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決算解説・財務分析

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#株式投資

使える財務指標#4 佐川急便とヤマトで学ぶ「営業利益率」の使い方

「脱・丸暗記」の財務指標シリーズ4回目は「営業利益率」を取り上げます。企業の収益性を測るこの指標は、報道等でも頻繁に登場します。 なぜ「脱・丸暗記」か?企業を分析するとき、どの財務指標を使うのが適切なのかは、なかなか悩ましく、簡単には答えが出ません。けれど、適切なモノサシを選ぶことができなければ、企業の実態を理解することはできません。 世の中には数多の財務指標が溢れかえっています。資格試験や社内の研修でこれらを勉強した経験がある人は多いと思います。けれど、多くの場合丸暗記

使える財務指標#3 マツキヨとコスモス薬品で学ぶ「販管費率」の使い方

使える財務指標シリーズ第三弾は「売上高販管費率」を取り上げます。一般的には省略して「販管費率」とも呼ばれますので、ここでは販管費率と表記していきます。「脱・丸暗記」をキーワードに財務指標を使えるようにするのが目標です。 なぜ「脱・丸暗記」か?企業を分析するとき、どの財務指標を使うのが適切なのかは、なかなか悩ましく、簡単には答えが出ません。けれど、適切なモノサシを選ぶことができなければ、企業の実態を理解することはできません。 世の中には数多の財務指標が溢れかえっています。資

使える財務指標#1 いきなりステーキ!で学ぶ「既存店売上高」の使い方

今回から、「脱・丸暗記の財務分析」をテーマに財務指標の使い方をシリーズ化してまとめていきたいと思います。第一回目は「既存店売上高」を取り上げます。※厳密にいうと財務指標ではありませんがスルーしてください。 なぜ「脱・丸暗記」なのか?企業を分析するとき、どの財務指標を使うのが適切なのかは、なかなか悩ましく、簡単には答えが出ません。けれど、適切なモノサシを選ぶことができなければ、企業の実態を理解することはできません。 世の中には数多の財務指標が溢れかえっています。資格試験や社

【決算解説】ビジョナリーHD(メガネスーパー)の業績が急回復?

メガネスーパーを運営するビジョナリーホールディングスの2021年4月期2Q決算を解説します。同社はかつて価格競争に敗れ業績不振に陥り、債務超過になった過去を持ちます。その後シニア層向けの高価格帯メガネに狙いを絞ることで業績を回復していきました。 ビジョナリーHDが発表した決算は、ヒトコトで言うと「不採算店舗の閉店と経費削減に努め減収増益」という結果でした。売上高は前年から▲8.8%の131億円、営業利益は288.8%増の4.7億円です。 営業利益ベースでは増益 ビジョナ

【企業解体新書】ビジョナリーHD(メガネスーパー)の復活劇

メガネスーパーを運営するビジョナリーHDの業績が好調です。2021年4月期の2Q終了時点で3.8億円の純利益を計上しました。当初の業績予想は4.6億円の赤字でしたから、想定以上の結果といえます。 さて、今回はそんなビジョナリーホールディングスですが、実は業績不振から債務超過に陥った過去があります。今回は、そんな同社の経営戦略や特徴を3つのポイントに整理してお伝えします。 特徴1.メガネ&コンタクトの二本柱 一つ目の特徴は、メガネとコンタクトの両方を手掛けている点です。