見出し画像

読書感想「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

読んだ本

古賀史健著(2012)「20歳の自分に受けさせたい文章講義」星海社新書

序論

大ベストセラー「嫌われる勇気」のライター、古賀史健氏による文章講義の本である。この本を読む前、わたしはどのように文章を書くか、型を知りたかった。日々の学びをnoteに書くうえでも、ある程度の型を知っておくことで、文章を書きやすくなりたいと考えていた。
それでは、具体的にどのようなことに気を付ければ、文章を書きやすくなるのだろうか。

本論

本書は、ガイダンスに加えて、全4講で成り立っている。ここでは、自分が今朝読み終えた、ガイダンス、第1講、第2講の内容について、自分の学びをまとめたい。

ガイダンス

筆者によると、「話せるのに書けない!」という人は、「書こうとするから、書けないのだ」(本書p.29)だと言う。すなわち、話し言葉と書き言葉とは全く異なるものであり、頭の中で考えている”感じ”や”思い”を、伝わる言葉に「翻訳」するという意識が必要なのだそうだ。
しかし、「翻訳」とは、一体どのようにすればよいのか。筆者は以下の2つの具体策を提示している。

①聞いた話を「自分の言葉」で誰かに話すこと
まずは、聞いた話を誰かに話すことが挙げられている。

聞いた話を、誰かに話す。これは”翻訳”の第一歩だ。

本書 ガイダンス その気持ちを「翻訳」しよう p.42

翻訳することで、以下の”3つの再”が得られるという。

①再構築……言葉にするプロセスで話の内容を再構築する
②再発見……語り手の真意を「こういうことだったのか!」と再発見する
③再認識……自分がどこに反応し、なにを面白いと思ったのか再認識する

本書 ガイダンス その気持ちを「翻訳」しよう p.43

②言葉でないもの(地図や絵、写真など)を言葉にすること

他者にわかりやすく伝えるために、言葉でないものを言語化することが有効だという。例えば、道順を言葉で説明したり、机の上にあるグラスを描写したりすることが例示されていた。視覚情報を文字に変換することで、右脳と左脳を繋げる脳梁を鍛え、思いを言語化する訓練になるのだろうか。

書くことは、考えること
多くの人は考えているために書く、と考えるが、実際には順序が逆であり、書くことで頭が整理されてはじめて自分なりに考えることができるという。
私はこの話を読んで、早速、より理解を深めるために、本で読んだ内容をnoteに書くことにした。

第1講のまとめ

第1講では、文体とはリズムである、と述べられている。

「文体とは、『リズム』である」

本書 第1講 文章は「リズム」で決まる p.58

では、心地よいリズムはどうやって刻めるのだろうか。筆者による答えは、論理展開である。

「文章のリズムは、『論理展開』によって決まるのである」

本書 第1講 文章は「リズム」で決まる p.63

そして、論理展開を、リズムのカギを握るのは、接続詞であるという。接続詞によってきちんと文と文とが連結されていない文章は、支離滅裂になってしまうからだ。
さらに、論理構成によるベースが固まったうえで、音読による聴覚的リズムよりも、視覚的なリズムが重要だという。これは、人が本を目で読んでいるためである。筆者によれば、視覚的リズムとは大きく次の3つとされる。

①句読点の打ち方
②改行のタイミング
③漢字とひらがなのバランス

本書 第1講 文章は「リズム」で決まる p.83

特に、表意文字である漢字と、表音文字であるひらがなのバランスはじめ、日本語ならではの特徴に関して、なんとなく意識していたことが明示されていて面白いと感じた。

第2講のまとめ

第2講「構成は『眼』で考える」では、文章の論理構成の具体的な組み立て方が述べられており、実践的に参考になった。

映画におけるカメラワークの流れを例示しながら、以下の観点の流れが勧められている。普段の文章においてもこの構成を意識することが有効だろう。
論文やレポートの構成も序論・本論・結論が基本となっており、文章の標準的な構成と考えられるからだ。

①序論……客観のカメラ(遠景)
②本論……主観のカメラ(近景)
③結論……客観のカメラ(遠景)

本書 第2講 構成は「眼」で考える p.118

そして、文章全体の構成に加えて、個別の文章も、主張・理由・事実の3点セットが揃っていることが論理的な文章を書くうえで必要とされている。
3層構造になっている点で、筆者は入れ子型のロシア人形マトリョーシカになぞらえて説明している。

①大マトリョーシカ 主張……その文章を通じて訴えたい主張
②中マトリョーシカ 理由……主張を訴える理由
③小マトリョーシカ 事実……理由を補強する客観的事実

本書 第2講 構成は「眼」で考える p.131

結論

私がこの本の前半部分から学んだことの結論は、とにかく書くに尽きる、ということだ。考えてから書こうとしても、時間ばかりが過ぎ、本当の意味で考えられているとは言えない。書くことで頭が整理されるのであれば、頭だけでなく手をより使っていきたい。
そして、実践的なノウハウとしては、序論・本論・結論の構成や、接続詞・句読点・改行等によるリズムを意識して書いていくことを学んだ。
この文章をはじめ、今後もnoteで実践していこう。