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4歳0か月

noteを書くようになってからもうすぐ3か月になる。ここまで継続的に書くつもりは、当初はなかった。

noteで書くきっかけになったのは、賞金付きの記事コンテスト「チャーハン大賞」がnoteで開催されていたからである。応募作として書いた「冷凍食品を使ってつくる、エクストリーム系チャーハンのつくり方」は幸いなことに、想像を上回る多くの方に読んでいただいた。そしてそれをきっかけに本当にたくさんの方がこのブログの読者になってくださった。それなのに1記事で終わるのも皆様に申し訳ないと思い、こうして細々と継続している次第である。

…ここまでは以前も書いたことがあるけれど、この話には続きがある。実は、最初の記事がきっかけで、様々な方から望外の”投げ銭”つまり金銭サポートを頂いた、ということだ。その総額、じつに2800円。大金だと思った。有料noteならいざ知らず、俺のnoteの記事は無料なのだ。無料で読めるものに、読者の有志数人からお金をご恵投いただき2800円になった。大変にありがたいことだ。

人類の祖先をはるか太古の昔までさかのぼれば人類みな遠い親戚である、という話を読んだことがある。その説が確かなら、皆様から頂いたサポートはつまり、遠い、遠い、本当に遠縁の親戚の姪っ子——つまりうちの娘——にたいしてあげたつもりのお小遣いだったのではないだろうか。そう理解した方が自然である。なので、サポートで得た収入はそっくりそのまま娘に「お小遣い」として払うことにした。しかし2800円は大金だ。とりあえず1ヶ月1000円を渡すことにした。お小遣い1ヶ月1000円である。3歳の娘として多いのではないだろうか。いや、これは読者の皆様が娘に渡した小遣いであるので俺がどうこういう筋合いのものではないのだ。2月に1000円、3月に1000円をお小遣いとして娘に渡した。お小遣いは主にガチャガチャや縁日のスーパーボールすくいなどで使っているようだった。皆様にご恵投いただいた金銭サポートは、このようにして使われた次第である。

「とうちゃん、いまなんがつー?」 「四月だよ」

そう、最近の娘は、月日の感覚が分かるようになってきたのだ。最初に覚えたのは曜日感覚だ。プリキュアの放映している日が「にちようび」。にちようびの前日で、とうちゃんが家にいる日が「どようび」、どようびの前日で、0655に「よんきびう隊」が登場する日が「きんようび」…。このようにして娘は曜日というものを覚えていった。それが先月ぐらいの話である。そして今度は月という単位を理解しつつあるではないか。プリキュアを起点に曜日を覚えたのは理解できるが、月を覚えようとした原動力が分からない。この原動力はいったいどこから…

「しがつだから、おこづかいちょーだい」

………なるほどそうきたか。いや、良い。権利の主張がきちんとできる、これは素晴らしいことだ。俺は娘に小遣いとして1000円を手渡した。正確に言うとnoteの投げ銭は残り800円しかなかったが、ジャパネットたかたが金利手数料を負担するのと同じように、足りない200円は俺のポケットマネーで支払った。と偉そうに言えるほどの金額ではないけれど、でもまあ、これも娘が自力で稼いだ1000円なのだ、俺の200円も含めて。


4月になり環境が変わった。娘は幼稚園に行くようになった。といっても最初は短時間の慣らし保育だけど、それにしたって決められた時間通りの共同生活を生れて初めて他人と過ごす、ということになるのだ。親としてとにかく園に馴染めるかどうかが気がかりだ。もちろん最初の数日は一人で遊んでいたようだったようだったが、何日かしてからは徐々にお友だちもできつつあるようであった。

「娘ちゃん、幼稚園のお友だちの名前、おしえて?」 「えっとね、〇〇くん、△△くん、……」

なんと娘の挙げた名前は全員男の子であった。モテモテか。あまりに娘がモテすぎると、それはそれで心配になってくる。いや、これは杞憂ではないのか。しかし、成長した娘が彼氏を連れて家に遊びに来た時のことを想像すると、俺は彼氏になんと声をかければいいのか…いや、もうやめようこういうこと考えるの。娘が幼稚園生活を楽しく過ごしているならそれでいいではないか。うん。そうだ。邪念があるのは俺の方である。無。無の境地。


4月の終わりに娘は誕生日を迎え4歳になった。娘は生クリームを食べないのでケーキは食べられない。娘と話し合いの結果、娘の誕生日にホットケーキを焼いてお祝いすることにした。娘が大好きな絵本であるバムとケロのホットケーキだ。そしてHUGっとプリキュアに4月から登場した新しいアイテム、メロディソードをプレゼントした。アニメを見てずっと「ほしい」「ほしい」と言っていたので(罪作りな番組だ…)、念願かなったということになり娘の喜びようはひとしおである。さっそく”武器”を手にした娘は、それを使って悪を倒したいようだった。

「とうちゃん、クライアスしゃやってー」 「オシマイダー!!」

クライアス社というのは今作のプリキュアに登場する敵役の組織である。俺が悪を演じ、正義のヒーローを演じる娘が俺を成敗する、というごっこ遊びである。そう、娘はプリキュアというヒーローに憧れているのだ。

「ぐええ、やられた…ヤメサセテモライマス~」 「もういっかいやろ?」 「!?」

娘は悪の組織に対し容赦がない。それはいいことかもしれない。しかし俺の体力にも限界がある。悪人にも三分の理、ということわざもある。そのへんのところもぜひプリキュアさんで教えてほしい…いや、教えていただくわけにはいかないでしょうか……


チャーハン大賞は、おかげさまで大賞をとることができました。これもひとえに読んでいただいた皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

そして娘へ。あらためて、4歳の誕生日、おめでとう。

東京の下町在住。 趣味は写真。酒は人生。最近は娘の成長をブログに綴ってます。 今までの寄稿記事→ http://www.mizuhebi.com/work ブログ→ http://www.mizuhebi.com/