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後頭下筋群に対する理学療法

後頚部の構造

後頭下筋群は大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋で構成される。

この後頭下筋群は、僧帽筋・頭半棘筋あるいは頭板状筋の下を走行する。


頭痛、頸部痛を有する症例では頭半棘筋と後頭下筋群の間で滑走障害を引き起こしていることが多い。

この滑走障害の改善のための運動療法が必要。


後頭下筋群の運動療法の場合、表層の僧帽筋、頭半棘筋が働きにくい背臥位を選択する。

後頭下筋群を伸展筋(主に大後頭直筋)と回旋筋(主に下頭斜筋)に分けて治療することが重要。


伸展には上位・下衣頸椎の運動が大きくかかわる為。単純な伸展では表層の僧帽筋・頭半棘筋も働いてしまう。

そのため環椎後頭関節の運動が誘発されやすいように環椎横突起を軽く圧迫しながら頭頚部を伸展させ、大後頭直筋を働かせる。

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回旋では上衣頸椎の運動が大きく関与する。そのため環軸関節の運動が誘発されやすい様に軸椎棘突起の上外側を軽く圧迫しながら頭頚部を回旋させ、環軸関節に付着する下頭斜筋を働かせる。

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このような後頭下筋群の反復収縮はリラクゼーションの効果だけでなく、頭半棘筋と下頭斜筋の滑走障害を改善させることが期待できる。

参考文献 後頭下筋群に対する運動療法を実施するためのコツ 上田泰久 PTジャーナル第53巻 2019

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