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なぜ腰痛が起こるのか? 原因不明と言われる腰痛の原因【手技道コラムNo.198】(再掲)

2018.2.11掲載


こんにちは、手技道の多治見です。

まだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こう寒さが続くと、免疫が落ちて風邪をひくだけでなく、

腎臓が冷えて腰痛が起こる場合もあります。

腰痛は来院される患者さんのお悩みで上位に来る症状です。

一般に腰痛症状でお悩みの方が病院に行かれると、

「ヘルニア」と診断されることが多いと思います。

もしくは「脊椎間狭窄症」と言われる場合もありますが、

これらは大きな神経に関係する症状です。

しかし、多くの患者さんを診ていると、

ヘルニアではなく筋膜の施術で腰痛症が改善する方が多数いらっしゃいます。

今回は、「なぜ腰痛が起こるのか?」

腰痛が起こる原因についてのご案内と、対処法についてご紹介したいと思います。

◯腰痛が起こる一番多い状況
結論として、一番多いのは「固まった筋肉が動く時に痛みが出る」です。

一般的に腰痛というとヘルニアと診断されることが多くあります。

しかし、ヘルニアなどを調べるレントゲンでは、

骨は写っても筋肉の状態はわからないためか、

実際に治療が必要なのは、筋肉、筋膜に関わることが有ることが殆どです。

筋肉筋膜は、怪我や習慣性の問題で同じ場所に力や緊張が入ったままに成ると、

筋膜が縮み、血流が悪くなり、最後にはそのまま固まってしまいます。

力を入れっぱなしにしている状態は大変疲れを脳が感じるため、

あえて感覚が麻痺して痛みや疲労を感じなくなります。

この動かない麻痺状態を維持しているうちは痛みを自覚しません。

ただ、呼吸一つとっても運動であり、全く動かず生きていくことは出来ません。

この固まった筋肉を無自覚に使い、

急に立ち上がったり重いものを持ち上げたときに、

筋膜に刺激が行くことで溜まっていた疲労や痛みがでるのが、所謂「ぎっくり腰」です。

慢性的に腰痛が有る方や、

長時間座っていたり立っていることで腰痛が出てくる人も、

固まった筋肉にじわりじわりと刺激が行くことで、

神経が中に溜まった痛みを再度感じ始めてしまうために起こります。

腰痛の85%は原因不明と言われている理由と考えられますが、

この歪んで固まった筋肉によるものとおもわれます。

◯腰痛に成る原因のパターン
腰痛に大きく関わるのが、手技道でもよくいう「原遺障害」です。

以下にその原因となるパターン例を列挙してみます。

①歪みによるもの、股関節が固まる
足に怪我を負うと、そこをかばって重心が変わります。

特に足首がダメになると膝関節、膝関節がダメになると股関節と、徐々に動きを庇い合って腰痛の原因となります。

同時に外反母趾、変形性膝関節症など、足の局所や全体の歪みにも繋がります。

また、足の外側を怪我すると、ホルモンバランスや脳神経にも影響が出ます。

例:
・足首の捻挫

・足部の骨折(中足骨、足の指、踵など)

・脛骨の疲労骨折

・踵の強打

・膝の靭帯損傷、断裂

・フクラハギやフトモモの肉離れ

例:捻挫によるもの

足首を捻挫したばあい、多くが足の裏が内側に向く内反足によるものが多いため、

捻挫した足側に股関節(お尻)が捻れて重心が捻挫側に寄ります。

そうすると捻挫足の股関節に体重が乗り、股関節が固まってしまうので、

お尻の筋肉や背中の筋肉に腰痛が起き出します。

更に身体の横軸が狂うので、

それをカバーして前後軸も歪んでいき、反り腰や猫背の原因になります。

②骨盤、仙骨、尾骨、恥骨の打撲
骨盤(仙骨、尾骨、恥骨)には中枢神経といって、運動機能や知覚感覚の大元で脳に直結した神経が有ります。

尻もちや転倒、落下などでお尻を強打して、この神経を損傷すると、

周囲の筋肉の過緊張や麻痺による弛緩を発生させます。

また、神経過敏に成ると、筋肉系を治しても、神経そのものが痛むため、

神経の治療が必要になります。

この場合、西洋医学的な処置での対応や、自分で治す方法が難しいため、手技による施術治療が必要です。

例:
・階段で尻餅をついた

・雪の日に転んでお尻をぶつけた

・スノーボード、スキーで打った

・一輪車や鉄棒で恥骨をぶつけた

③反り腰
腰が過緊張して反り腰に成ると、臀筋や腰の起立筋から腰痛になります。

これは他の原因と相まって様々な原因で起きます。

スポーツのし過ぎですべり症に成るのもこのパターンです。

例:
・サッカー、陸上などでお尻の走るための筋肉を鍛えすぎた

・ムチウチをした連動で反り腰になる

・尾骨、仙骨打撲

④股関節脱臼
先天性の股関節脱臼がある方は、股関節が局部的に緩んでいる場合が有り、

そこ以外が庇って固まる場合があります。

これも腰痛の原因となります。

④腎臓負担、冷えによるもの
腎臓は腰の両側に有り、体液の濾過を行います。

この臓器は水分を多量に含むので、他の臓器に比べ、

周囲環境の冷えでこの水分が冷えやすく、

寒さに弱い臓器です。

お酒などで慢性的に腎臓が弱ったり、急激に冷えて腎臓が傷んだ場合にも腰に重い痛みを感じます。

この場合は、内臓自体を良くする必要があるため、治療には時間がかかります。


・冬季の冷え

・お酒の飲み過ぎ

・塩分のとりすぎ

・過労

◯対処法の一つ-「エアベンチ」
さて、先日エゴスキューのコースを体験したことのあるスタッフから、

エゴスキューの専門家が腰痛の方に何の運動法をオススメするか話がありました。

エゴスキューとは、アメリカ発祥の姿勢矯正を主体とし、姿勢を整えることで体の不調を整えるという運動法です。

特に、足首、膝、股関節、肩の位置を均一に整えることによりバランスをとることが特徴です。

普段腰痛には、「スタティックバック」という運動をオススメしています。

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しかし、今回の質問の正解は「エアベンチ」という運動法でした。

エアベンチとは「空気椅子」のことです。

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写真の通り、壁に背をつけて行うもので、一見すると大腿の前側など、足が大変疲れそうです。

ただし、この運動で大切なのは、足ではなく骨盤の中にある「腸腰筋」という筋肉です。

実はこの骨盤内の「腸腰筋」が目に見えないところで腰痛の原因となっていることも多数あります。

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この筋肉をしっかり使うことで硬さが取れて腰痛が軽減するので、

正しくエアベンチを行うためには、背中よりも、まずは仙骨から壁につけて行うことが肝要です。

先に背中をつけてしまうと反り腰だったり、猫背の場合、しっかりと骨盤が正しい位置にいかず、

腸腰筋を使うことが出来なくなってしまいます。

腰痛には骨盤(仙骨)と背骨(脊椎)の角度が大変重要です。

体力のない方には流石にエアベンチは大変なので、

普段オススメしている仰向けに寝てできる「スタティックバック」を行ってみて下さい。

◯原因の殆どは過去の原遺障害
腰痛は病気ではなく、一症状です。

その為、様々な原因から、

特に直接痛めるようなことをしてない場合、なかなか原因を見付けづらくありますが、

正しく診断することで、どう対処すれば治るのかがわかり、

決して難しい症状でもなくなります。

ご自身で思い当たる原因がわからない時は、一度手技道で原因を探しに来てみてくだされば幸甚です。


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