いわき、熱闘制し3連勝

有田が2ゴール、鳥取下して首位堅守

 サッカーの明治安田生命J3リーグは9日、第28節の残り6試合が行われ、首位のいわきFCがガイナーレ鳥取を3対1で破り、連勝を3に伸ばした。いわきの勝ち点は63。2位の鹿児島ユナイテッドFCとの差を再び4ポイントに広げた。松本山雅FCとの上位対決を制した藤枝MYFCが、いわきと5ポイント差で3位につける。いわきは次節、10月16日に12位のアスルクラロ沼津と、アウェイの愛鷹広域公園多目的競技場で対戦する。

 前節から先発メンバーを2人入れ替えて臨んだいわき。前半はリーグ戦初先発となった杉山らが果敢にゴールを狙うも、得点を奪えず。しかし、後半開始直後の47分、有田がこぼれ球を豪快に叩き込んで先制点を奪った。いわきは谷村が53分にもゴール前での競り合いを制し、追加点。ただ、鳥取も効果的なサイドチェンジを繰り返し、諦めない姿勢を見せる。67分には石川がコーナーキックをヘディングで合わせ、1点を返した。

 熱闘に終止符を打ったのは、またも有田。この日先発に復帰した日高が82分、左サイドからクロスを上げると、相手DFがクリアしきれなかったボールが有田の足元へ。バックステップして左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートに相手GKが反応しきれず、ボールはゴールネットに収まった。有田は試合直後のインタビューで「90分倒れないサッカーをしているなかで得点を取れている」とコメント。終盤でも体幹の崩れない強さを体現した、ダメ押し点だった。試合を観戦したいわきのサポーター(6歳)も「有田選手の2ゴールを見られてよかった」と喜んだ。

立ちはだかる鬼神

 家泉が試合の随所でディフェンス能力の高さを見せつけた。ハイボールを跳ね返すヘディングだけではなく、相手FWがポストプレーに入ったときは、トラップでボールが離れたところを狙ってつつき出し、ラストパスには必ず足を出して決定機の芽を摘んだ。極めつけは76分。鳥取のFW澤上に対する縦パスを的確な読みでカットすると、DF文とのルーズボールの競り合いにも完勝。すぐさま右サイドを走る嵯峨へロングスルーパスを通して、コーナーキックへ繋げた。1点差に迫られ、鳥取の攻撃が勢いづいていた時間帯。「やはりいわきのフィジカルは強い」という印象を相手にも観客にもあらためて印象付け、自分たちに流れを持ってくる渾身のプレーだった。

 チームは今節も含め、4試合続けて失点中。それでも、総失点数は19とリーグ最少を維持している。1試合平均の失点数は0.68点にも満たない。星、遠藤とセンターバックを組むパートナーが変わっても安定した守備を見せられているのは、空中戦でも地上戦でもDFとしての確かな技術があるうえに、声によるコーチングがしっかりしているからこそ。天井知らずの大卒ルーキーが、残り6試合も、鬼神のごとく相手攻撃陣に立ちはだかる。

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