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イギリスのスクールついて少しご紹介

本日はカテゴリーコーチMTGをしていたときの話題や少し前にお聞きした話題を少しご紹介します。

当クラブの6年生コーチに、昨年まで仕事の関係上1年半ほどイギリス留学されていた方がいらっしゃいます。

お子様もいらっしゃるコーチでしたので、現地では2人のお子さんをイングランドの名門『ワスプス・ラグビー』のジュニアチームに所属されておりました。

コロナの影響もあり、なかなか通常活動が出来なく、またコーチご本人もコーチ研修などを受けたものの、オンラインとなってしまったためちょっと残念だったとはおっしゃっておりましたが、それでもラグビー発祥の国の『国、地域におけるラグビーの存在価値』や『ラグビーの考え方』なんかは、やはり日本との違いを感じた部分はあったようで、色々と共有して下りました。

ので、ちょっとメモ書き程度ですが、こちらにも共有させて頂きたいと思います。

クラブ方針(協会方針)...『Kids First』
→この精神はスクール内で徹底されている 

【交流試合の頻度】

1〜2回/月 で行われていて
交流試合等のコーチ陣のやりとりには...
『Just Fun Fun Fun for all kids, parent, and coaches!!! 』と記載されている 「とにかく子供も親もコーチもたくさん楽しみましょう」

【交流試合の注意事項】

『参加する子供に必ず同じプレー時間を確保するように管理しなさい』 また、『親や子供が勝ち負けを気にしないようにトライ数も数えない』
試合後は... 違うクラブのコーチとパパっとコミュニケーションをとって、ホストクラブのコーチがそれぞれのチー ムのMVPを発表。
MVP賞としてメダルや靴紐をプレゼントしてみんなで拍手でお祝いをする。
※靴紐にも「Kids First」と刺繍してある。
よくスクール内で、
Our key principles remain integral to all age groups training (and festivals) (以下の原則はトレーニングや試合でみんなに共通することである)
1. Teamwork (チームワーク)
2. Respect (尊敬)
(to players, coaches, refrees & supporters - this applies to players and parents) 3. Enjoyment (楽しみ)
4. Discipline (規律)
5. Sportsmanship (スポーツマンシップ)


【コーチングに関して (小学生までは)】

『とにもくにも子供たちにプレーをする喜びを感じてもらう』『ラグビーを好きになってもらう』『個性は全く否定せずに、チームワークを強調する』
以上を徹底。
基本的に『Not , Do not (ダメ。しちゃいけない)』 といった否定後を子供に投げかけるのはNG。ポジティブな声がけしかしないように意識している。

例えば... タックルを外されても、
「Unlucky!」としか言わない。
駄々こねたり、ふてくされてしまう子供にも声を荒げることなく、膝を付いて子供と目線を合わせ て、
「Don’t worry. You can do it」と諭すように話をする。
ただ、数名熱くなって叫んだり、プレーの指示をしてしまう親はいるが、コーチが笑顔でウィンクしてたしなめてるみたい。笑


【学年の目標】
(コーチのお子さんがいた学年の目標)
- Passing and receiving the ball at speed (スピードを持ってキャッチ&パス) - Communication (コミュニケーション)
- Finding space (スペースを探す)
- Offside rules (オフサイドをしない)
→多くを与えないことがポイント

【練習中のコーチの声がけ】
シンプルかつ多くを求めない。
「Hands ready (Hands up)」
「Go up together (一線アップ※誰もできませんが。笑)」 「Hold the line」
「Keep the line」
「Find space」
「Quick Hands!」
「Support!」 「タックルは逆ヘッドダメよ。一度つかんだらkeepn it tight!」
主にこのくらい。 

あとはひたすら「Excellent!」「Amazing!」「Lovely!」といったポジティブワードの活用。
日本のスクールと比べると雰囲気は「緩い」ですが、試合になるとみんな夢中でプレーするので 見ていてすがすがしいとのこと。大人のことは無視しまくり笑。 自然に声はよく出てコミュニケーションはとるし、トライをとると自然にみんながトライをとったプ レーヤーに駆け寄ってハイタッチしてます。 スキルやラグビー理解度で行くとワセクラの方が圧倒的に高いようですが、子供たちはとにかく「プレー」 に集中しているので不思議な感じなようです。

【現地のコーチに言われた日本のスクールのこと】

・練習の内容について

「日本人っぽいけど、我々からしたら子供に教える内容としてはtoo muchだね。子供たちは楽し んでいるのか?」とはっきり言われました。
→これは私もも思っていること。
いろいろを教えたくなるけども、タスクを絞ることも大事。

・試合について

勝ちを求める為に同じフィーを払っている子供を平等に扱わないなんてありえない。イギリスなら保護者から大クレームの嵐で、クラブは存続していけないよ。みたいな空気のようです。

でも、決してだから『参加する子供に必ず同じプレー時間を確保するように管理しなさい』としている訳ではなく、この育成世代にとって大切な『本質的価値』を貫いているというがベースにあるのです。

エディージョーンズに日本人はフィットするのは分かるけど、ジェイミーで結果を出したのは素晴らしいともいわれました。
→日本人らしさを活かしつつも、自主性の創造を徹底的に行う。 →他者や他チーム比較ではなく、自らの比較。『今日よりも明日』『練習前より練習後』の意識の浸透が必要。

こういう方針を徹底できるのは、(言い方が良いのかはかなり微妙ですが、)階級社会的なものは根強く残っていて、 裕福な家庭の子供も多そうですし、親も子供もラグビーをやることでの心のエリート教育的な雰囲気はあるから。
→ラグビーを行うことでの教育的観点を根付かせる《文化》を作り出すこと。 これは円滑なスクール運営と子供のためのスクール運営のヒントかと。

もちろんそもそもの国の文化の違い、キャラクターの違い、いろんな違いがあり全てを『真似』することが最適かというとそれは違うし。

でも、こういう世界があり、『日本のクラブ』と『他国のクラブ』のギャップを知ることが間違いなく、『自分のクラブ』をより良くする為の材料であることは間違いないので、非常にいい話を聞けたなと思っています。

共有させてもらいます。

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