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”キモい男”からの大逆転劇 【芸人進化論】

 「反ルッキズム」の風潮についての記事を書いた時に思ったネタ。


 最新版の【抱かれたくない男】のランキングだが。

1位 クロちゃん(安田大サーカス)
2位 渡部建(アンジャッシュ)
3位 出川哲朗
4位 ナダル(コロコロチキチキペッパーズ)
5位 江頭2:50
6位 田中卓志(アンガールズ)
7位 宮根誠司
8位 日村勇紀(バナナマン)
9位 狩野英孝

『週刊女性Prime』より

 となっているみたいで、その時代の好感度低いタレントが上位に入っているのは間違いないようで。

 ただ、常連組というか伝統芸というか…

<出川哲朗>

<江頭2:50>


 のランクが落ちているのが気になった。

 この2人は、ひと昔前まで「抱かれたくない男」のトップを奪い合っていて、生理的に受け付けない…という意見が散見されたものだが、時代は「別のキモさ」を見つけたみたいで…。
 逆に、そんな中でも(アンケートの回答女性が)脳裏に「この2人」の名前が浮かぶのはスゴいと思った(笑)。

 にしても、そんな「抱かれたくない男」の常連組が、この数年で恐ろしく印象が反転したよね…。
 出川さんなんて、もはやCMスターじゃん!

 さらに、江頭さんをCMに起用する企業が現れるとは思わなんだ。

 芸人人生の中盤〜終盤にして、実に見事な逆転劇である。


 出川さんに関しては、その転機となったのが…。
 個人的には『アメトーーク!』の「マセキ三兄弟」の企画だと思う。
 もちろん、『イッテQ』での貢献もあると思うが、印象を変えたのは間違いなく前者の方だ。

 それまでは努力と根性でドッキリやリアクションを頑張る芸人だった。
 鼻水を垂らしたり、中年太りの体を晒している姿が「キモい!」とされてきたのが、「マセキ三兄弟」の企画を経て「チャーミング」「ポンコツ」という要素が加味されることに。

 すると、世間に不思議な化学反応が起きた。
 リアクション芸に対し「かわいい!」という反応が生まれるようになったのだ。
 『イッテQ』で女性タレントと絡んでも、オジサンが若い女性に絡む映像が嫌…という受けをする視聴者が少なくなったように感じた。
 『充電させてもらえませんか?』なんて、出川さんが滑舌が悪くて噛み噛みのセリフをまんま”ウリ”にしてしまってるし。
 普通の番組のMCだったらありえないことだ。
 令和の時代に出川哲朗の冠番組が爆誕するなんて、1990〜2000年代ぐらいまでだったら考えられなかったもんなぁ。


 もう一方の江頭さんも…黒いタイツに上半身裸、薄くなる髪の毛を振り乱し女性に絡む姿は長年「キモい!」とされてきた。
 地上波に出演(キャスティング)していたの…最後は『「ぷっ」すま』と『めちゃイケ』、あと『アメトーーク!』ぐらいだったよね?

 ただ、江頭さんは海外で警察に捕まったなどの伝説を持つ反面、2011年の「東日本大震災」の時にボランティア活動したことも「いい人伝説」として語り継がれ、この頃から「芸とは裏腹に、実はいい人」というキャラが定着していった。

 そんな江頭さんを…テレビでは見られないけどネットでは見られるってことで人気爆発したのがYouTubeのチャンネルで。

  まぁ、以降の活躍はご存知のことだと思われる。



 この2人の人気が爆発した本当の理由は分からない。
 様々な要因が重なったのと、一番なのは「時代」というのがある。
 年を経ることでしか身につかない…。
 芸人には郭海皇かくかいおう消力シャオリーみたいなパワーが突然として備わるケースがあるってことだ。
 若い頃は「絡みたくないイタい奴」だったのが、中年になり「しょうがないなぁ」という見方になるみたいな。

 極論、ダウンタウンの浜田さんも”その”路線だよね。
 唯一無二のツッコミとして後輩芸人から悪魔のように恐れられてきたが、加齢などによるポンコツ具合を晒すことで、「うわ〜歳とったな」ではなく「チャーミングになってるわ」という印象チェンジを果たしたわけで。


 ちなみに言えば、【星野源】さんも昔は「キモい」…というか「非モテ」に部類されていたことを忘れてはいけない。
 そこからの努力を経て、今や女優の【新垣結衣】さんと結婚だもんな〜。
 多分「中学校時代の自分に、”お前、将来は女優と結婚するんだぜ”と教えてあげたい!」と思っているはずだ(笑)。


 こうした様を見ていると、歳を取るってのも……一応夢はあるね(爆)。
 まだまだ人生、逆転のチャンスはあるっていう。




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