4月と10月は番組の「改編期」
10年前から地元のローカル放送局『とちぎテレビ』で番組を担当させてもらってたが、この3月をもって終了となってしまった。
放送作家の入れ替え(リストラ)というわけではなく、番組の枠自体が消滅してしまった…との説明を電話で受けたが、まぁどのみち無くなってしまった事実には変わりはない。
この番組、2011年の4月にスタート…するはずだったのだが、ご存知の通り、この1ヵ月前に【東日本大震災】が発生。
福島県と隣接する栃木県も県内各所で様々な大打撃があったため、ぶっちゃけテレビ番組などを制作しているどころではない…というような状態から波乱のスタートを切ったのだ。
あれから10年…2020年度は新型コロナウイルスの影響で番組本数も大幅に削減され、収録が再開しても思うようにはいかないことも多かった中で、番組自体が終了へ…。
天災から始まり疫病で終了…最後まで「自然の猛威」に振り回された印象もある。
やっていた番組は県の施策を紹介する内容で、10年以上地元を離れていた自分からすれば栃木県を再発見する貴重な情報源となった。
子供の頃に遊びに行った真岡の1万人プールや、青春18きっぷ旅で訪れたことのある日光など…懐かしい場所への取材や、18年住んでても知らない新たな発見もあったりと最新の栃木の情報を手に入れられ、関われて良かったと思っている。
冬の朝…5時半とかに起床し、宇都宮線に乗って会議しにいくのが大変だったのも、今となってはいい思い出だ(笑)。
何より地元に恩返しできてる感じがするのは良かったと思う。
4月と10月というのは、放送作家にとって正念場の時期。
テレビを見ていれば分かる通り、この時期に合わせて新しい番組が大体的にスタートする一方、ひっそりと終了していく番組がある。
この【番組枠の椅子取りゲーム】は半年〜数ヶ月前からスタートしており、放送作家はプロデューサーやディレクターたちと企画会議を行い企画書を量産。
通る確率は限りなく低いが「宝くじは買わないと当たらない」ので、とにかく応募しないことには新番組には入り込むことは難しいため、ノーギャラ会議でアイデアを出しまくるし、まとめまくる。
その中で選ばれたアイデアが番組になるわけで…。
たった数ページの企画書で、年収が何十万…何百万増加するのが放送作家のお仕事だが、逆に通らなければ1円にもならないし、骨折り損のくたびれ儲けとなる。
今回は残念ながら終了するだけで、新規開拓は出来なかったので収入はマイナスに…。
半年後の改編期に向けて、今一度頑張るとするか…。
放送作家を続けている限り延々と繰り返される椅子取りゲームで残るために。
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