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二学期中間までに紹介した本のまとめ

自分用のまとめです。
パッと見せれるように。

紹介した本

久保(川合)南海子「『推し』の科学 プレジェクション・サイエンスとは何か」 

「商品リビューを書こう」の単元で紹介。単純に読んでいて面白く、他の人にも勧めたい本としてレビューの手本に使った。

ちなみに本当に面白い本。「推し」という観点から、外からの刺激ではなく、内から認知にどう影響されるか(投影プロジェクションされるか)という話。アイドルから腐女子のBL談義まで、身近な話から考察をしていく。心理学とか認知科学ってどんな学問かという話をする時にものすごい有益だと思う。

実際にそのあと図書館で借りて読んでた生徒がいたので、割と嬉しい。

清瀬義三郎則府『日本語文法体系新論:派生文法の原理と動詞体系の歴史』

「商品レビューを書こう」の単元で紹介。レビューを書く際は、誰に向けてお勧めをしたいのか意識をするべきと言う話で、高校生に勧める失敗例として紹介。

満洲語や韓国語、モンゴル語などを知っていると、ものすごく説得性も高く、学校文法との違いの大きさから受ける知的な衝撃も大きいのだけど、高校生に勧めるのは正気の沙汰ではない。

ちなみに読むと絶対混乱するから、学校で習う文法を説明できるようになってから読むといいよと伝えた。

『新明解国語辞典』

言わずと知れた国語辞典。

「商品レビューを書こう」の単元で紹介。と言うか時間が余ったから雑談(恋バナ)をしながら紹介しただけ。「恋」の語釈を読んで、「これどう思う?こんな恋愛してる?」と。さらにこの辞書、語釈がすごい尖っているとして尖った語釈のついた単語を幾つか紹介した。

ほんで、どの辞書買うか迷ってたからと、買った子がいる。うーん。尖った語釈でいいのだろうか。まぁ実用には間違いなく耐えうると思うけど…。

有本真紀『卒業式の歴史学』

「根拠を意識して評論を読もう」(内山節「時間と自由の関係について」)の単元で紹介。

明治時代の学校ってどんな感じだろうね?という話から、そういえば学校の歴史ついてはこんな本があるよ、と紹介。

卒業式も(当然といえば当然だが)近代の産物で、当たり前だと思っていても前近代には存在していないし、現在の形になるまで紆余曲折あるという話を説明。

まあ単元に合わせて「近代化」という概念を説明するために紹介したという感じ。

アラン『幸福論』

単純に最近読んだ本として、授業終了間際にどうでもいい雑談の中で紹介。

幸福について考えたいけど、初っ端から全然、幸福な話が出て来ず、むしろ不幸とそれをどう対処するかという話が続く。それをチラッと紹介した。いや、まだ読んでいる途中だけど、本当に不思議な本。

ちなみに、『総合的な探究の時間』で「幸せ」を考えるということをテーマにしているので、まあちょうどいいと言えばちょうどいいのかも。

橋本毅彦、栗山茂久『遅刻の誕生: 近代日本における時間意識の形成』

「根拠を意識して評論を読もう」(内山節「時間と自由の関係について」)の単元で紹介。

「時計のない学校」というキーワードを考えさせる中で、「デートの遅刻はどのくらい許せるか」という話題から、なんでみんな「○分」「○時間」と答えて、「○秒」とか「○日」は無いんだろうね。という問いを立てて、「多分、時計で合わせることができる時間なのだろう。」と考察。そこで「ということは時計が普及する前は、『遅刻』ってどうだったんだろうね?」と問うと生徒から「遅刻は無かったんじゃない?」と回答があったので紹介。

「遅刻がなかったのだから、こんなタイトルの本もあります。」と。所謂論文集なので、高校生にはちと難しいかもしれないけれど、一つ一つ論考は面白いので読んでくれても全然良い。

森村進『幸福とは何か』

『総合的な探究の時間』の授業作りに利用。
と言っても、「幸せ」を分析するアイデアを貰っただけで読ませたりしたわけではない。

ただ第五章が「幸福と時間」と題して、「時間」と「幸せ」を絡めた議論をしており、『現代の国語』で扱っている「時間と自由の関係について」とも関連しそう。そういうわけでGoogle classroomを使って紹介。

まとめ?

なんというか、『現代の国語』で紹介するものが多いな…。『言語文化』でも本を紹介できそうな場面はありそうなのに…なぜでしょう?

時間がないからだろうなぁ。『言語文化』詰め込みすぎなんだよなぁ。

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