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広報ファン担当の仕事 ~試合当日~

こんにちは。山野修治です。
この記事にアクセスしていただきありがとうございます!

前回広報ファン担当の仕事としてnoteを更新。想像以上に多くの皆さまからコメントが届きました。そして、さらに【先週の記事ランキング】にてスポーツ分野の第6位としてピックアップしていただきとても驚きました。

これからも可能な限り仕事内容や日々感じたことを発信していきたい改めて強く感じました。

今回は広報ファン担当がトップリーグの試合当日にどんな仕事をしているのか、全てをここに記すことはできませんが、《前編・後編》の2回に分けてその一部をご紹介していきたいと思います。

トップリーグ2021。プレーオフトーナメントが先週から始まり2月20日に開幕してからあっという間に時間が経ちました。
プレーオフも残すところ4試合。5月23日の決勝まで1ヶ月と少ししかありませんが、皆さまのラグビー観戦の楽しみ方が変わるような情報も詰まっていると思いますので最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

スタッフのスケジュール管理

東芝ブレイブルーパスには18名のスタッフが在籍しています。各部門のスタッフがどの時間帯に何をしているのか管理し、より円滑にチームを運営するために調整をするのがマネージャーの役割です。

僕が早稲田大学で学生スタッフとして活動していたときに、同期のマネージャーが作成したExcel資料のフォーマットを東芝ブレイブルーパスに来てからもそのまま活用しています。
以下のような表を作成し、10分単位でいつ誰がどこで何をしているのか一目で確認することができます。会場まで誰がどの手段で移動し、選手到着時やイレギュラー発生時にどのスタッフが対応できるのか事前に把握することでき非常に便利なものとなっています。

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試合当日朝に必ずやること

5時起床。
普段から朝は早いのですが、試合当日は必ずこの時間に起きるようにしています。オープン戦など遠方で試合が行われるときは3時半や4時に起きることもあります。

海や川が近いホテルに宿泊するときは、僕自身も選手たちと同じ緊張感で会場に入れるよう気持ちを切り替えるために、太陽が昇る時間にあわせて散歩をします。
また、選手が朝食後の散歩で困らないようにルートの下見も兼ねて周辺を散策することもあります。

朝ごはん

ラグビーの試合はお昼頃から開催されることが多いため、学生スタッフの頃から変わらず試合当日は昼食を食べないという決まりを自分の中で設けています。あまり意味はないですが、単純に時間がない昼食時間よりもチームのために時間を充てるという理由から自然と意識するようになりました。

一日分のエネルギーを身体に蓄えるため、朝食は選手たち以上の量を食べます。
もともと現役時代はプロップだったので食べることは大好きです(最高体重は107kgありました😅)。同じ時間に食べ始めた選手よりも長く食事会場にいて食べ続けています。笑

試合会場へ先入り

キックオフの3時間半前(12:00キックオフの場合は8:30)に試合会場へ入ります。より良い環境でパフォーマンスを発揮することができるよう様々な準備が整った状態で出場メンバーを迎えるためです。

今季はコロナ対策により、先発スタッフや出場選手が会場に到着する時間が定められています。
基本的にほとんどの荷物は運送業者さんによって先に会場へ運んでいただいているため、当日に準備が必要となる荷物(試合で使う氷やマッチミールと呼ばれる捕食など)を積んでホテルを出発します。

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ロッカー準備

東芝ブレイブルーパスの場合、先入りして準備を行うスタッフの人数は4人。

・チームディレクター(COVID担当)
・S&Cコーチ
・アスレティックトレーナー
・広報ファン担当

試合前に準備をする項目は多岐に渡ります。東芝は準備を担当するスタッフの人数を最小限としているため、サントリーサンゴリアスさんをはじめ他チームの先入りと比較するとかなり少ない人数だと思います。
少ない人数ではありますが、その分一人ひとりの仕事内容は明確になっており、コミュニケーションを円滑にとりながら効率よく一つひとつ準備を行えていると感じております。
日本国内や海外のラグビー競技に対応したスタジアムのロッカールーム内に入ってお仕事ができるのも楽しみの一つです。

(新国立競技場👇)

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(ミクニワールドスタジアム北九州👇)

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実際に僕が担当している業務内容の一部をご紹介します。

・選手ロッカーの割り当て
・本部への書類提出
・タオル、喪章、ベンチコートの準備
・タイムスケジュールの記載

タオルやベンチコートなどの準備物は出場メンバー23名分すべての位置や向きを揃えるように心がけ、選手たちがロッカールームに入ったときに試合に集中できるような環境を整えます。

タイムスケジュールは到着からキックオフまで事前に決められた流れに沿って一つひとつ準備を進めることができるように大きな字でわかりやすく書くように心がけています。ホワイトボードに字を書くという作業は試合の勝ち負けに直接関係のないものですが、学生スタッフの時から担当させていただいており、一文字ずつ丁寧に書くことを意識しています。

(大学3年 帝京大学戦👇)

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(東芝3年目 TL第7節👇)

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大会本部への提出物

プレマッチミーティング20分前までに大会本部へ『出場メンバー表』と『スタッフエントリー』と呼ばれる用紙を提出するよう定められています。
それぞれの書類に関する説明は以下の通りです。初めて耳にする方が多いかと思いますが、試合を開催するうえで非常に重要な書類となります。

当日メンバー確認リスト
 キックオフ48時間前からの変更有無を確認するための重要な資料。登録メンバー23人の氏名、キャプテン、フロントロー及び外国人選手のカテゴリーを確認することができる。
チームスタッフエントリーリスト
 チームエリア及びテクニカルゾーンに入ることができるスタッフの人数を確認する資料。ラグビーでは監督やヘッドコーチがピッチに立つことができないため、その名前を記載することができないように定められています。

プレマッチミーティングへの出席

キックオフの80分前に行われる会議。
今季は新型コロナウイルス感染防止の観点より実施時間と参加者は最小限となっております。基本的には以下のメンバーが参加して、当日の試合に関する注意事項等を確認します。

・マッチコミッショナー(開催地協会にて選出される)
・両チームのチームディレクター(または主務)
・チームドクター
・審判員代表者
・メディカルコミッショナー
・マッチデードクター
・サイティングコミッショナー

雷雨の影響で中止となったTL第4節。
このミーティングではサントリーの主務・宮本さんから雷雨時の試合中止の判断(試合の成立)について明確にしたいとの要望などがありました。実際にキックオフ直後あのような天候となり、事前確認をしていたことから慌てることなく全運営スタッフが効率的に試合運営を遂行することができました。

出場メンバーの到着

キックオフ1時間半前。出場メンバーが会場に到着します。
ガイドラインでは「双方のチームはキックオフ時刻の遅くとも70分前までに競技場に到着しなければならない。」と定められています。

新型コロナウイルスの影響やSNSの普及により、今季のトップリーグでは各チームが選手到着の様子を配信。
サントリーサンゴリアスはインスタライブ、NTTコミュニケーションズシャイニングアークスはオリィ研究所のOriHimeのカメラを使用して交流するなど、チームによってその方法は様々です。

東芝ブレイブルーパスではInstagramのストーリー機能を使用して15秒映像を毎試合公開しています。試合によって画面に登場する選手は異なりますので、毎試合楽しみにしていただけたら嬉しいです。

キックオフ後から会場を出発するまで

選手到着後からノーサイドとなり試合会場を出発するまで、時間はあっという間に過ぎていきます。
怪我した選手や都度発生するイレギュラーな出来事への対応など、何度経験しても同じように終わることのない仕事です。チームスタッフとして関わる中で最もやりがいや達成感を感じる時間でもあります。
本当に楽しく充実したお仕事です。
こちらについては《後編》で皆さまにお届けできればと思います。

最後に

今回はじめて《前編》として試合運営の内容について書かせていただきました。
これまで僕自身が経験してきた内容は教科書のようなものが存在せず、すべてが誰かのためになる情報でもないと思います。
でも、ここに書かれている情報のうち何かひとつでも学生やスポーツチームで働きたいという夢を抱いている方の『お手本』や『学ぶ機会』になっていたらいいなと思っています。

もっと詳しく知りたい内容などございましたら、ぜひコメント欄に書いていただければ嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました😊
次回のnote更新も楽しみにしていただけたら嬉しいです。


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