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一歩を踏み出す

先日あった、とあるイベントの話。

本題に入る前に少し、僕と僕を取り巻く環境の話をします。

僕は地方公立大で起業部の代表をしています。よく「立ち上げから関わったんですか?」とか聞かれますが、僕は創設者世代とは交流がなく、ほとんど話したことはありません。
昨年の11月に代表に就任して、今がちょうど7月なので代表歴9か月目ってとこです。起業部には30名程が所属しておりますが、ここのバランスがだいぶ狂ってまして、1年生が半数を占めます。今年で部としては、4期目ですが、ここまで新入部員が多い年はなかったです。かなり衝撃でした。

30名程の組織の長をさせてもらってるわけですが、正直僕にそんな能力はありません。ここで背伸びしても意味ないので。素直にそう思ってます。謙遜とかでもないです。
うちに起業部は学生団体では珍しく、(僕が知らないだけかもしれませんが)代表や幹部と呼ばれるポジションは自ら立候補して、選挙で選ばれます。
察しの言い方はお気づきかもしれませんが、僕が代表になった時。つまり昨年は僕しか立候補者がいなかったわけです。無投票当選ってやつです。
だから、少なくとも能力で選ばれたわけではないですし、推薦でもありません。
結果的に経験も能力もないまま、代表の座に就くことになりました。
いやー、やることなすこと上手くいかない。というか、自分自身に軸がない。組織としての方向性が見えない。なので動けない。動き続ければ、なにか変わることがあるのは知っていたし、それを個人では実践できていたのに。組織になると、「責任とれない。」とか、「怖い。」とかしょうもない言い訳でリスクをとれない。終わってます。
本当に今振り返っても、組織としても個人としても、なにもした記憶がありません。就任から半年、「代表の器じゃない」そう言われたこともあります。仰る通りです。なにも言い返せない。
だからって、降りるわけにはいかないし、このままでいいはずもない。
とにかく動こうと思いました。チャレンジしてみようと。

新年度が始まる4月。
4月の学生団体のメイントピックといえば新入生勧誘です。昨年の反省を活かしながら、SNS周りの広報に、大学内でのイベント実施。説明会の時間やコンテンツも改善しました。
結果、過去最多の16人入部。早めに入部を決めた子たちの声掛けもあり、数はどんどん増えていきました。
正直、4月の部としての新入生勧誘のための施策が全て上手くいったわけではないですし、シンプルに今年は「起業」というワードに惹かれる子が多かった。それだけの可能性は大いにあります。しかし、動いたから結果が出た。これ自体は、まぎれもない事実です。

1年生が過半数を占めることになり、結果的に部としての意識は変わりました。幹部メンバーも半年間の反省は大いにあったようで、1年生に明確な価値提供をしたいという思いは一緒でした。
5月に1年生が正式に入部してから、今日までの2か月。少なくとも部としては止まらずに走っていけたのは事実だと思います。サークル内勉強会や交流会。この辺は僕よりも幹部、上級生のみんなが先導し、動いてくれました。本当に感謝です。
僕は現在、休学中で大学に通っていないため、現場の指揮はほとんど任せっきりです。それでも動いて行けてるのは優秀なメンバーのおかげだと、ひしひしと感じています。
そして、逆説的に自分はこんなにも才能と熱意に溢れる子達を埋もれさせていたのだとも気づきました。

代表として、自分自身ができることはなんなのか。ここは、4月以降本当に向き合い続けた問題です。
出した答えは「背中を押してやること」でした。
僕は突出した経験もなければ、能力もない人間です。でも、曲がりなりにも組織の代表を務め、法人の理事もやりながら、社会人の方と同じ立場で働かせてもらったりもしています。
なぜこんなことができているのか。「一歩踏み出した」から。これだけです。
僕のフィールドが地方だから。というのはもちろんあります。プレイヤーが全然いないので。でも、なにごとも一歩踏み出せば、他の人よりも前にでれます。当たり前といえば当たり前で、でも、みんながやっているわけではないことです。
いわゆる「みんながやれるけど、みんなはやらないこと」です。
ここに差が生まれます。かなり圧倒的な差です。
一歩踏み出すことは、勇気が必要です。でも、それだけです。
スキルもいらないし、お金もいらない、年齢も関係なければ立場も関係ない。平等な一歩。
この手助けをしてあげるのが自分の役割だと思ったんです。
少なくとも、この組織の中で僕は「一歩踏み出す」ことの重要性を一番理解し、体現している自信はあります。
なので、部員全員に、僕のこの考えや思考を伝えようと思いました。事あるごとに自分なりの学びや思いを共有する。そして「一歩」のハードルを下げる。ここに軸を置いてまずは2か月動いてきました。

そして、最初に話したイベントの話。
うちの起業部からは20名弱参加し、1年生もほぼ参加してくれました。今回のイベントは3日間で即席のチームを組み、ビジネスプランを構築するイベント。この地域のイベントとしては、かなり大がかりで関係者を合わせると100人近く集まります。
1年生にとっては入部後、初の外部イベント。イベント開始直後、なかなか他の大学の学生や社会人とは話さず、部員同士でしか話さない。
イベントは進み、自分のアイデアでチームメンバーを集めるという内容に。
すると、急にガンガン手を挙げる1年生。
「今まであんなに大人しかったのに?????」という心の声は出しませんでしたが、衝撃でした。
ここで出したアイデアは選定されいくつかに絞られます。結果からいうと、ほとんどの1年生のアイデアは生き残れず、他のチームに参加することになりました。

でも!だからこそ!本当に彼ら、彼女らは素晴らしい人材であると思います。
素晴らしいアイデアがあるから前にでる。これは、よくあることです。(もちろん、これもすごい)
でも、彼らはとりあえず前に出たんです。
他の子が「アイデアないから。。。」と言う中、
とりあえず手を挙げて、「なんもない!どうしよう!」と焦る部員達。
ほんとに誇らしかった。ここに全てが詰まっているなと。
僕の想像なんて簡単に超えるんだろうなとか、ワクワクする妄想を思わずしてしまいました。
あの場には、うちの部員よりも知識も経験もある学生や社会人が大量にいました。それでも、あの場で「一歩踏み出せた」部員達程、学びの多かった参加者はいないでしょう。

代表としての2カ月の頑張りのおかげなのか、それとも部員たちの持つ圧倒的な「一歩を踏み出す力」なのか。
答えは分かりませんが、僕が個人的に見たかった景色は見れました。
「一歩」踏み出した彼ら、彼女らの話は定期的に書こうと思うのでお楽しみに。
以上、思い出の共有でした。

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