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謎の言い回し「有効成分」

入浴剤や頭痛薬の広告で「有効成分」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
耳にする回数があまりに多く、疑問に思わなくなっているかもしれませんが、よく考えると不思議な表現だと思います。
特に「有効成分が効く!」みたいな表現は「そりゃ有効成分だからな、効くに決まってる」と思いませんか。

このnoteでは「有効成分」について、知っていること、調べたことをまとめます。

このnoteの構成

1.このnoteを読んで欲しい人
2.有効成分とは!?
3.「有効成分」と「その他の成分」
4.有効成分という表現を使う理由
5.おわりに

1.このnoteを読んで欲しい人
ここまで読んで「有効成分」という言葉が気になった人

2.有効成分とは!?
有効成分は医薬部外品(注参照)に記載されるもので、代表的な条件に以下のものがあります。

・効果・効能に対して寄与する成分
・医薬品医療機器等法に基づき承認を受けた

上記を満たしたものを「有効成分」として表示・広告しているらしいです。

注)
医薬部外品…薬機法に定められた医薬品・化粧品などのこと

つまり、有効成分は管理項目で、勝手に名乗ることは出来なさそうです。

3.「有効成分」と「その他の成分」
表示上では、有効成分ではないものは、その他の成分に分類されます。これら有効成分とその他の成分は分けて表示するようになっています。

4.有効成分という表現を使う理由
あくまで推論の域での話です。
医薬品関連の広告は、必ず効果があるように謳われることを禁止しています。そして、有効成分という認可制度ができたので有効成分は効能があるように宣伝してよいはずです。

おそらく、有効成分は一商品に対して多数存在して、成分ごとに効能はかなり限定的に定義されているはずです。

上記二要素が重なった結果として「有効成分が効く」のような曖昧な表現が好まれるようになったと思われます。
確かに「効く」とだけ言っておけば「何に」効く「どのように」効くのか言わなくて済むため、大変便利です。

5.おわりに
このnoteを書きながら、痛み止めの広告で「イブプロフェンが効く」、胃腸薬で「有効成分が腸にまで届く」の文句を思い出しました。今まで、特に意味のないものとして捉えていましたが、実はこの表現、「有効成分が効く」よりも一歩踏み込んだ表現なのだなと感じました。
同時に、一般人にわかる表現に直すとここまでの抽象度になってしまうことに気づきました。見事に主語または目的語が隠されています。そして何より一番消費者が気にするどのように・どれくらい効くかはどうやら明記するように書けなさそうです。
今後、医薬部外品の広告を見たときは「企業努力…」と思い、いかにも効きそうな表現を見つけたときは「攻めた表現」と評価しそうです。

サポートがnoteを書く頻度の向上+モチベーションアップになりますので是非お願いします。