ライターとして独立したのに野球場でバイトしてた頃の話
呑気に屋号考えてる場合じゃなかった
フリーランスのライターとして生きていこう。と決めたのは、7年くらい前のこと。20代も後半に差し掛かっていた。
当時、なんの当てもなく会社を辞めてしまい、とりあえずクラウドソーシングに登録して、低単価でも実績を作ることから始めた。
前職で求人広告のライティングをしていたから、それ関連の業務委託にも応募して、契約してくれる企業とも出会えた。だけど業務委託ライターの中でも依頼の順番があって、契約したばかりの私にはなかなか仕事がこない。
これはまずいねと、天性の危機察知能力でやっと気づいた。「えーっと、屋号は何にしようかな〜。一応姓名判断してみるか〜」なんて呑気にやってる場合ではなかった。
もっと安定した収入源が必要だ。なら暇な時に入りまくれるバイトしかない。バイトしながらライター業を確立させよう。
食費を浮かそうと帰省していた実家のこたつに入りながら、一生懸命にバイトを探した。お酒を飲んでいて少し眠かったが、私は寝ないで頑張った。
ここで寝ちゃうようなやつは、どこに行っても通用しない。と親に言われた気がするが、あれは夢だろうか。
そして見つけたのが、野球関連のバイトだ。ライティング要素もある事務仕事っぽい内容で、ライターでもありドカベンを過去に読み漁っていた私にぴったりだ。豪快な岩鬼が特に好きだった。
バイト開始
面接に受かってバイトを始めることができた。週に何度か野球場に赴いて、パソコンをぽちぽちしていた。
年下の野球選手たちの一生懸命な姿を見ながら、自分は30歳近くにもなってバイト生活で、一体何やってんだろうって思ったけど、私は努力ができない人間だった。努力してこなかったやつが何を羨んでいるのだろうか。
ともあれ、バイト生活は充実していた。
組織というものは苦手だけど、バイトだとあまり気にならなかった。組織がどんな方針をとろうが、人間関係がどうなろうが、自分とは切り離して考えることができた。
正社員だったらこうはならない。何事もまっすぐに重く受け止めてしまう性格で、正社員だと逃げ場がないと感じてしまうのだ。自分にはつくづくフリーランスが合っている。
バイト先は人もみんな良かった。今でも交流がある人もいる。バイトして良かったと心から思える。
バイト人間は弱かった
バイト生活中に、大学時代の友人たちと飲む機会があった。5〜6人はいたと思う。
やはり仕事の話も多く、今はこんな企業で働いている、最近こんなプロジェクトを手がけた、同期よりも早く昇進した、とかなんとか。
お前は?と聞かれて、
バイトしてるわ、と答える。
よっわ、と笑われた。
そう、30歳近くなってバイト生活しているやつは、世間一般では弱いのだ。ディスられたことにムカついているわけではない。そらそうだわな、と自分でも思う。
でも「よっわ」の一言でハッとさせられた。自分は今、人に簡単に馬鹿にされる立場にあるのだと。これまた天性の危機察知能力で、こりゃやべえなと思った。
会計はきっちり割り勘だった。弱いものに社会は合わせてくれない。
だから強くなった
バイト生活は悪くなかった。生活するうえでも必要だった。大卒のくせに30歳近くなってバイトしている人間は弱いと突きつけられたのも、自分には必要な経験だった。
だから頑張った。もう誰にもよっわwwと馬鹿にされないように。フリーランスのライターとして強くなった。
私は努力ができない。本気になれない。という言い訳をしなくなった。
人として強くなれたので、フリーランスになって良かったし、バイトも経験できて良かったと今は思う。
え?ライターが野球場でどんな仕事してたのか気になったのに、その話が全然出てきてない?本当ですか?おかしいですね。上に伝えておきますね!
良い一日を!
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