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不調のはじまりは緊急手術

まるでそれまでの病院知らずを取り返すかのように、きなかんともに去年から病院通いが続いている。

そのはじまりがかんろの緊急手術だった。2022年12月に入った頃、吐いたり食欲がなくなったり歩くのを嫌がったりと調子が悪くなった。ただ翌日はいつも通りに戻ったので一時的なものかと様子を見ていたら、その翌日は再び不調に。良くなったり治ったりを2日程繰り返したんだけど、今度は尿もオレンジ色っぽく見えた気がしたので朝イチで病院へ。

検査の結果、「肝臓の数値が悪く胆嚢が原因で内臓に炎症が発生していると思われるがここでは精密検査までできない」「ERでCT等の検査を受けることを強くお勧めします」と院長に告げられた。「即手術になる可能性もあると思います」とも。

予想を振り切る病状の悪さに理解が追いつかず言葉を失う。が、時間を争うとのことなので予約の取れたERへ夕方向かった。

ERでの検査結果はやはり肝臓の数値が悪く、エコーで見ると胆嚢がパンパンで胆管が通常1-2mmのところ4mmあることから「肝外胆管閉塞」「胆嚢粘液嚢腫」であろうとのこと。

幸い心臓・肺・腎臓等は悪くないので、体力のあるうちに胆嚢切除を勧められた。内科的治療の段階ではないらしいので、外科的治療一択。すがる思いで手術をお願いした。

空き次第とのことだったけど、その夜空きがでたとのことで有り難いことに即手術となった。そして手術は無事に成功。胆管が壊死等で使えない場合は術式を変更する必要があってちょっと難しくなるとのことだったけど、一番一般的な方法で済んだそうだ。

手術成功に心底ほっとしたけれど、今度は病院でひとりぼっちのかんろが心配でならなかった。

かんろは甘ったれで臆病で怖がりのヘタレちゃんで病院が苦手。なにより、わたしたちと一度も離れたことがない。そう、うちに迎えてから一度もどこかに誰かに預けたことがないのだ。夫とわたし、そしてきなこ姉とずっと一緒に過ごしている。そのかんろが初めてのひとりきり、しかも病院で。どんな思いで過ごしているのか、想像すると涙が止まらなかった。

犬をはじめ動物に人間的な思いを過剰に寄せるのはやめようと思っているんだけど、いざこうなるとだめね。思いも涙も止まらない。

退院は6日後の雨の降る寒い夕方だった。コロナ禍もあって、入院の間の面会はNG。久々の再会はどんなだろう、怒ってるかな、いじけてるかな、嬉しすぎてきゅん鳴きかな、と感動の再会に思いを巡らせずにいられなかったんだけど、現実は思いのほか無反応。大型犬用だよね?的なサイズのでっかいエリカラをつけて、ぐったり抱きかかえられた状態で車に帰ってきた。

おかえりかんちゃん

わけもわからず離ればなれになり、おそらく痛かっただろうし、寂しいしかっただろうし、一瞬も安心なんてできてなかったんだと思う。とにかく疲れている様子だったから暖かくしていつものベッドに寝かせたら、安心したのかその夜ぐっすりと眠ってくれた。

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