見出し画像

【私が考える】子どもの教育資金〜奨学金を振り返って〜

大学進学と奨学金。
子を持つ親としてはしっかり考えておきたいこのテーマ。
この記事では私の学費に関する経験をもとに、奨学金とはどういうものか、それを踏まえて主に高校以降の子どもの教育資金をどう考えるかをまとめたものになります。

子どもはまだ小さいけど将来の学費をどう考えればいいか迷っている方々の参考になればと思います。


1. 奨学金について

1-1.奨学金ってなに?

奨学金とは、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)や民間団体などが、経済的な理由で進学できない学生に貸与する資金のこと。

カオナビ 人事用語集

大学進学のためには「お金が必要」というのは目を背けてはならない現実ですが、奨学金は経済的理由で進学が叶わない人たちへのサポートという位置づけになります。
(学校によっては学費免除等の制度もありますがここでは割愛)

奨学金には貸与型と給付型があります。
貸与型といえば日本学生支援機構の奨学金を一番に思い浮かべますが、
「第一種奨学金」であれば無利子、
「第二種奨学金」であれば利子ありで受け取ることができ、基本的には借りた分(とその利子分)を返還する必要があります。
(条件によっては奨学金の返済免除の制度もありますがここでは割愛)
誰でも借りられるわけではなく、世帯年収や本人の学力に一定の条件が必要です。

一方、給付型奨学金は返還の義務がありません。

貸与型 = 借金
給付型 = おこづかい
とざっくり認識しておけばよいでしょう。

1-2.私の経験

私も大学進学の際は奨学金を借りたのですが、
その理由は我が家が裕福ではなかったからなのでしょう。
「なのでしょう」なんて他人事チックなのは、当事者である私が大学に行くのにどれだけのお金がかかるのか、親の年収がどれほどなのか、全然知らなかったしあまり深く考えようともしなかったからです。
今考えれば、自分の事なのになんという責任感の無さでしょうか・・・

母親に言われるがままに第一種奨学金、第二種奨学金、そして地域の財団法人から給付型の奨学金も受け取っていた私は、授業料や家賃を奨学金で賄い、食費などの生活費はアルバイトをして稼ぐ…
そんな学生生活を送っていました。

その奨学金のおかげで生活はそれほど不自由なく、勉強しつつ小さい頃から好きだった野球も続ける事ができ、適度に遊び、人並みに楽しい大学生活が送れたのではないかと思っています。

卒業した後は毎月一定額を返済していくわけですが、返済のトータル額を見たときには目ん玉が飛び出るくらいびっくりしましたね。
ただ、冷静に振り返ってみるとそれだけのリターンは得られたと思うので
「まあ、しゃあないか」
という思いでコツコツ返済しております。

1-3.メリットとデメリット

奨学金のメリットは

・ローリスクでお金を貸してくれること

だと思います。

社会に出るといろんなローンの利率を目にしますが、それらと比較すると奨学金の「利率の低さ」は異常です※。
お金を貸す側からすれば、貸す事によるリスクに見合ったリターンとして利率を設定するはずですが、奨学金はそれが格段に低いと感じます。

※私は利率変動型を選択していますので「利率の低さが異常」なのは今だけであり、ずっとそうではないと考えた方がいいかもしれません。ちなみに現状は0.004%です。

私が利用した日本学生支援機構が、貸付によって得た利益がどれだけでそれを何に使っているのかは知りませんが、とにかく借りる側としては無利子もしくは低利率で借金ができることはありがたいことと感じます。
(そりゃ全部が給付型であれば最高なんですけどね)

一方デメリットについては特に思い浮かばないのですが、貸与型に限定して強いて言うなら

・後から返済するのがしんどい

ですね。

奨学金を借りていた当時は「借金をしている」という事実をあまりよくわかっていませんでした。 
卒業してから返済のために毎月一定額が口座から引き落とされ、
「きっついなあ〜」と現在進行系で思っていますが、まあ借りたものは返すのが当たり前ですし、大学生活で得た経験とその後の人生のことを考えればそのデメリットを補って余りあるものだと感じています。

給料をためて一括返済することも考えましたが、余力を削って返済するよりも今後のライフイベントに備えるべきと考え、毎月コツコツ返済しながら貯蓄や資産運用に回すようにしています。


2.子どもの教育資金の考え方

今だからわかる奨学金のリスクとリターン。
これらを考慮したうえで教育資金をどのように準備するか、我が家の考え方を説明したいと思います。

2-1. 基本的なスタンス

我が家では子どもたちの教育資金については、中学までは親の義務、高校は努力義務、それ以降は義務無しと考えています。

大学は基本的には本人が望んで行くものであり、親としてはもちろん子どもを全面的にサポートしたい気持ちはありますが、それはあくまでも「親自身のため」の行為だと考えています。

2-2.教育資金

高校まではその都度必要になったら我々の給料や児童手当等から教育資金を捻出していきますが、成人したばかりでおそらく資産もない子どもに対して
「じゃ、あとは自分でなんとかしてね」
といってほっぽり出すというのは流石に酷だとは思います。
なので子どもが生まれた瞬間から積立投資を始め、子どもが高校を卒業するまでコツコツ運用し、その時が来たら一括で子どもに渡して自ら管理させる予定です。
もし進学することになってお金が足りなければ奨学金を勧めますし、アルバイトも自由にすればいい。
高校を卒業したら進む道は自分で決めて、自分で生きていく力を徐々に身につけていってほしいと思います。

2-3.「見守る」ことの重要性

高校を卒業する「18歳」はいまや成人と見なされる年齢です。この時点で親の管理下から離れ、自分自身の選択と責任によって(いわゆる、自由を行使して)生きていく必要があり、親はこれを見守る責任があります。

親が全ての資金を援助するということは、その使い道を限定し自由と責任を奪ってしまうことになるのではないかと思うのです。
一方で、子どもがどんなに成長して自立していたとしても、本当に困っているときには親が手を差し伸べてあげるべきだと考えています。
必要以上の子どもへの支援によって親自身が困窮するよりも、子どもにもある程度のリスクを背負わせ、いざというときには支援してやれる。
そんな距離感がちょうどいいのではないでしょうか。

私自身は自分のために奨学金を借り、誰にも制限されることなく使い、そして自分で返済しています。
人生とは決断の連続ですが、「自由」を行使できる環境とその楽しさ、それにつきまとう「責任」、そしてそれを「背負う」という経験により、自分で何かを決めて行動する能力は格段に鍛えられたものと思います。
そしてそんな私にやいやい口を出さず「見守る」ことに徹してくれた親にはとても感謝しています。

3.まとめ

―大学進学の費用は積み立て投資をベースに、足りない分は奨学金を積極的に活用する
というのが我が家の方針になります。

卒業して社会人になり、結婚して子どもが産まれ、私は毎日大変ながらも幸せな生活を送っています。
お金が無い中でもこれまで楽しい人生を歩んでこれたのはいろんな要素のおかげでありながら、奨学金もその一部であるのは確かです。

裕福でない人が自分のやりたいことを自由にやるための手っ取り早い手段が「借金」なのだと、今になってそう思います(もちろん返済の義務と利子というリスクはありますが)。

子どもたちにはいずれ独立する日が訪れるはずです。自由を手に入れるためにはそれなりの責任とリスクが伴うということを教えるのに、奨学金はちょうどいい教材なのではないでしょうか。

そして子どもが進学する/しないに関わらず、その選択を尊重し見守り続けることができたらなと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

よかったら「スキ」「コメント」「フォロー」などリアクションして頂けるとありがたいです!

また、Xでは子どもたちのおもしろ日常も発信していますのでぜひフォローお願いします🙇

shugo(@shugotky)

この記事が参加している募集

#お金について考える

37,454件

少しでも心に響いたなら嬉しいです。