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新たな技術の急速な普及について思うこと

世の中、新型コロナウイルスが一気に広がり、多くの地域で多くの人がこれまでとは異なる生活を余儀なくされています。この疫病の広がりは早く収まってもらいたいものですが、このコロナ禍をきっかけに利用が加速しているものもあります。

それは、ロボットやドローンなどです。

日本では、現在のところ緊急事態宣言や自粛というレベルでなんとか対応できていますので、あまり実感がないかもしれません(皆さんご存知だと思いますが、世界的にみると、まだまだマイルドな対応です)。しかし、海外に目を向ければ、ロックダウンや外出禁止が当たり前になっていたり、少なくともこれまでに経験した国というのは数多くあります。ロックダウンや外出禁止になると、どうしても今まで通りに社会を回すことが難しくなります。ゆえに、海外では日本よりもロボットやドローンの活用が加速しています。実際、外出禁止を取り締まるために、警備員を増やして、その警備員が感染を広げる形になってしまっては意味がないでしょうから。
新型コロナウイルスの登場に伴い、必要に迫られ最新の技術が一気に普及しつつあるのです。欧米では、ロボットやドローンがそばにある生活が、より早く来るかもしれません。


具体的には、医療分野では特に早く利用されそうです。というのもこの記事の例のように、これからくるパンデミックに対する効果的な策のひとつとして「人同士の接触を減らす」ということがあるからです。当たり前ですが医療現場は、患者と接触する機会が多く、自ずと感染リスクが高くなります。医療関係者が相次いで感染してしまうと、感染者を増やすことにもなりますし、感染者に対応する医療関係者も減ってしまうので、医療崩壊に繋がってしまいます。これまで医療分野でのロボティクスの導入は、患者側の抵抗感や高い利用コスト、医療事故の恐れ等がブレーキとして働いていました。しかし、「医療崩壊があり得る」という現在の状況では、利用コストが高い等の課題もまだありますが、患者側の抵抗感という大きな障害が小さくなってきており、一定程度普及が進むと思われます。
また、ロボットだけでなく、ARやVRと行ったテクノロジーも観戦量に対する遠隔からの治療や通常の手術へのソリューションとして注目されてきています。


最新技術がより早く普及することは、昨今注目されるDX(デジタル・トランスフォーメーション)的には良いのではないかと感じます。一方で、新たな技術が一気に普及していくことは必ずしも良いとは限らない、という見方もあります。新しいものの普及が一気に進んでしまうと、通常働くはずの市場による「リスクやデメリットに関する多角的な精査」というダイナミクスが十分に働かず、そのリスクやデメリットが世間の人々に「常識」や「当たり前」として、固定化されてしまうことがあるからです。もちろん世の中は、「事件や事故に伴う環境の急速な変化が起こらなければ、なかなか変わらない」という見方もできるので、新技術の急速な普及に否定的なこの意見を、さらに否定をすることもできます。とはいえ、その固定化してしまった「常識」や「当たり前」は、忘れた頃に思わぬアクシデントとして我々に降りかかってくる可能性があることも忘れてはいけません。最新技術のメリットを享受しつつも、リスクやデメリットを考えることも、より意識する必要があります。

新たな技術の急速な普及で置き去りにされたリスクやデメリットが、「コロナの二次災害」として訪れて来ないようにしたいものです。



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