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脚トレから逃げない


筋トレとプロテインでこの世の99.9%の問題は解決します。
本当です。
  ―――――テストステロン


▼▼▼脚トレ▼▼▼


トレーニングをする人間にとって、
「脚トレ」は特別なものだ。

「脚トレ」でその人の、
トレーニングへの姿勢・哲学が分かると言っても、
過言ではない。

、、、

、、、

過言である。

言い過ぎた。

でも、脚トレが他のトレーニングとは違う特別なもの、
というのは本当だ。

チキンレッグという言葉がある。

ちょっとこの写真を見て欲しい。

▼参考リンク:「チキンレッグ」
https://bit.ly/3v819ui

この写真は筋トレ界隈で出回っている、
かなり有名な写真で、
「チキンレッグ」といえばこの写真、
みたいになっている。

上半身を鍛えまくってるのに、
下半身は鍛えない人のことを、
チキンレッグといってトレーニーたちは軽蔑する。

筋トレ教の教祖でありインフルエンサー、
もとい「筋フルエンサー」のテストステロン氏は、
「ドント・スキップ・レッグ・デイ(足の日から逃げるな)」
という海外のジムで流通しているスラングを紹介している。

Don't Skip Leg Day.

大事な言葉だ。
今から書くことは全部嘘だけど、
僕は死んだら墓標にこの言葉を彫ろうと思っているし、
身体にこの言葉のタトゥーも彫ろうと思っている。

Tシャツにもなってる(これはホント)。

▼参考リンク:Tシャツ
https://bit.ly/3veTNoP

さて。

脚トレである。

レッグデイ、つまり脚トレの日は、
トレーニーにとって憂鬱な日だ。
これは認める。

なぜか。

単純に、一番キツイから。

重いバーベルを背負ってスクワットするのは、
すべてのトレーニングの中で一番しんどい。
僕みたいなまだまだ扱う重量もたいしたことない、
中級者の入り口ぐらいの人間でも、
スクワットをした後は脳が低酸素状態になって、
ちょっと意識失いそうになるぐらい息が上がる。

人間の骨格筋というのは、
僕たちがイメージしている以上に、
下半身に集中している。
大腿筋、腸腰筋、大臀筋、
ハムストリング(もも裏)、
カーフ(ふくらはぎ)、
これらを合わせると、
重量でなんと全身の骨格筋の7割にまでなる。

だからそのトレーニングも当然、しんどいものになる。
「今日は脚トレかぁ」
と、ちょっとブルーな気持ちになるのは、
そういうわけだ。

しかし、終わったとき一番、
達成感と充実感に包まれるのもまた脚トレだ。
脚トレが始まる前にトレーニーはもっとも憂鬱になり、
脚トレが終わったときトレーニーはもっとも爽快になる。

ノーペイン・ノーゲイン。

これは人生の真実だ。

人生で必要なことは全部、
筋トレが教えてくれると言っても過言ではない。

、、、

、、、、

過言である。

言い過ぎた。


▼▼▼ミラーマッスル▼▼▼

この「脚トレ」はキツいから、
楽しい筋トレだけしていたい、
という思想をもつトレーニーも存在し、
その結果彼らはチキンレッグになるわけだが、
筋トレガチ勢はこの人々を、
心の中で見下している。

ははーん、一番キツイ部分から逃げているな、と。

もちろんどこを鍛えるかはその人の自由だし、
それが筋トレの楽しい部分でもあるし、
だいいち、プロボディビルダーとか、
下着モデルでない限り、
お金をもらってやってるわけではないのだ。

どこをどれだけ鍛えようとその人の自由だ。

だからチキンレッグは堂々とチキンレッグしてれば良いし、
その権利は100%保障されているし、
他人がそれにとやかくいうのは完全におかしい。

ただ、
「何を格好良いと思うか」という価値基準の位相において、
チキンレッグは「精神的に格好良くない」と思うから、
見下す人がいるのである。
その気持ちを僕も理解できる。
脚トレのキツさを知っていればいるほど、
理解できるのではないだろうか。

「ミラーマッスル」という筋トレ用語がある。
これは「鏡に映る筋肉」というほどの意味で、
具体的には大胸筋、腹筋、肩の筋肉、上腕二頭筋を指す。
この中でも大胸筋と上腕二頭筋はとりわけミラーマッスルで、
ジムでベンチプレスとアームカールばかりやっている人が散見されるのは、
この「ミラーマッスル効果」による。

ベンチプレスは大胸筋を、
アームカールは上腕二頭筋を鍛える。
大胸筋は胸の筋肉、
上腕二頭筋はいわゆる「力こぶ」だ。
ベンチプレスとアームカールばかりやってる人というのは要するに、
「筋肉を見せびらかしたい人」なのだ。

筋トレガチ勢は、
「見せびらかしたい人」を、
心の中で見下している。
筋肉というのは「隠す」ぐらいが丁度良い。
見せるために筋トレをしているのではない。
「隠してるのにバレちゃう」が一番格好良いのだ。

僕の場合、
妻の荷物を持つために筋トレをしているし、
2人の娘を持ち上げて遊ぶために筋トレをしているし、
他者に奉仕するための脳の働きを下支えしてもらうために、
身体を鍛えている。
あと老後のためね。
「貯金より貯筋」が僕の信条だ。

見せるのは格好良くないと思ってるから、
夏に着るTシャツはXLとかXXLの、
筋肉をむしろ隠すタイプを選ぶ。
それが一番「格好良い」。
これはもう「美学」の領域で、
アナボリックステロイド使ってホームラン王になった、
大リーグのマーク・マグワイアみたいなバッティングを格好良いと思うか、
「理に適った身体の使い方」を追求し、
首位打者になるイチローのバッティングを格好良いと思うか、
という「嗜好」の問題だ。
最後は「美学」の問題になる。
美学はトートロジー(循環論法)だから、
ここから先は論争の行き止まりだ。

究極的なものはトートロジーになるのだ。

神は神であるゆえに神である。

チキンレッグはチキンレッグゆえにチキンレッグだ。

そして「チキンレッグの美学」とか、
「ミラーマッスルだけ鍛える派の美学」を、
僕はあまり格好良いと個人的には思わない、
というだけの話しだ。


▼▼▼身体を老けさせないために▼▼▼

あと、ミラーマッスルだけ鍛え、
脚から逃げ続けることには、
実益的な弊害も伴う。

力こぶを見せるとか、
ピチピチのTシャツ着て、
ハトみたいに胸張って歩くとか、
そういう「見せびらかし派」は、
実は「見た目」においても合理的でない。

なぜか。

人間が老けるのは、
顔のしわとか肌の張りとかいろいろあるのだけど、
実は「姿勢が老ける」のが結構大きい。
肌とかに比べ見逃されているのだけど。

「身体が老ける」のだ。

この「身体が老ける」を分解すると、
肩が落ち、背中が曲がり、
10メートル先から見たとき
「そこはかとなくしょぼくれた身体」になる。
いくらドモホルンリンクルを使っても、
「身体が老けている」ことはごまかせない。

この肩が落ち、背中が曲がり、、、
をさらに分解する。
解剖学から考えるとそれは、
具体的には背中の筋肉と肩まわりの筋肉、
それからハムストリングが衰えることが原因だ。

要するに身体の印象を若くするのは、
全部、身体の裏側にある筋肉、
つまり、なんと、
「ミラーじゃないほうのマッスル」なのだ。

大胸筋や上腕二頭筋のトレーニングは楽しい。
それは認める。
鏡を見てパンプを確認するのも簡単だし、
発達が見て取れる。

しかし、背中、上腕三頭筋(二の腕)、ハムストリング、
それから肩の筋肉を鍛えることは、
実はそれらの筋肉以上に重要なのだ。

そしてその姿勢こそが、
「脚トレの日」に試される。
「胸トレ」は僕たちの大胸筋を映し出すが、
「脚トレ」は僕たちの生き様を映し出すのだ。

なんか、今、すごく名言を言った気がする。

墓標に掘ろうかな。

入れ墨しようかな。

、、、昨日、僕は脚トレの日だった。
ホームジムを組んでから初めて、
スクワットを100キロで10回3セットやった。

年齢も考えてあまり重い重量は扱わず、
回数とかフォームで筋肉に効かせることを旨としているが、
ある程度の重量を扱うことも大切だ。
100キロ10回3セットやり終えたときの爽快感は格別だった。
「生きてて良かった」と思った。

うん、これだ。

と思った。

だから日記に書いた。
我々は脚トレにいつも問われている。
「君たちはどう生きるか」と。

考える力は脚からやってくる。

パスカルは言った。
「人間は考える葦である」と。

脳筋野郎(脳みそ筋肉野郎)はこう言う。
「人間は考える脚である」と。

人生の99%の問題はスクワットが解決する。

過言だ。



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参考文献および資料
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『筋トレが最強のソリューションである』 テストステロン
『人生の99.9%の問題は筋トレで解決できる!』 テストステロン
『部位別トレーニング法 肩と腕、脚編』 山本義徳
『スターティング・ストレングス』 マーク・リペット
『パンセ』パスカル

NGOの活動と私塾「陣内義塾」の二足のわらじで生計を立てています。サポートは創作や情報発信の力になります。少額でも感謝です。よろしければサポートくださいましたら感謝です。