見出し画像

半田でカブトビール【2/3】新美南吉作品をたどるペーパーアート展

【1/3】からつづく…

ミツカン本社までひとり散歩して知多半田駅に戻ると、遠足参加者が三々五々集まり始めていました。

全員集合したところで、昼食会場の『ステーキハウス森牧場』に送迎バスで移動、ここでステーキ or しゃぶしゃぶのランチをとりながら、近況報告などクラス会っぽいルーティンがありました。

ランチ会場『森牧場』
『森牧場』の庭に置かれた石の狸。
牧場で食べ過ぎた?
いやいや、これは、お腹の下に例のモノが見えないところを見ると、♀タヌキなのでしょうね。

このクラスは、人望があるひとりの幹事さんのご苦労&ご配慮によって、延々半世紀、会が続いております。
この日も計画から予約まで、すべてやっていただきました。
感謝!

食事の後は、半田が生んだ偉大な児童文学作家の記念文学館『新美南吉記念館』に森牧場のバスで送ってもらいました。

記念館は『ごんぎつね』の舞台とされる中山にある
記念館に隣接する『童話の森』と『せせらぎの小径』

この記念館には10数年前にも来たことがあり、2度めになります。南吉の『ごん狐』『手袋を買いに』など著名作品はもちろん知っていましたが……。
館内を歩くうちに、自分が知らない作品、そして、知ってはいたが南吉作と認識していなかった作品が思いの他多いことを知りました。

この日記念館では、ペーパーアート作家・榊原澄香さんが南吉童話の各場面を題材に制作した作品が展示されていました。

榊原澄香さんのペーパーアート作品が、館内にずらりと並んでいます。

この立体作品が素晴らしい!
ほんの一部ですが、紹介を:

南吉作『ゲタニ バケル』(左)、『巨男(おおおとこ)の話』の場面をそれぞれ描いたペーパーアート
左から、『 鳥右ヱ門諸国をめぐる』『赤い蝋燭』『飴だま』の場面
『川』(左)、『うた時計』の場面

なお、この遠足に行った3日後、古今東西作家の名言を紹介されている福田尚弘さんが、note記事で南吉文学のテーマとしての「悲しみ」について紹介されている記事を拝読しました。
その中に巨男おおおとこの話』『川』が転載されていました。
記念館訪問との順序が逆だったら、これらのペーパーアートをより楽しめたかもしれません(特に『川』)。

榊原澄香さんのペーパーアート展は、4月7日まで開催されているそうです。

南吉記念館ではもっとゆっくりしたかったのですが、幹事の情報により、カブトビールが飲めるビヤホールのラストオーダー時刻が意外に早いということで、止むをえず見学を切り上げ、東の住吉町駅方面に移動しました。

新美南吉が結核によって29年の短い生涯を終えたのは、1943年3月、大戦中のさ中でした。

明治半ばに半田で生まれ、アサヒ、キリン、サッポロ、ヱビスと共に『五大ビール』の一角を占めたカブトビールが、大戦下の企業整備令により、工場を閉鎖しビール製造を終了したのも1943年でした。

半田はこの年、大切なものをふたつ、失くしたのかもしれません。

【3/3】につづく…

この記事が参加している募集

#ふるさとを語ろう

13,667件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?