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vol.2_いざ県庁へ!

前回までのあらすじ。なんやかんやで県庁へ向かった

事前にネット検索を駆使し、ある程度の予備知識をもって伺ったのだが、
要約すると、現実をよく見て体験し情報を得る必要があるとの事。

頭では理解していたが、言われればたしかにその通りで、自宅の隅でチョコっ菜園のレベルとは違う事、テレビや雑誌で見るのとは違う事を淡々と説明を受けた。
担当者:それで、何を作りたいの?
自分:イチゴです。
担当者:主な栽培方法が2種類あるからまずは体験から始めましょ。
自分:どこでどうやって体験をすれば?
担当者:直接農家さんへ連絡して話を伺ってみては。
自分:えっ?直接?
担当者:はい、これ。怒られることはないから大丈夫。

と、渡されたのは県の農業法人パンフレット。
いや仕事で電話対応するけど、見知らぬ相手にアポを取り付けるって難易度高くない?ほんまに大丈夫?
など思いながらもその日はいただいた資料を持ち帰り悩むことにした

次の休日

改めて持ち帰った資料に目を通すと、農業法人の紹介と連絡先。これは認知度を上げるためのパンフであって体験するための資料ではない?。さて電話するにも何も分からない農家の世界。相手先の多忙時間とかは会話できないし、休憩時間でお昼寝タイムとかに電話したら確実に機嫌悪し、そもそも電話に気づかない可能性もあるか。などなど、どのタイミングで電話をすればいいのか。他にも、何をどんな風に話したらいいのか、いきなり電話で体験とかできるのか、手土産はいるのかなど、頭の中でグルグルと終わりの見えない環状線のようだった。

結局、分からない事に答えを求めても持っている情報や知識が乏しいので、行動するしかない。そう言い聞かせて緊張で冷え切った手でスマホを握り番号入力。その間も何を話すのか思考がやまず、ドキドキがとまらない。そして呼び出し音が鳴るが、なかなか出てくれない。やっぱり忙しいのか。一旦電話を切り、時間を変えて電話したが同じく呼び出しのまま。
縁がなかったと思い、別の農業法人へ電話するが、ここも出てくれない。ほかにも何か所か連絡をしてみても呼び出しのまま。ホームページを見ても同じ番号。時間帯の問題?それとも別の要因?
原因はよく分からないが、他の所も見てみようとネット検索していると、ある農家さんサイトが気になり開いてみた。
TOPページからいきなり、イチゴが輝いて美味そう。さらに見てみると「農業に興味のある方、お気軽にご相談ください!」なんて響きのいい言葉。今、まさに求めている文字が目に入り、衝動的に電話をしていた。

「はい、〇〇です」
はっ、出た。出てしもうた。と声に出そうになったが、
「私、■■と申します」
いざ会話が進むと、考えてストーリとは違い環状線を急行で3駅飛ばして進んでいく。緊張から震える声がスマホ越し伝わっていたと思う。それのせいか何度も聞き直してくれたり、相槌をうってくれたりして、
「じゃ、〇月△日の◇時に直接ハウスに来てください」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」

電話を切ったら「ヨッシャー」と小さく声がでていた。
電話ができた、怒られなかった、何よりも会って説明をしてくれる事に喜びを感じた。仕事で初めて電話をかけた時のような近い体感だった。


訪問日当日

自宅から車で40分、色々な思考を巡らせながら目的地周辺に到着。
直接と言うので看板でもあるのかと思っていたが、周りはハウスと畑が四方にあり分からない。電話をして場所を確認すると迎えに来てくれることに。

そしてハウスを案内されると圧巻。ネットの画面越しにみるハウスと、実際、この目で見る実物との差が大きすぎた。最奥のイチゴが全く見えない。
改めて規模を聞いてみると、案内された箇所より大きめのハウスがまだあるのと、育苗ハウスが向かいに1つ。
やっぱり気になる値段を聞いてさらに驚愕。
高設栽培、資材高等、液肥システムなどで、いくらだと思います?
「800万ぐらいですか」
「いえ、ざっくりハウス1棟に1千万。今はもっと資材が高騰しているからあがるかも。それと施設費用など合わせると数千万」
「えっ?・・・😨」
言葉が出ない。単純に周囲を見渡して億単位がごろごろ連なっていることになる。そこまで投資しないと成り立たない業界なのか。
他にも、行政からの補助金、就農の準備段階として貯蓄をする事、農業学校の存在も。実は、農業学校より研修の受け入れ先として登録しており、翌週から来られるとか。私みたいな飛び込みの説明は初めての事だそう。

ちょっと県庁さん、言うてる事と違うやん。
新規の飛び込み事例を1件、刻ませていただきました(笑)

この場を借りて、飛び込みにも関わらず受け入れていただき、ありがとうございました。

しかし、イチゴに関わらず他の作物にも共通していることだが、四季を通じて旬の物ができるのが当たり前であり、それ以外の季節で出荷となれば当然ハウス栽培となり投資費用が大きくなるものである。

思い返せば、その出来事がきっかけで、自分のやりたい、作りたい手法が決まったと思う。

我が家のイチゴ。紅葉で綺麗な赤色に🍁


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回以降も同じ間隔で投稿していきたいと思います。

それでは、笑顔のある一日を。

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