レバニラの夜
いや、田原で買って帰ったアサリを海獺に酒蒸しにしてもらっただけでなく、同じく田原産の新鮮なニラも使ったことを忘れていました。
ニラを食べたネタだけではあまりに芸がないので、半世紀近く前、学生時代の食生活に触れたいと思います。
18歳で実家を離れて上京し、ひとり暮らしを始めると、当然のことながら、それまでとは食のパターンが大きく変わります。
① 自炊
② 学食
➂ 外食
の3種類が出現するわけで、かなり貧しくここに書くのもどうかというレベルの①、定番の魚フライ定食やラーメンの類が多い②はさておき、いわゆる街の定食屋で注文するメニューについて書きましょう。
当時、外食チェーン店は限られており、あってもハンバーガーや牛丼のように、ほぼ単品に近いメニューしかなく、➂は個人営業の店ばかりだったため、価格はもちろん、
① < ➁ < ➂
でした。
だから、➂は懐が温かい時に限られましたね。
➂で注文するメニューには、実家にいた高校時代にも口に入れていたトンカツやカレーも含まれていたけれど、ほとんど食べたことのないメニューもありました。
①はインスタントラーメンの類も多かったので、たまに出費のかさむ➂では、タンパク質と野菜を摂ろう、と考えた結果でもあるでしょう。
振り返れば、よく注文したのが、
•生姜焼き定食
•チキンカツ定食
•レバニラ炒め定食
だった ── かな?
今と違って国産豚が多かったため生姜焼きは脂が多く、チキンカツも肉は薄くて衣が多かった。
そして、レバニラ炒めは、
── その名付け親であるはずの豚レバーやニラではなく、(今だに『物価の優等生』と呼ばれる)モヤシがやたらと多かった。
(優等生だからといって、学芸会で主役を喰っていいの?)
そんなことを思い出しながら、田原のニラでレバニラ炒めが作られる工程を眺めていた。
この感じも憶えている……彼女が部屋に来て、何か作ってくれる時、その背後で所在無げにウロウロする感じ……であーる。
うん、本来の「レバ、ニラ、そしてモヤシの黄金比率」が素晴らしい!
(ビールと一緒に)いただきます!
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