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自動運転以外の分野にも広がりを見せる物体検出技術

AIの分野でも注目度の高い物体検出。物体検出は自動運転の際の歩行者や信号機、標識の判別の際に用いられているので、皆様もよく耳にすると思います。

 そんな物体検出の技術は今も進化を続けており、今年に入ってからも多くの分野に適用されてきています。我々も物体検出を使ったサービスをweb上で公開(現在は無料です)しており、これからもサービスの進化を考えておりますので、新しい情報はウォッチしています。今回は、その中で見つけた物体検出の最新の事例がありましたので、せっかくなのでご紹介させて頂きます。

 交通分野においては、自動車の自動運転が圧倒的に注目されていますが、鉄道でも実証実験が始まっています。日本の鉄道は、安全性や通行の利便性アップのためにバブルの頃から踏切の高架化・地下化を進めてきていました。しかし、人口減少社会になってきてからは、新規の投資を行うのはなかなかに難しく、設備の老朽化や道路交通の妨げになる場合をのぞいて、高架化するのではなく、踏切を残しつつ事故を減らすという取り組みにシフトしてきているようです。その一つの手段として、物体検出技術が「事故になりうるリスク(踏切内の人や車など)」をいち早く検知する手段として注目されています。


 また、物体検出技術は、交通分野以外でも注目されています。農業では今、若い担い手の不足から将来的な熟練農家の減少が問題となっています。熟練の農家でなくてはできない作業を「AIでできるだけ支援できないか」ということがニーズの一つして存在するようです。また、これらに対しては物体検出以外の技術とも組み合わせることによって、物体検出そのものの価値も上がってきています。


 最近のホットな話題でいうと、コロナ禍においての商業施設等での「マスクの問題」でも活用されています。マスクには感染を抑える効果があるので、特に不特定多数の人が集まってくる商業施設等では使用が推奨されています。しかし、特に暑いこの時期は熱中症予防の観点から、外を歩いているときはマスクを外していたりすることもあります。そして、そのままうっかり入店してしまったりすることもあります。それだけではなく、マスク使用に対する価値観も人によって異なるので、マスクをしていない方にうかつに注意をしてしまうと、トラブルの元となったりしてしまうこともあります。お店側としては、すべてのお客様に安心して買い物をしてもらいたいという思いがありますので、お客様にマスクの着用をお願いしたいと思っているはずです。しかし、全てのお客様に口頭で注意するのは手間がかかりますし、商売の上でマイナスに働くことも懸念されます。そこであるサイトでは、マスクをしているかどうかを物体検出技術で自動的に検出し、マスクをしていない人に忠告をしてくれるサービスを無料で公開しています。無料というのが大きく、多くの人がこのサービスを使うことができることから、物体検出技術の普及にも一役かうだろうなと考えております。


 物体検出技術は特定の分野に限らず、着実に広い範囲で応用をされつつあります。物体検出によってどんなビジネスができるか、どんなサービスを生み出せるか、我々も常に考えながら開発していきたいと思っています。

 物体検出技術(Mask-R-CNN)を用いた我が社の切り抜きサイトはこちらから無料で利用できます。

 



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