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長い夜を歩くということ 48

 遊歩路に上がると、激しい日光が待ち侘びていた言わんばかりに私の肌を焼いた。

手の甲には汗が滲み出し、首からは玉になって流れた。

私は手ぶらで来たことを後悔した。

しかし、右後ろのポケットが膨らんでいることに気づいて手を伸ばした。

それがタオルであることを確かめて安堵し、汗を拭き取ってから首に巻いた。

次の予定までにはまだ早く、かといって小腹が空いたわけでもない。

ここにいてもただ熱いだけでしかなく、仕方なく何かありそうな橋の向こうまで歩くことにした。

先ほどまで見上げていた花々を今度は橋の上から見下ろすと、温い風が吹いた。

花々が揺れている。

それはまるで見送りの挨拶でもするようで、終わり、という形をあえて与えられた気がして、私は嬉しく思いながらも、胸の中をくすぐられる虚しさがあった。

私はゆっくりと視線を歩く先へ変えた。

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