見出し画像

「よくわからない曖昧さ」が実は最大の武器? 明治大学国際日本学部の魅力を見つめ直す

2021年4月10日に開催した「コクニチサミット2021 -鈴木学部長と語る、国日のこれまでとこれから-」の記事をお届けします。

鈴木賢志学部長をお招きして、これまでの国日を見つめ直し、これからの国日を考えていこうという趣旨のもと開催。第1期生から現役生まで幅広い世代が参加し、あらゆる視点からの意見交換が行われました。横断的に、多種多様な学びが得られる学部だからこそ、1人1人にとっての「国日らしさ」も様々なのでは。

「コクニチってなにを学んでるの?」
きっとそう聞かれることも多いのではないでしょうか。改めてこの記事とともに、ぜひ皆さんなりの答えを探してみてください。

またこのイベントは、明治大学国際日本学部OBOG現役会が運営しています。
周りの卒業生・現役生でまだ参加してない方がいらっしゃいましたら、ぜひご招待いただけますと幸いです。

それでは、どうぞ。

session1 学部長の目に映る国日とは

「国際日本学部ってどうしてできたのか」

・ぶっちゃけ国日ができる前の明治は国際色が薄かった
・新しい学部もほとんど生まれていなかった
・全ての学部に国際色を取り入れるのが理想だったが、現実的ではなく学部の新設という選択肢に
・早稲田の国際教養とほぼ同時期→被りたくない
・少し前に法政の大学院が国際日本学研究科を作っていたのを参考に
・もともとは「日本学」がやりたかったが、「国際色」を取り入れるという目的も→結果、当初はかなり割れたコンセプトになっていた(選択必修で日本要素を詰め込むなど)
・しかし一期生のほとんどが「国際」に目を向けて入ってきていたため、ギャップが生じてしまっていた
・「学部新設から4年間は方向性を変えられない」という掟があり、5年目以降に現在のような緩い形となっていった

「"国際日本学"とはどんな学問か」

・答えは人によるが僕は「国際日本学はない」と思う
・学問分野として考えず、「世界と日本を結び付けるための知識・技能を身につける」って定義しちゃおう
・ただ「それで良いのか?」はわからないが、自分たちはこう進んでいく
・「なにをしている学部なの?」はお決まりのツッコミ

「明治大学国際日本学部のアイデンティティ」

・文科省が国際日本文化研究センター(日文研)に国際日本学を組織させたり、東京外国語大学が国際日本学部を作り出したりと、追随者が現れ始めた
・外大の国日は「Japanese Studies」で日本学がメイン
・神奈川大学の国日も「Cross-Cultural and Japanese Studies」で、日本と国際を並行してやっている訳ではない
・ただ、類似学部が増えてきた状況の中で自分たちはどうしていくのかを考える必要がある
・「何かひとつのことを徹底的に」よりも「横断的なあらゆる知識を結びつける」学びが重視される世の中の流れには乗れている気がする
・とは言いつつも実際のお客さん(OBOG・現役生)からの映り方はわからないから、’そこを聞いてみたい

session2 これまで〜現在の国日の魅力とは

・国日は「何か目的があって入る」よりも「入ってから好奇心の種に出会う」ことが多い
・国日の学生はよく言えば好奇心旺盛、悪く言えば飽き性
・一期生はエネルギッシュかつ個性的、行動力のある人が多かった
・今の現役生は「国際系の学部」というイメージで入り、その後「日本色」の部分に驚いた人も→日本のことを知った上で海外のことを知る/海外に発信する大切さに気づけた良いギャップだった
・昔に比べ、エネルギッシュ<スマートが強くなってきているイメージ
・「日本を世界に発信する」という切り口を学べた
・まるで縁日のように様々な学びとの出会いがある⇄専門性を持って深くは学びづらい
・日本について海外の人に話すことができるようになった
・課題としては、日本人学生⇄留学生の交流があまり深くできていない部分がある

session3 これから生み出したい国日の魅力とは

・「国日の魅力」といっても、誰から見る国日なのかで変わる
→社会に出てから聞かれるのか、これから入る高校生へ伝えるのか
・高校生たちは「社会に出るためになにを大学で学びたいのか」がまだわからない人が多い
→だからこそ国日の無秩序さが魅力になるのではないか
・専門性が薄い=様々な事項に興味を持てる余白がある
・高校生をこの学部に入れるためには?
→説明会等の一般的な情報発信もあるが、「あの先輩が国際日本学部にいる」という人のつながりも大きい
→そのためには、現役生が「社会に出て国日の学びがどう役立つのか」を認知する必要が
→ただ現状として、どう役立てるのかのロードマップが示せていない
→このOBOGと現役生のマッチングシステムは価値があるのでは
・せっかくユニークな場が生まれているのにも関わらず、発信力があまりない
・国日としての1番の製品(自慢のタカラモノ)は「人」
・「先輩がロールモデルとなり興味を持ってもらう」は都内への大学進学者が多い都心部だけなのではないか、地方での訴求も今後の課題になり得る
・どれだけ良い学部だったとしても、その学部を「知らない」と選択肢になりようがない
・海外でほとんど日本人がいない環境に身を置いていると、日常の何気ないシーンで国日での経験が役立っている
・「卒業生は国日での学びをどう活かしているのか」をまとめて発信したい

まとめ・あとがき

まずはじめに、鈴木学部長をはじめ、このサミット開催にあたり関わってくださった全ての方にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。

国日としての1番の製品(自慢のタカラモノ)は「人」とあったように、卒業生の方々が社会に出てから国日の学びを活かし活躍されている姿こそ、国日の最大の魅力なのではないでしょうか。だからこそ、卒業生と現役生のタテの繋がりを強固なものにし、現役生にとってのロードマップが生まれること。そして先輩方が示してくれた、そして自分たちが進んでいく道を信じてワクワクと、あらゆるワクを超えて活動する現役生の姿を社会へと発信していくことが大切になる気がします。

あらゆることが曖昧に、不安定になってきた世の中。そんな社会において、国日の横断的な学びや、好奇心の種を生み出す環境はまさに求められているものなのではないでしょうか。個人的な話ですが、「国際日本学部ってヘンテコリンな学部に入ってきている人たちは、どこかとんでる部分がある」と学部長がおっしゃった際の参加者が一斉にニヤついた瞬間がたまらなく好きでした。

この会のみのとどまらず、今後あらゆるムーブメントがポコポコと生まれていくことを期待します。ここからさらにグチャグチャとしていきましょう。

引き続きよろしくお願いいたします。

(明治大学国際日本学部の関係者様に限りアーカイブ映像を公開しておりますので、ご視聴を希望される場合はお伝えください。)


おしまい。

もしよければサポートお願いいたします。今後の学びに向けて活用させていただきます☺︎