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お礼、そして。


 Team RevArt『恋砂-れんさ-廻』、東京公演が無事に終演しました。先ずは、ご来場頂き、ご観劇頂き誠にありがとうございます。
 配信公演もまだあるので、ネタバレ部分はなるべく避けながら、振り返ってみようと思います。
 福岡公演や配信で観劇予定の方は一応お気をつけて。
 事の始まりは昨年9月、『飛龍伝』の稽古中での会話だった。同じく出演していたRevArtの主宰である男澤くんと話しているうちに、彼が同じ大学の2個上の先輩にあたる事がわかった。同郷の人間とも中々出会えない環境のなか、接点は無かったとはいえ同じキャンパスに通っていた人物と会えたというのは、僕の中でかなり嬉しい衝撃だったのを覚えています(学食や近くのラーメン屋、アルバイトをしていたお店の話などで盛り上がりました。かなり周りを置いてけぼりにしていたと思います)
 公演が終わった後、男澤くんから「今度うちの団体で福岡公演をやるから出てくれないか」とお話を受け、「いいよ、やろう」と二つ返事で出演を決めました。これが昨年12月の話。我ながら勢い任せもいい所な即断でした。
 あらすじはざっくり言うと「いつの頃からか流れない砂時計を大切に持っている少女と、彼女に関わることになった東雲という男との時間制限のある恋物語」といったところ。
 僕に任せられたのは薄暮という名前の神様。主人公、東雲の長年の相棒であり、物語の全体を見守るような、ストーリーテラーのような役回りを演じた。暫く、つかこうへい作品への出演が多く爆竹のような台詞回し(ハイテンション、ハイスピード、それに加えての長台詞)をしていた身から一転、落ち着いた台詞が多い役(それでもところどころ激しい語りの部分はあったけれど。やりたくなっちゃった)。
 相棒への砕けた態度、裏切られた衝撃からの苛立ちや寂しさ、そして理解した時の柔らかさ。物語を通して1番変化があるのが彼なのではないか。台本を読み進めながらシーン毎の彼の心情を何通りも考えました。ストーリー進行の仕掛け的に、初見の方は薄暮の態度の急変についていけないかもと思いましたがどうなんでしょう。伝わってるといいな。
 神様という役柄ですが、彼も全能ではありません。やっちゃいけない事もあるし、わからない事も勿論ある。
 暁月や香子とのシーンも、彼らに語り、彼らの言葉を聞きながら、自分自身への一問一答をしている気分です。「ああ、あの時の自分だ」「今ならあいつにこう言えるかもしれない」そうして出された自分なりの回答が、薄暮の成長として届けられたらと思っています。
 さて、もうすぐ福岡公演が始まります。東京はダブルキャストでしたが、福岡ではそれぞれのチームからのミックスキャスト。また違った風味の物語として届けられると思います。
 演劇はもちろん劇場で観てもらえるのが一番いい。しかし、どうしても行けない人も勿論いる。そういう人達の為に配信があり、僕らは画面の向こうまで届くような時間と空間を創り出さないといけない。
 まだまだ未熟で、自分の事を棚に上げた発言ですが、これからの自分への発破と戒めということでご容赦ください。
 それでは劇場で、画面越しでお会いしましょう。

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