僕と東急ハンズの思い出
18歳の春。大学入学にあわせて上京し、京王線沿線で一人暮らしをすることになりました。
今でこそ都内は不自由なく動けますが、田舎で育った身としてはとにかく人生初の都会生活に圧倒される日々。
僕の住んでいた大分県には電車に各停しかないので、「京王線の快速とか急行ってなんだ…?」とか、「京王線と京王新線は別…?」などわからないことだらけでした。
その中でも特にわからなかったのが、経由駅だった新宿駅の複雑さ!
たくさんの線が乗り入れているだけでなく、改札出口が複数あるというのも大分県民的には理解し難く、ちょっとでも道を間違えたら家に帰れなくなるんじゃないかという恐怖。
ちょっと信じがたいかもですが、駅の中に貼ってある「京王線はこちら」の案内がある場所以外には行けませんでした、これは本当に笑
とはいえ新宿でアルバイトを始めることにもなったので、さすがにそろそろ新宿への恐怖をもっと和らげなければいけません。さて、どうやって新宿に慣れよう…?
そんな時に始めてみたのが、京王線を降りてJR新宿南口まで行き、そこから駅の外にでて高島屋タイムズスクエアにある東急ハンズに自力で行ってみること、でした。僕の中での通称「東急ハンズ参勤交代」。
・新宿西口よりも南口の方が整備されていて、道中おしゃれなお店も多いので東京を歩いている感を味わえる。
・タイムズスクエアの近くにドコモの電波塔が近くにあり、迷っても道しるべにしやすい。
・当時まだ大分には東急ハンズがなく、遊びに行くのがいつも楽しかった。
いま考えると、どんだけ怖がってたんだろうという感想ですが、当時まだガラケーで地図アプリもイケてない時代だったので、拠点を作って行ける範囲を徐々に拡大していくアプローチも、まあわからなくはないかなと…笑
時間のある生活を送っていたので、週2〜3くらいで東急ハンズに行っていました。特にバイト前は新宿→東急ハンズ→バイトで行動パターンが固定化。別に何か毎回毎回買い物があるわけではないのですが、電子レンジでパスタが茹でられる便利グッズとか、趣味で始めようとしていた手品のグッズとかを買っていました。父親がたまに上京してきたときも、東急ハンズをウロウロしてから13階のレストランフロアで一緒にご飯食べるのがお決まりでしたね。
新宿でアルバイトを始めてから、バイト終わりに新宿で飲みに連れて行ってもらう機会が増えて、徐々に新宿にも慣れていきました。そのあたりから、この東急ハンズ参勤交代の機会も減って、新宿での活動エリアが拡がっていったように思います。
当時のバイトの店長には、いつも僕が東急ハンズの袋をぶら下げているので「買い物しすぎやろ」と言われましたが、東急ハンズの袋が増えれば増えるほどそれだけ往復していた証拠でもあるので、ある種「戦利品」みたいなものですね。無事行って帰ってきたぞ!的な。
それから約10年が経ち、すっかり東京の暮らしにも慣れました。結婚し子どもが産まれて、最近は新宿に行く機会が減ってしまいましたが、映画「君の名は。」で新宿南口が映ったり、用事で近くを通りかかると「よくこの道を歩いて東急ハンズまで行ったなあ」と思い返しています。
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