Oyraa(オイラ)に投資をした理由
こんにちは、ジェネシア・ベンチャーズの祝です。
この度、言語のバリアーを無くし多国間のコミュニケーションを円滑にするサービス、「Oyraa(オイラ)」に出資させて頂きました。
本稿では、この素晴らしいサービスがもっと世の中に広がって行くことを願って、Oyraaの魅力を投資家の視点でお伝え出来ればと思います。
noteを読んで、少しでも興味を持って頂けたら、是非ダウンロードして触ってみてください!
「Oyraa(オイラ)」はどういうサービスなのか
■ プロダクト
従来の通訳サービスは、最低でも半日の利用が必要で費用も6万円以上掛かってきます。また、事前予約が必要で即時に使えないので、一部ビジネスシーンでしか使われてませんでした。
Oyraaは通訳者を即時に呼び出し電話で通訳して貰う事が可能です。しかも1分単位で課金されるので、「通訳サービスの民主化」を実現しました。
■ ユースケース
通訳サービスを1分単位で即時利用できることによって、市場に眠っていたunmet needsが顕在化し始めています。ユースケースは多岐に渡り、サービスが浸透していく中でユーザーが主導的に色んなユースケースを拡張して行ってるのが現状ですが、主に使われているシーンを幾つか紹介します。
【個人向けの利用シーン】
日本在住の外国人:
行政関連の手続き、各種ユーティリティの契約、病院でのコミュニケーシ ョン、犯罪等、外国人が日本で生活する上で、突発的なトラブルに遭う場面での利用
日本・海外在住の日本人:
駐在員の家族は、現地の言語を上手く話せないケースが多く、駐在先の行政手続きや病院の様な精度の高いコミュニケーションを必要とする場での利用
日本在中の日本人も多く利用しており、特に越境EC関係のトラブルや海外銀行・証券口座の手続きに関する問い合わせでの利用
【法人向けの利用シーン】
サービスローンチ当初は、個人での利用が多かったですが、昨年から法人向けサービスを開始しました。
最近は開発機能をインドやベトナム等オフショアで持つ企業も増えており、本社と海外メンバーとのコミュニケーションツールとして利用
特定技能実習生との日常的なコミュニケーションや医療機関の利用も含めた生活面での言語サポートツールとして、登録支援機関が利用 ※登録支援機関は外国人のウェルビーイングをモニタリングする目的で、2~3ヵ月に1回1時間の面談を実施することが義務付けられている
ライフラインサービスでは外国人から問い合わせが近年爆増しており、コールセンターの多言語対応目的で利用
なぜOyraaに投資したのか
■ 拡大する市場の強いニーズ
生産年齢人口の減少を背景に人材不足が深刻化するなか、移民の受け入れは、日本経済のみならず社会の持続性確保の観点からも、喫緊の課題となっています。
外国人材の受け入れ拡大に向け、日本政府も近年にようやく政策転換*に踏み切りましたが、 統計から実態をみると、日本においても「移民社会化」はすでに進行しています。
国際的に比較した場合、日本の外国人人口は約 280 万人を超え、絶対数でいえば OECD 加盟国のなかでも上位に位置しています。 ただし、人口あたりの外国人人口をみると、日本は 2022 年時点で 2.2%と低いです。この比率は韓 国の 3.5%を下回り、OECD 加盟国のなかでは下位にとどまり、日本の居住場所としての総合的な魅力を加味すると、この比率は今後確実に伸びていくと思います。
国立社会保障・人口問題研究所が昨年4月に公表した「日本の将来推計人口」では、外国人は2022年以降毎年16万3791人増加していくと推計されており、その場合、2070年の外国人の人口は約1,082万人となる計算で、これは外国人の比率が現在の50人に1人強から10人に1人強にまで高まることを意味してます。
また、「価値総合研究所の調査」によると、政府が掲げるGDP達成目標を実現するには、現行シナリオでは2030年で63万人不足するとの見立てがあり、外国労働者の受入れに対するより一層強い政策の後押しが期待されます。
日本在住の外国人の内訳をみると、90%以上の外国人は非英語圏から来ており、英語でのコミュニケーションすら難しいのが大半です。
外国人人材を受け入れる企業や外国人顧客の対応において、自社でアジアのマイナー言語含め5-6ヵ国語の対応を内製化するのはほとんどの企業にとって現実的ではありません。
上記のマクロ環境を背景に、従量課金で即時に使えるOyraaのサービスは今法人から多数の引合いが来ており、法人向けの様々な多言語対応のニーズに対して、急ピッチでプロダクトを進化させています。
■ Day 1からグローバル企業
Oyraaは「あらゆる言語の壁を取り払い、誰もが好きな場所で生きられる多文化共生社会を実現する」ことをミッションに掲げ、サービスを展開していますが、「言語の壁」は日本だけでなくグローバルに共通して存在する課題です。
まだ海外で一切マーケティングを行ってないですが、ユーザーの4割は海外在住、通訳言語の6割は日本語以外の外国語⇔外国語で利用されています。
世界に目を向けると、移民人口は年々増加しており、国際移住機関(IOM)のデータによると2020年の世界の移民人口は約3億人に達し、今後も確実に増えていことが予測されています。
世界の移民人口が増える背景:
Oyraaはグローバルで通訳者ネットワークを確保しており、様々なタイム―ゾーンで多言語対応が出来る唯一無二のサービスです。今後は世界中の通訳者とユーザーの数を増やしていくことで、グローバルスケールでの強いネットワーク効果を構築することが可能なり、同領域で世界No.1プレイヤーになれるポテンシャルを持っています。
■ AI時代における人間の介在価値
通訳サービスというと、「AIに代替されるんじゃないか?」と考える人が多いんじゃないでしょうか。実際AI通訳の進化は確かに凄いですが、AIと人間の通訳では提供価値が異なります。
Oyraaの利用の大半が、重要性が高いトラブル解決で使われています。
例えば、海外のアマゾンアカウントがロックされてしまった個人事業者さんからOyraaに依頼が来た事例だと、まず最初に通訳者とお客さんでブリーフィングの時間が設けられます。そこで、今までメールでどういうやり取りがあったのか、それでも解決しないポイントがどこなのか等の情報を共有してから一緒に3者間通話で問題解決に挑みます。
こういったシーンではお客さんはピュアな通訳ではなく、一緒に寄り添って問題を解決してくれる人を求めいるため、人間の介在価値が残り続けると考えています。間違えられない重要な場面でのコミュニケーションをAIに委ねるには、高い「心理的ハードル」が存在するからです。
特に長時間のコミュニケーション、会話のラリーが必要な場面ではAIは使いずらいです。これは、一つの単語の食い違いにより、話が進まない時にどこが食い違ってるか誰も分からないという状態に陥るからです。人間であれば、話の文脈がおかしいことを察知できるので、臨機応変に軌道修正をしたり、話し手に意図を再確認することが出来ます。
AIのもう一つも問題は、メジャー言語(英語、中国語、スペイン語)以外の言語だと質が一気に下がるという点です。これには、圧倒的なデータ不足の問題があり、メジャー言語以外の自然言語による対訳データの取得には大手各社データの獲得に課題を抱えています。
Oyraaはアジア、中東、アフリカ地域の通訳者を含む広範なネットワークを有しており、特に希少なマイナー言語の音声対訳データを蓄積しています。このデータは、AI時代において極めて価値の高いアセットとして活用することが可能です。足許の通訳者プラットフォームは中長期的にデータとして会社の無形資産として強化され、「通訳のAI化」に向けた基盤を自社でもしっかり構築していきます。
■ 突き抜けたファウンダーの魅力
CEOのコチュさんはトルコ出身で約17年前に日本に来ました。
BCG時代激務の中、通訳のお願いを外国人の知合いから個人で沢山受けており、それが対応できないレベルまで増えたことがきっかけで、世の中に個人が利用できるサービスが無いことの気づき、起業を決意しました。
コチュさんとは投資前に複数回コミュニケーションを取っていましたが、投資検討の短い期間でも物凄いスピードで事業が進捗しており、全力突き進むエネルギッシュさに圧倒されました。緻密に思考を巡らせながらも果敢にリスクを取りに行けるコチュさんを見て、私自身キャピタリストとしてコチュさんの真っすぐに突き進む姿勢を見習いながらご一緒したいと思い、投資を決断しました。
コチュさんの起業に関する記事:
最後に
ここまで色んな理由を書きましたが、私自身日本で生活する外国人として、日本にはポテンシャルしか感じません。「失われた〇年」と言われ続けてきましたが、近年改めて世界のスポットライトが日本にあたり始めています。
日本は「人口減少」が起こること自体があり得ないくらい、魅力と可能性に満ち溢れているので、世界に門を開き多文化多国籍を受け入れる土壌をしっかり作って欲しいと心から願い、Oyraaのサービスを世の中に広めて行きたいと思いました!
外国人材の受入れや、外国人向けにサービスを展開している事業者の方、Oyraaに興味を持って頂き、今後も一緒に仲間になってくれる投資家の方、
Oyraaと一緒に働きたい方、等々、noteを読んでもう少し話を聞いて見たいと思った方は、Xからお気軽にご連絡下さい。
X:https://x.com/Shuku_Genesia
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