカザフスタン作品。寡黙な映像が彼女の心情を訴える。

 打って変わってこちらはセリフもほとんどない静謐な作品のようです。映像がとにかく美しいです。これは期待できるかもしれません。

『マリア』(メヘディ・アスガリ・アズガディ / イラン)WP

ネット社会における映像の流出、ひとりの女優の失踪、その謎を追う映画監督…。事件の真相を求めてミステリー・タッチで描かれる緊迫のイラン作品。本作でデビューのアズガディ監督は28歳。

 イランからは次々と期待できる監督が出てきますね。予告編だけでもう面白そう。かなり見応えのあるサスペンスになっていそうです。

『家探し』(アナト・マルツ / イスラエル)WP

出産を控えた妻とその夫が首都テルアビブを離れ、夫の故郷ハイファで家探しを始める。夫婦が出くわす様々な物件と人間模様を通して、イスラエル社会の姿が浮き彫りになっていく。

 家探しを通じてイスラエル社会を描くという、その視点がまず面白い。軽快な音楽に対し、内容はかなり重そう。どのようなタッチで描かれるのか楽しみな作品です。

『レッドライフ』(エカラック・ガンナソーン / タイ)WP

大都市バンコクの片隅で闇社会の周辺に生きる若者たち。過酷な環境の下でもピュアな愛を求める彼らの苦闘と希望をリアルに描く注目のタイ作品。エカラック監督の長編デビュー作。

 予告を観る限り、かなり暴力描写も激しめな青春映画という感じでしょうか。タイ映画は今アツいと個人的に思っているので楽しみです。

『ロシナンテ』(バラン・ギュンドゥズアルプ / トルコ)WP

求職中の夫、保険勧誘員の妻、6歳の聴唖の息子の仲良し3人家族。夫が愛車ロシナンテでバイクタクシーを始めて生活が安定したのも束の間、思わぬトラブルが勃発し…。

 映像にかなりこだわりがあるタイプの作品でしょうか。どういうこと?という映像表現がたくさんあり、好きなタイプの作品な気がします。

『相撲ディーディー』(ジャヤント・ローハトギー / インド)WP

優秀なレスリング選手のヘータルはふとしたきっかけで相撲と出合うが上達への道は遠く、敗戦が続く。夢を諦めない彼女は日本へ渡り、厳しい稽古に耐えていく。異色のインド女子相撲ムービー!

 こちらは今のところ予告編はありません。「インド女子相撲ムービー」というパワーワードが気になります笑
 王道スポ根ものでしょうか。それともアート的な?想像が膨らみます。

『違う惑星の変な恋人』(木村聡志 / 日本)WP

サッカーワールドカップの裏で繰り広げられる、ああ言えばこう言う厄介な5人の男女の愛のシーソーゲームの行方は――。恋愛群像劇の新たな旗手・木村聡志監督の最新傑作。

 こちらは予告編がありますが、観てもよく分からない…
 というかアジアの未来部門に日本映画って今までありましたっけ?少なくとも去年はなかったような。

『辰巳』(小路紘史 / 日本)WP

裏社会に生きる男・辰巳と少女・葵の哀しき復讐の物語。監督は『ケンとカズ』で2015年東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞の小路紘史。

 こちらも日本映画。ダークな雰囲気の映像が特徴的です。実績のある監督なので楽しみですね。

所感

 個人的に気になるのは『マディーナ』『マリア』ですかね。
 新人監督が多いとあって受賞歴は省きました。いつもコンペよりこっちの方が好みの作品が多いことがあるので楽しみにしています。
 また、特徴としては全てがワールド・プレミアということ。前回のコンペティション部門編でも申し上げたとおり、アジアの登竜門的な映画祭にしようという意図が感じられます。

次はワールド・フォーカス部門に注目して書いていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?