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ゴーストワールドを観た

タイトルにある通り、ゴーストワールドを観に行ったよ

中盤でイーニドがシーモアに「今の私の1番の夢は誰にも告げずこの場所からいなくなることなの」って話していたけど、ほんとにそうなった。

イーニドがシーモアにそう話していたとき、それは強がりなんかじゃなくて本心だったと思う。それがイーニドが想像していたよりずっとずっと悲しいことだったっていうだけで。

レベッカとイーニドが2人で登場する最後のシーンで、レベッカがベンチから立ち上がって歩き出そうとするイーニドの手を最後の最後のギリギリまで離さなかったのが1番印象に残っていて好きなシーンだ。レベッカはイーニドと元の関係には戻れないけど、イーニドのことを本気で心配して、ギリギリまで手を離さなかったレベッカの行為にイーニドのこと想う気持ちがもの凄く切実に表現されていた気がした。

この世界に絶望するし、ここではないどこかを夢見るし、別の世界に行きたいと願う気持ちが俺にもある。友達といても孤独だと感じるし、どこにいても居心地が悪くて、何をしてても得体の知れない不満が襲ってくることもある。だからイーニドの気持ちにすごく共感した。

どうしてタイトルが「ゴーストワールド」なのか俺は知らないけどイーニドはあのバスに乗ってゴーストワールドに向かったのだろうか。
それとも彼女にとって「ゴーストワールド」=「彼女を取り巻くこの世の中」でそこから抜け出すことを意味していたのだろうか。

今までこれが映画じゃなく現実だったらいいのになって思ったことは何度もあって、ゴーストワールドもそうだった。これが現実だったらいいのに。だってもし現実だったら、もしイーニドがこの世界のどこかにいるのなら、もっと救われる気がする。最近見た「ちひろさん」って映画もすごく好きだったんだけど、その時も見終わって同じように思った。小説を読んでる時も同じ気持ちになることがある。

でもそんな時、作家の諏訪哲史さんがトークショーで「小説は嘘だけど、嘘を嘘にしたくなくて書いてます」って話されたというのをTwitterで見た。その言葉が全てだと思った。諏訪哲史さんの小説にはその想いが特に強く感じられる。実際に「アサッテの人」や「りすん」を読んだ人はわかると思う。読んだことがない人は是非読んでみてほしい。

今自分が生きてるこの現実世界で、過去に作られた作品に映像や文字を通して触れて、それが俺の人生に大きな影響を及ぼしているのは言うまでもない。
そんな素敵な映画とか小説に出会ってそれを見たり読んだりして、現実だったらいいのになって思いにさせるのってホントにすごいことだよね。

ゴーストワールド、他にも好きなシーン思い出すシーンがたくさんあって本当に忘れられない映画になった。
今日もまた1つ素敵な作品に出会えで幸せです。


最後まで読んでくれた人、ありがとうございます^_^




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