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ゲームと兄

私のゲーム遍歴において兄の存在は無視できない。

私の兄は、兄弟である私からみても変わっている。子供時代の話は母からよく聞かされた。
とにかく子供らしい子供ではなかったらしい。感情の起伏に乏しく駄々をこねる、我儘を言う、泣く、笑う、怒るということがなかったそうだ。
ある日両親が不在の時に電話を受けた兄が、用件は何であるか、どなたからの電話であるかを確認し母に伝え、折り返し電話をした母が世間話の流れの中で相手に尋ねられたそうだ
「しっかりしたお子さんですね、おいくつになったんですか?」
と。その時兄は3歳だったそうだ。相手の方も驚いていたし、母も詳細を聞き驚きながら誇らしげだった。この話は耳にタコができる程聞かされた。

そんな兄がある日初めてに近いおねだりをした。
それが『ファミリーコンピュータ』通称ファミコンが欲しいと。

両親は今までの兄の態度もあり、すぐに望みを叶えたそうだ。
それが4歳の時で、初めて買ったソフトは『ゴルフ』。マリオの〜などというキャラクターと合体したゴルフゲームではなく、いわゆる親世代に向けて作られたようなゴルフゲーム。やはり変わっている。

そこから兄のゲーム道が始まる。
私は4つ離れているので物心つく頃には兄のゲームをしている姿しか見ていない。
小学生の頃は今では考えられないが外で遊ぶ事の方が好きだった。なのでほとんどゲームをした事がなかった。そもそも兄の物なので安易に触る事ができなかった。というのは私の下の子供らしい考え方で、兄はそんな事で怒るような人間ではないが。

ゲームソフトの選択は全て兄である。そこに『兄弟で仲良く楽しもう』などという考えはなく、『一人で黙々と進める』系のゲームがほとんどだった。時々は二人対戦ができるソフトもあったがそれを一人でやり込むような兄だった。

今思うと私はさほどゲームに興味がなかったのだろう。もちろん王道のマリオシリーズ、ゼルダシリーズ、ロックマンシリーズ、他アクションをちょこちょこはプレイしていたが、やり込んだ、という記憶がない。他の趣味もあったし、兄の横で観ているだけで充分だった。

時代が進みゲームも進化した。一目でわかるのはグラフィックの美しさだ。
当時衝撃を受けたものがある。『ファイナルファンタジーⅧ』のCMである。いわゆるムービー映像が流れており、主人公とヒロインが抱き合おうとするシーンを観た。
「これがゲーム?もう実写やん!」
当時は本当にそう思った。
もちろん兄はFFシリーズをプレイしておりFF8も購入した。
始めは観ているだけであった。あの美しい映像を観たい!と思いながら。しかしプレイしているのは兄である。もちろん私が不在の時もプレイしている。

話は進むし、ムービーも観れない!

私の遅いゲーム道の始まりである。
当時はゲーム実況どころかインターネットもさほど普及していない。ならばどうするか、自分でするしかない!

そこからは坂を転がるようにゲームにハマっていった。スーパーファミコンに戻り、ファミコンに戻り、今までのゲームに触れていった。
といってもまだまだできていないゲームは沢山ある。それをプレイしたいが新しいゲームもしたい。今は昔ほどゲームに割く時間がないが、それもやろうと思えばどうとでもなる。
今後も新しいゲームに目を輝かせながらレトロゲームも楽しんでいこうと思う。

ありがとうございました。

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